失敗しない仮想化統合の考え方

公開日 : 2013年03月22日
更新日 : 2020年12月11日

サーバー仮想化統合を成功させるためにはどのような点に注意すればよいのでしょうか。

それにはいくつかのポイントがありますが、この点についてJBCC クラウドインテグレーションセンター(通称:CLIC)の技術者が取材に対して答えたインタビュー記事でご紹介します。

「仮想化統合をどうすれば?」――失敗しないサーバー仮想化統合の考え方と必須ポイント

(ソフトバンクビジネス+ITのインタービュー記事より転載)

モノ、ヒト、カネすべての面で増え続けるITシステムのコストを一挙に削減する上で、「サーバーの仮想化統合」はもっとも有効な手段の1つだ。だが一方で、どのように自社のシステムの移行を進めるべきか、いまだに迷っている経営者やIT担当者は少なくない。そこで今回は、この6月にIBMの最新システム「IBM PureSystems」を日本で初めて稼働させるなど、仮想化統合ビジネスの先駆的存在として知られるJBCCに、「失敗しないサーバー仮想化統合の考え方と必須ポイント」を伺ってみた。

仮想化統合に踏み切れない理由の正体は「仮想化はこわい」

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企業がサーバーの仮想化に踏み切れない理由として、意外や「仮想化」という言葉自体をこわがっている例は珍しくないと、JBCC クラウド・インテグレーションセンター ITスペシャリスト 伊藤正吾氏は明かす。

「仮想化の実際をよく知らないというだけで、必要以上に難しいといった警戒心を抱いてしまうのです。そうした場合、当社ではデモやセッションを積極的に提案して、まずは実際に、仮想化されたシステムの画面などをお見せするようにしています」。


そうすると、それまで心配顔だったユーザーのほとんどは、「なんだ、物理システムと基本は変わらないのか」と納得するという。

この第一の心理的関門をクリアした後、仮想化統合のメリットを正しく伝えることに集中する。というのも、世間で話題になっているわりには、現場のユーザーは仮想化統合についての予備知識を持っていないからだ。仮想化統合ビジネスの責任者であるクラウド・インテグレーションセンターセンター長 関口薫氏は、「ほとんどのお客様は、最初から仮想化統合を考えているわけではありません。むしろサーバーのリプレース時期が迫ってきた、老朽化が進んでいるといった、よんどころない事情に迫られて、『では、次をどうしようか?』とご相談に見えるケースがほとんどなのです」と語る。

では、そうした抜き差しならない必要に迫られて訪れてきた企業に、JBCCではどのようなアドバイスを行っているのだろうか。



統合から仮想化へ。順を追って整理するのが成功のポイント

「従来のシステムを入れ替える場合、お客様は以前と同じ物理サーバーをベースに考えていらっしゃることが多いのです。しかし、最大稼働時に合わせてサイジングされた物理システムは、おおむねオーバースペックの仕様になってしまっています。まずその"ムダ"を指摘した上で、解決策としての仮想化統合があると説明することで、お客様には移行のメリットを自然にご理解いただけます」と関口氏は語る。

「また当社では、どんなシステムでも必ず自社で使って評価してからお客様にお勧めしています。このため『仮想化はこれだけ効率が良い』という説明も、数字だけのカタログスペックではなく、リアルな経験としてお伝えできると自負しています」。(図1)

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図1


では実際に企業が自社のサーバー仮想化統合に着手する際にどこから始めたらよいのか、関口氏にキーポイントを伺ってみよう。

「ひとくちに仮想化統合と言いますが、先に統合があって仮想化は第2ステップというように、順番に取り組んでいきましょう。サーバー統合の方がすぐにメリットが得られて、社内にも理解を得られやすいからです。もちろんサーバーをまとめれば、そこにシステムを集約する上で仮想化は必然ですが、考え方を整理する上では順番に精査していくのがよい方法です」。

まずサーバー統合を行うことで省電力や省スペース、CO2排出量削減などのメリットが期待できる。加えて、運用の人手や工数が集約され削減できる点も重要だ。こうしてハードウェアレベルでの大枠のコストが見えたら、次はそこに仮想化によって搭載できるシステムの見積が可能になる......といった順番で、自社の仮想化統合の全体像が明確にイメージできるようになるという。

仮想化統合にばかり気を取られると思わぬライセンス料の失敗も

JBCCの提案するサーバー仮想化統合では、システムの開発・構築だけでなく、ユーザーの課題解決に向けたコンサルティングに重点を置く点に特長がある。そこで、これまでの経験の中から、企業が注意すべきポイントをいくつか伊藤氏に教えてもらおう。

「まず、アプリケーションのライセンス料ですね。仮想化した場合のライセンス体系は、ベンダによってかなり異なっています。CPU課金なのかサーバーの台数課金なのかで大きく金額が変わります。そこに気付かず仮想化した結果、ライセンス料が従来よりも高くなってしまったケースがあるので注意が必要です」。

とくに仮想化ソフトウェアのライセンス料とサーバー台数のバランスは大切で、物理サーバーは台数があればあるほどコストがかかるといって、やみくもに台数を減らしてしまった結果、このライセンス料とのアンバランスに陥ってしまう間違いも少なくない。

「次に見るべきは、ストレージ費用です。仮想化環境ではディスクパフォーマンスが必要になるので、ストレージの導入をお勧めします。このサイジングが適確でないと、多ければ過剰投資、少ないとパフォーマンス不足に陥ってしまい、せっかくの仮想化の利点が活かせません」。さらにバックアップでも、仮想サーバーでは物理環境と異なる運用が要求される。この部分の人手やスキルセットといった、見えない部分のコストもおさえておくべきだと伊藤氏は付け加える。

無料のサーバー統合シミュレーションで自社の統合の第一歩を

ここまでごく大枠のみだが、サーバー仮想化統合の基本を見てきた。しかし専任のIT運用部門を持たない多くの中堅中小企業では、そもそも「何にどう手を付けるのか?」の時点で足踏みを余儀なくされているのが実情だ。そうした企業に向けてJBCCでは、仮想化統合の足がかりとなる無料サービス「サーバー統合シミュレーション」を、インターネット上で提供している。

「これは、仮想化統合への第一歩となる『サーバー統合』を行った場合、どのようなコスト削減効果が得られるかを分析するサービスです。当社のWebサイト上の入力フォームに、現在自社で保有されているサーバーの情報を入力いただけば、当社の専任スタッフがシミュレーションを実施して、結果をお知らせするものです」。

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初期投資の回収期間やコスト削減効果、CO2削減効果などの統合による効果が「見える化」できるため、すでに利用した企業の担当者からは「分析レポートとして、予算取りの上申資料に活用できた」との評価も寄せられているという。もちろん、シミュレーションしたらそこで終わりではない。

「むしろ、ここが始まりになります。今までは、お客様は自社のシステムの悩みを相談したくても、何を相談すべきかがまずわからない。私たちも何が問題なのか伺えなければ、ご提案できませんでした。その点このサービスでは、お客様の具体的な数字が可視化できるので、それを叩き台にして両者が具体的なコミュニケーションに入っていけます。そここから先はもう、私たちプロの腕の見せどころになります。お客様は、自社の課題やご要望を遠慮なく伝えてくださればよいのです」。

一方で関口氏は今後の抱負として、次のように語る。「仮想化統合&クラウド化の3つのご提案として、『仮想化に成功したお客様を対象に、さらなるクラウド化や自動化の提案』、『仮想化したが充分なメリットを得られていないお客様へ、再トライに向けたフォローアップ』、そして『これから仮想化統合に取り組むお客様へ、JBCCのリソースによるチャレンジ支援』を中心に据えて、全力でお客様のビジネス効率化とコスト削減を支えていきたいと考えています」。

仮想化統合&クラウド化の3つのご提案
●仮想化に成功したお客様を対象に、さらなるクラウド化や自動化の提案
●仮想化したが充分なメリットを得られていないお客様へ、再トライに向けたフォローアップ
●これから仮想化統合に取り組むお客様へ、JBCCのリソースによるチャレンジ支援


自社での導入・取り組みに関心を抱く企業は、まずは同社の無料シミュレーションを利用して、サーバー統合が自社にもたらすメリットを「見える化」してみてはどうだろう。

(記事終わり)

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