ローコード開発とは?従来の開発との違いやメリット・デメリット

公開日 : 2021年02月16日
更新日 : 2023年04月20日

システム開発には複数の手法が存在しますが、その中でも現在注目されているのが「ローコード開発」です。ローコード開発は、コストや変化への対応、IT人材不足など、これからの経済市場で起こるとされているさまざまな問題を解決するとされています。
本記事では、ローコード開発の基礎知識とおすすめのローコード開発ツール、ツール導入の際のポイントなどをご紹介します。

目次

  1. ローコード開発とは
  2. ローコード開発のメリット
  3. ローコード開発のデメリット
  4. DXにおすすめのローコード開発ツール
  5. ローコード開発ツール導入時のポイント
  6. まとめ

ローコード開発とは

ローコード開発とは

ローコード開発とは、従来言語と比べて少ないコードでシステムやアプリケーション を開発する手法です。ローコード開発はゼロからコードを書くのではなく、すでに用意されている機能を組み合わせて独自のシステムやアプリケーションを作ります。

ローコード開発ツールでは、基本的に視覚的な操作で開発ができます。そのため、ゼロからコードを書いて開発を行うスクラッチ開発よりも、素早くシステムやアプリケーションを開発可能です。

他の開発手法との違い

ローコード開発と他の開発手法の違いは、開発にかかるコストや開発の自由さです。これらを解説する前に、まずは代表的な「スクラッチ開発」と「ノーコード開発」についてご紹介します。

スクラッチ開発とは、通常の開発言語を用いた開発方法です。開発言語でコードをゼロから書き起こして、アプリケーションやシステムの開発を行います。ゼロからコードを書き起こす分、自由度は高いです。しかし、高度な知識や技術が求められ、自社内で行うことは困難でしょう。仮に行うとすれば外注をしたり、スキルを持った人間を雇ったりする必要がある上、開発にも時間がかかります。

一方、ノーコード開発は一切のプログラミングを行わない開発方法です。基本的には用意された機能を組み合わせるだけで開発ができます。プログラミングの経験や知識がなくても利用可能ですが、決まった機能しか利用できないため、カスタマイズ性は低いです。
上記のように、スクラッチ開発には「コストがかかる」、ノーコード開発には「自由度が低い」というデメリットがあります。
ローコード開発は、これらのちょうど中間に位置する開発手法と言えます。用意された機能を使った高速開発が可能で、コストを大きく抑えられます。同時にコーディングも可能なので、ある程度の自由さがあることも特徴です。

ローコード開発はこれからの時代に必要

これからの時代にローコード開発が必要な理由は、時代の変化に柔軟に対応するためです。これまでのITは、デジタル化することによって効率化を図ることが目的でした。しかし、現代ではより広くITを活用し、変化する時代のニーズに即座に対応するために利用されるようになっています。これを行うには、変化することを前提に、素早く対応する技術が必要です。

しかし、日本のIT人材は多くがベンダー企業勤務です。経済産業省の「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」によると、2017年の時点でIT人材の7割がベンダー企業に勤務しています。このことから、時代の変化に即座に対応できるシステムを作成するのは難しいのが現状です。
また同レポートでは、2015年に17万人不足しているIT人材が、2025年には43万人に拡大するとされています。IT人材不足への対応としても、自社でアプリケーションやシステムを作成できるスキルやツールが必要です。

<関連記事> 最低限のプログラミングでアプリケーションを開発 「ローコード開発ツール」徹底比較

ローコード開発のメリット

ローコード開発メリット・デメリット

ローコード開発は、これからの時代に必要とされる多くのメリットがあります。ここからはローコード開発の主なメリットを3つご紹介します。

開発期間を短縮できる

ローコード開発の大きなメリットは、開発期間が短縮できることです。情勢の変化が激しい現代では時間をかけて開発をしているうちに、情勢が変わってしまうことは珍しくありません。変化に乗り遅れたことにより、競合他社に先手を取られることもあるでしょう。
ローコード開発では機能を組み合わせるだけなので、小さなものであれば数時間で開発ができます。改修や変更も自社ですぐにできるため、利用者の反応に合わせて即座に対応が可能。これによって、顧客満足度などの向上にもつながります。

セキュリティ面の負担が少ない

ローコード開発は、高いセキュリティを保つことが可能です。スクラッチ開発では、自社でセキュリティ対策を行う必要がありますが、ローコード開発では、基本的にセキュリティ対策が施されたコードが生成されます。そのため、スクラッチ開発に比べてセキュリティ面の不安は少ないです。
ただし、スクラッチ開発した部分にはローコード開発ツールのセキュリティ対策は入りません。その部分は、自社でセキュリティ対策を行いましょう。

高い知識や専門性がなくても開発ができる

ローコード開発は、 スクラッチ開発と比較するとシステム開発に必要な知識や技術は必要ありません。プログラミングの高い技術力がなくても、ローコード開発ツールのスキルだけで開発できます。加えて、スクラッチ開発と異なり、開発者によってシステムのクオリティがばらつくことが少ないのも特徴です。
またローコードツールを開発しているベンダーが機能追加やアップデートしてくれるため、常に最新の機能を利用できます。
人材や新機能の追加を必要としないことから、大幅なコストカットが可能です。

ローコード開発のデメリット

時代に合わせた対応が可能なローコード開発ですが、一方でデメリットも存在します。大切なことはこれらのデメリットを理解して、事前に対策を行うことです。ここではローコード開発のデメリットを2つご紹介します。

開発内容が限られる

効果的なローコード開発は、用意された機能を使った開発です。こういった開発は開発スピードが速くなる代わりに、自由度は下がります。そのため、デザインや独自の機能に強いこだわりがある企業には向きません。
もし開発ツールにない機能やデザインを希望する場合には、別途開発してローコード開発する機能と連携させるなどで対応します。

ある程度の知識が必要

ローコード開発は、ノーコード開発と異なり、まったくコードを書かないわけではないので、ある程度の開発知識は必要です。ただし、スクラッチ開発ほどシステム開発に関する高い知識は必要ありません。
またツールの使い方や特性についても知っておく必要があります。これらを理解していないと、せっかくの開発ツールの良さを活かしきれません。開発の知識と同時に、ツールの知識も必要です。

<関連記事> 最低限のプログラミングでアプリケーションを開発 「ローコード開発ツール」徹底比較

DXにおすすめのローコード開発ツール

企業のDXが推進される中、多くの企業がローコード開発ツールを提供しています。ここではその中から、特におすすめのローコード開発ツールを4つご紹介します。

kintone

kintone

「kintone」は、サイボウズが提供する業務改善プラットフォームです。一般的なワークフローシステムに加えて、独自アプリケーションを作成できる機能を備えています。

基本的にドラッグ&ドロップで作れるノーコード開発ですが、カスタマイズしてローコード開発を可能にすることで、機能の拡張が可能。特にkintoneと他サービスのAPI連携に使われます。
ローコード開発未経験者や、ノーコード開発もしたい企業におすすめです。

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JBCCでは、kintoneの使い方に不安がある人に向けて、下記のようなセミナーを実施しています。「kintoneを導入したいけど、使えるか不安」「もっと効果的に利用したい」という方は、ぜひお申込みください。

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Power Apps

Power Appsは、マイクロソフト社が提供するローコード開発ツール。テンプレートや機能が用意されており、ドラッグ&ドロップでアプリケーションの作成ができます。基本的に関数を使って行うローコード開発で、PowerPointとExcelを組み合わせた感覚に近いです。他のマイクロソフト社のソフトと連携することで、より幅広い拡張機能も利用できます。
マイクロソフト社のソフトと連携したい場合や、マイクロソフト社のソフトをより活用したい企業におすすめです。

GeneXus

GeneXusはGeneXus社が開発するローコード開発ツール。日本総代理店はジェネクサス・ジャパンです。

GeneXus

一般的なローコード開発にAI機能を追加したことにより、より効率的な開発・管理を実現しています。要件定義をするだけで、データベースとソースコードのすべてを自動で作成可能。これによって品質の統一やコストカットにつながります。また常にトレンドを掴んだ最新の技術を導入しているため、システムが古くなることがありません。

JBCCではGeneXusを積極的に利用した独自のアジャイル開発を行っています。これによってウォーターフォール開発よりも開発期間を50%短縮することに成功しました。

システムの内製化を考えているが、コストや技術者不足でできないという企業におすすめです。

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【関連ソリューション】超高速開発手法「JBアジャイル」

intra-mart

intra-martはNTTデータ イントラマートが提供するローコード開発ツールです。これまでに8,900社以上の導入実績があり、ワークフローは15年連続シェアNo.1を誇っています。

intra-mart

アプリケーションの作成は、ドラッグ&ドロップで機能を選択し、線でつなげるだけと非常に簡単です。加えて、intra-martのワークフローやBPMとも連携ができ、コーディングができれば業務に合わせたカスタマイズも可能。AIや電子署名などのデジタル技術を組み合わせることで、業務プロセスを自動化して効率化を図れます。

ローコード開発に慣れていない人や、ワークフローシステムなどと連携して効率化をしたい企業におすすめです。

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ローコード開発ツール導入時のポイント

時代の変化に即座に対応できるローコード開発は、企業が生き残るために必要なツールです。しかし、ただ導入すれば良いわけではありません。導入するツールの内容や導入後のことを考えてツールを選ぶ必要があります。ここからはローコード開発ツールを導入する際のポイントをご紹介します。

開発ツールの機能やセキュリティ対策を確認する

ローコード開発ツールを導入する際には、開発ツールの機能やセキュリティ対策をよく確認しましょう。

ローコード開発には事前に機能が用意されていますが、大切なことはそれらの機能で自社の目的を実現できるかです。目的実現のためのアプリケーションやシステムを作成できるのか、作成できない場合どうしたら良いのかを事前に調べ、複数のツールを比較して選ぶことが大切です。

また開発ツールのセキュリティ対策も重視したい点です。アプリケーションやシステムの内容によっては、情報漏洩で企業生命を脅かす場合もあります。情報のレベルにあったセキュリティ対策となっているかを十分確認しましょう。
開発ツールにはトライアル期間を設けているものも多いです。実際にいくつかのツールを利用して、使用感を試してみるのも良いでしょう。

管理の方法を考えておく

ローコード開発ツール導入の前に、アプリケーションやシステムの管理方法を考えておきましょう。

ローコード開発ツールは簡単にアプリケーションが作成できることから、システム管理の担当者が把握していないアプリケーションやシステム、データが作られる場合があります。これらが乱立すると、何のアプリケーションか分からない、アプリケーションやシステムの変更ができない、どのデータが正しいのかわからないといった問題が生じ、システムがブラックボックス化する可能性があります。実際「Notes」では自社でアプリケーションが作れることや技術者がいなくなったことでブラックボックス化し、移行が速やかに行えないという例が多くありました。
こうした事態を防ぐためにも、事前に管理方法を検討しておくべきでしょう。

【関連記事】グループウェア「Notes」が2024年6月1日にサポート終了。移行のためにするべきことと適した移行先

まとめ

ローコード開発ツールは、コストを抑えつつも自由に開発ができます。特に変化に即座に対応する必要があるこれからの時代において非常に重宝されるツールです。
JBCCでは、GeneXusの技術者を育成し、アジャイル開発に取り入れています。GeneXusを利用することで、スピード感のある開発と運用後の内製化を実現。これによって大幅なコスト削減に成功しています。
ローコード開発でお悩みの方は、ぜひJBCCにご相談ください。

JBCCが取り扱うローコード開発ツールの詳細を知りたい方はお問い合わせください。

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ローコード開発ツール「GeneXus」

GeneXus

GeneXusは、データ項目や業務ルールなどの要件を定義すれば、指定したデータベースとソースコードを100%自動生成するツールです。 ソースコードを自動生成することで人的エラーが生じることを防ぎ、プログラミングの経験が浅い技術者や専門家ではない開発担当者の作業ハードルを低くすることが可能です。

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