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Azure OpenAI Serviceとは?活用方法や特長をわかりやすく解説

公開日 : 2023年08月02日
更新日 : 2024年03月29日

2023年1月、Microsoft社の法人向けOpenAIサービス「Azure OpenAI Service」の一般提供が始まりました。Azure OpenAI Serviceは、ChatGPTやGPT-4をはじめとする多様な生成AIモデルを、Azureのクラウドプラットフォーム上で利用できるサービスです。OpenAIをそのまま利用するよりもセキュリティが高くデータ保護の観点で優れているため、企業や自治体などから注目を集めています。
本記事では、Azure OpenAI Serviceの基礎知識や特長、活用、活用事例をわかりやすく解説します。Azure OpenAI Serviceの導入を検討されている際は、ぜひ参考にしてください。

Azure OpenAI Serviceとは?活用方法や特長をわかりやすく解説

目次

  1. Azure OpenAI Serviceとは
    1. Azure OpenAI Serviceの利用料
    2. アクセスには申請が必要で制限されている
    3. OpenAIとの違い
  2. Azure OpenAI Serviceの特長
    1. 高いセキュリティで機密情報を保護できる
    2. 多様なAIモデルを利用できる
    3. 導入やスケールアップ・ダウンがスムーズにできる
  3. Azure OpenAI Serviceの活用方法
    1. AIチャットで業務の悩みを迅速に解決
    2. データ分析でマーケティングを強化
  4. まとめ

1. Azure OpenAI Serviceとは

Azure OpenAI Serviceとは

Azure OpenAI Serviceは、Microsoft Azureのクラウドプラットフォーム上で提供される、OpenAI社の人工知能(AI)サービスです。OpenAI社が開発したGPT-4やChatGPTなど、自然言語処理モデルを使用できます。

またAzure OpenAI Serviceは、Microsoft社が提供するAzure Cognitive Servicesの一つでもあります。Azure Cognitive Servicesでは、クラウドベースのAIサービスを使ってアプリケーションの開発が可能です。担当者に専門知識がなくても、AIモデルを活用したサービスを容易に構築できる点が特長です。

1-1. Azure OpenAI Serviceの利用料金

Azure OpenAI Serviceでは、従量制の課金モデルと、モデルごとの単価によりコストを最適化しています。言語モデル、画像モデル、モデルの埋め込みの料金は、次のとおりです。

モデルの種類

モデルの名称

料金

言語モデル

gpt-3.5-turbo

$0.002(1,000トークン)

画像モデル

GPT-4:8K コンテキスト

$0.03(1,000 トークンのプロンプト)

$0.06(1,000トークンのアウトプット)

GPT-4:32K コンテキスト

$0.06(1,000トークンのプロンプト)

$0.12(1,000トークンのアウトプット)

画像モデル

Dall-E

$2(100画像)

モデルの埋め込み

Ada

$0.0001(1,000トークン)

料金は変更になる可能性があるため、最新情報はこちらのページからご確認ください。

1-2. アクセスには申請が必要で制限されている

2023年7月時点において、Microsoft社の「責任あるAI」という原則を考慮し、AIの悪用や意図しない損害を防ぐため、Azure OpenAI Serviceへのアクセスは制限されています。しかし、申請したからといって必ずしも受領されるわけではありません。

現時点では、同社と関係が構築できているパートナー企業、リスクの低いユースケース、リスクの軽減に配慮した顧客のみが対象となっています。Azure OpenAI Serviceへのアクセスを希望する場合、下記のページから申し込みができます。

Azure OpenAI Service ページ 下方へスクロールし、「Azure OpenAIへのアクセスを申請する」のリンクをクリックしてWebフォームへ入力してください。

Azure OpenAI Service 申込

1-3. OpenAIとの違い

OpenAIのモデルを使うには、「Azure OpenAI Service」または「OpenAI」を使用する方法があります。OpenAIとAzure OpenAI Serviceは共同開発され、互換性が確保されているため精度に違いはありません。しかし、最新モデルのAPIはOpenAIが先行して公開されます。

2つのサービスの大きな違いは、セキュリティ面です。Azure OpenAI Serviceでは、入力情報がAIのトレーニングに利用されず、Microsoft Azureのセキュリティ機能を使用できます。入力情報がトレーニングに利用される可能性のあるSaaS版のOpenAIよりも、Azure OpenAI Serviceの方が高い機密性を確保できるでしょう。

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2. Azure OpenAI Serviceの特長

Azure OpenAI Serviceの特長

次に、Azure OpenAI Serviceの3つの特長を紹介します。

2-1. 高いセキュリティで機密情報を保護できる

Azure OpenAI Serviceは、Microsoft Azureの強固なセキュリティで継続的に保護されています。例えば、ID管理やアクセス権の制御、ネットワークのセキュリティ保護、監視、脅威の早期発見などのセキュリティ機能が利用可能です。

機密性が高い開発環境を構築できるので、厳しいセキュリティポリシーを定めた組織からも信頼されています。

2-2. 多様なAIモデルを利用できる

Azure OpenAI Serviceでは多様なAIモデルを活用でき、高度な文章生成や自然言語処理が可能です。具体的には、GPT-4、GPT-3.5、DALL-Eなどです。それぞれの概要は、次のとおりです。

Azure OpenAI Serviceで利用できるAIモデルの例(2023年7月時点)

GPT-4

最新の大規模言語モデルで、より高度な文章生成や問題解決ができる。チャット用に最適化されている。

GPT-3.5

自然言語とコードの理解や生成ができる。GPT-3.5 Turboモデルが、GPT-3.5ファミリー内で最も能力とコストパフォーマンスに優れている。

DALL-E

テキストプロンプトから画像を生成するAIツールで、現在はプレビュー段階。

2-3. 導入やスケールアップ・ダウンがスムーズにできる

Azure OpenAI Serviceはクラウドベースであるため、物理的なオンプレミスサーバが必要なく、導入がスムーズです。また、スケーラビリティに優れている点も、クラウドサービスの特長です。必要に応じて業務アプリケーションやデータベースを増加でき、規模を縮小する際は保存容量を容易に削減できるため、スケールアップ・ダウンに対応しやすいでしょう。

3. Azure OpenAI Serviceの活用方法

Azure OpenAI Serviceの具体的な活用方法を紹介します。

3-1. AIチャットで業務の悩みを迅速に解決

社内のコミュニケーションツールやデータベースと連携することで、AIチャットが利用でき、業務上の悩みを迅速に解決できます。従業員がチャットで業務上の質問を投げかけると、AIがマニュアルや社内規定などにアクセスして回答する仕組みです。

例えば、情報システム部門への問い合わせをAIチャットにするなどが挙げられます。FAQなど蓄積されたナレッジから一次回答が提供され、情報システム部門の業務効率化を実現できます。

問い合わせ対応だけでなく、文章の要約や翻訳、議事録の作成にもAIチャットで対応可能です。AIチャットに指示を出すと文章が自動作成されるので、業務工数の削減につながります。

3-2. データ分析でマーケティングを強化

Azure OpenAI Serviceを活用し、データ分析を自動で実行してマーケティング施策に反映する方法もあります。市場調査の結果や業務データなどをアップロードして、分析方法や対象範囲を指示することで、定量分析や頻出単語の抽出などができます。

Azure OpenAI Serviceなら機密情報の保護に優れているため、安全に利用可能です。分析内容をレポート化して活用すれば、PDCAを迅速に回せるでしょう。

4.まとめ

Azure OpenAI Serviceを導入することで、安全な環境で最新のAIモデルを活用したサービスを構築できるようになります。また、クラウドベースのサービスであるため拡張性があり、事業の変化に応じて柔軟に容量の増減などができます。

しかし、Azure OpenAI Serviceの登場によって、以前よりもAIモデルを容易に活用できるようになったとはいえ、Microsoft Azureの運用には専門知識が必要です。JBCCでは、「EcoOneサービス」を通じてMicrosoft Azureの設計から運用までサポートしています。クラウドをベースとした社内環境の構築にご関心がありましたら、お気軽にお問合せください。

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