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改正育児介護休業法が2022年から段階的に施行。企業が行うべき対応とは?

公開日 : 2018年06月28日
更新日 : 2023年04月28日

2021年6月、育児介護休業法が大幅に改正され、2022年4月から段階的に施行されることとなっています。企業では改正に合わせた対応を迫られていますが「何をすれば良いのか分からない」という企業もあるでしょう。
本記事では、改正育児介護休業法の内容と企業が行うべき対応、対応に困ったときの相談窓口や助成金についてご紹介します。

改正育児介護休業法が2022年から段階的に施行。企業が行うべき対応とは?

目次

  1. 育児介護休業法とは
  2. 育児介護休業法の改正内容
  3. 人事担当者が行うべきこと
  4. 中小企業向けの育児介護休業法支援
  5. 育児介護休業をもっと有意義にするために。
    JBCCの「Microsoft 365のワークショップ」
  6. まとめ

育児介護休業法とは

育児介護休業法とは、従業員が離職することなく育児や介護を行えるように、企業が行うべきことや従業員の権利について定めた法律です。育児や介護のための休暇取得はもちろん、所定外・時間外労働の制限、従業員が育児や介護をしやすい雇用環境の整備などについて定められています。

育児介護休業法はこれまでも何度か改正が行われてきましたが、2021年6月に大幅な改正が行われました。改正された内容は、2023年までに段階的に施行される予定です。

改正の背景にあるのは「少子化」

育児介護休業法の大幅な改正の背景にあるのは、深刻な少子化です。

厚生労働省が2022年7月に更新した「育児介護休業法の改正について」によると、約5割の女性が出産や育児を機に退職しており、また妊娠や出産を機に退職した女性の41.5%が「仕事を続けたかったが、仕事と育児の両立の難しさで辞めた」と答えています。加えて、令和2年度の育児休業取得率は女性が81.6%であるのに対し、男性は12.65%。「仕事を続けたい」と願う女性が多いにも関わらず、育児の負担割合は圧倒的に女性側に偏っているのが現状です。

内閣府の「少子化対策の現状」でも、理想の子供数を持たない理由として「お金がかかる」が56.3%、「仕事に差し支える」が15.2%と、経済面での不安や仕事と子育ての両立が難しいため、育児と仕事のどちらかを選択せざるを得ない女性が多いようです。

こうした現状が続くことで、少子化により拍車がかかります。今回の改正によって、男性が休暇を取得しやすい環境、女性が妊娠・出産をしても働き続けることが可能な環境をつくり「安心して子供を持てる社会」にすることが目的のようです。

育児介護休業法の改正内容

先述したように今回の育児介護休業法の改正は、段階的に行われます。ここからは、育児介護休業法で改正された内容を、施行順にご紹介します。

育児介護休業を取得しやすい環境づくりの義務化(2022年4月~)

これまで育児介護休業取得のための環境づくりは国として明確な規定がなく、企業努力に頼ってきました。しかし今回の改正によって、育児介護休業を取得しやすい環境づくりが義務化。企業は、従業員や育児介護休業を取得しやすくなるよう、周知を行う義務が発生することになりました。

具体的には、研修を行ったり相談窓口を設けたりして、育児介護休業に関しての認知を高める必要があります。また、妊娠や出産の報告を従業員から受けた場合、育児休業があることを説明し、取得するかを確認しなければなりません。この場合は面談や書面などで、制度を説明して通知する必要があります。

なお、休業取得の意向確認をする際には、取得を控えるような周知や確認をしてはいけません。現状違反した場合の罰則は定められていませんが、厚生労働省は「認めないことを指針において示す予定」としています。

有期雇用契約者向けの休暇取得条件を緩和(2022年4月~)

これまで有期雇用契約者が育児介護休業を取得する場合には「引き続き雇用された期間が1年以上」という制約がありました。しかし2022年4月からは、この制約を撤廃。無期雇用契約者と同じ条件で、育児介護休業を取得できるようになりました。

ただし、取得可能なのは「子供が1歳6ヶ月になるまでの間に契約が満了することが明らかでない場合」のみです。介護休業の場合は「介護休業開始予定日から93日が経過した時点で、その日から6ヶ月経過するまでに契約が満了することが明らかでないこと」が条件となっています。

なお、労使協定の締結をすることで、これまで同様、雇用継続期間が1年未満の従業員を対象から除外することもできます。

「産後パパ育休」の新設(2022年10月~)

今回の改正で注目されているのが「男性が育児休業を取りやすい環境をつくること」です。そのための施策として「産後パパ育休」が新設されます。産後パパ育休とは、現行の育児休業に加えて、子の出生後も男性が休業を取得できる制度です。

具体的には、子の出生後8週間以内に4週間まで休業を取得できます。2回までなら分割しての取得も可能。労使協定を締結することで、休業中の就業や原則2週間前までの申出期限を1ヶ月前までにすることもできます。
これによって、休業中でも育児の合間を縫ってテレワークで仕事をするなどのワークスタイルが可能です。ただし、休業期間中の就業については上限が定められているため、それを超えないようにする必要があります。

育児休業の分割取得(2022年10月~)

今回の改正では、育児休業を分割して取得できるようになります。これまでの育児休業は、原則1歳まで(保育所が見つからない場合は2歳まで)で一括での取得と決められており、また延長開始時期も定められていました。そのため自由度が低く、夫婦交代で育児を行うことが難しい問題がありました。

今回の改正によって、育児休業開始時期の制限が撤廃。2回まで分割して取得することが可能になりました。

これによって「出産直後は妻が育児休業を取得し、妻の職場復帰のタイミングで夫が育児休業を取得する」などの対応ができます。また、保育園に入れず育児休業を延長せざる得ない場合でも、交代で育児休業を取得するといった、柔軟な対応も可能です。

育児介護休業取得状況の公表を義務化(2023年4月~)

今回の改正によって、常時雇用する従業員が1,000人を超える企業は、年に1回育児介護休業取得の状況を公表することが義務となりました。上記の企業は「育児休業等の取得割合」もしくは「育児休業等と育児目的休暇の取得割合」のどちらかを公表しなければなりません。

公表は自社のサイトや厚生労働省の「両立支援のひろば(https://ryouritsu.mhlw.go.jp/)」など、一般の人が見られる環境で公表する必要があります。

人事担当者が行うべきこと

ここまで育児介護休業法の改正内容をご紹介しましたが、人事担当者は実務上何をすべきなのでしょうか。ここからは、改正内容に対応する人事担当者の実務内容をご紹介します。

各制度の要件や対象者の確認

まずは各制度の要件や、社内で対象となる従業員を確認しましょう。制度開始日や申請期限のほか、保険料の免除要件、育児休業給付の受給資格を確認し、要件を守れるように準備を行います。
改正となった部分についての実務上のポイントは、厚生労働省の「育児介護休業法の改正について」に細かく記載されています。具体的な対応は下記を参考にしてください。

▼厚生労働省「育児介護休業法の改正について」
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000851662.pdf

周知方法の検討と実施

育児休業を取得しやすい環境づくりの義務化に伴って、企業では育児休業が取得できること、取得できる期間、男性は産後パパ育休を取得できることなどを従業員に知らせる必要があります。研修の開催や周知書面の準備、窓口設置のための人材育成など、周知方法を検討して順次実施していきましょう。

研修は全従業員が受けられることが望ましいです。難しい場合には、最低限管理職だけでも研修を受講した状態にしましょう。また相談窓口は形式的なものではなく、実質的対応ができる窓口でなければなりません。介護育児休業法や、育児・介護と仕事のバランスなどに精通した人材を育てるべきです。

研修用の資料や周知用のポスターなどは、厚生労働省が用意したものがあります。自社でアレンジして使用できるため、活用するのがおすすめです。

▼育メンプロジェクト「社内研修用資料について」
https://ikumen-project.mhlw.go.jp/company/training/

▼厚生労働省「育児介護休業等に関する規則の規定例」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/000103533.html

また厚生労働省では、企業や管理職向けに男性の育児参加に関するセミナーなどを行っています。これらの研修に参加して学ぶのも良いでしょう。

就業規則と労使協定の見直し

育児介護休業法の改正に則って、就業規則や労使協定を見直す必要があります。例えば、今回の改正によって、有期雇用契約者が育児介護休業を取得する場合の雇用期間の制約が廃止となりました。もし就業規則に「引き続き雇用された期間が1年以上」という記載がある場合には、これを削除しなければなりません。

また、以下のような場合には労使協定の締結が必要です。

  1. 有期雇用契約者の育児介護休業取得の条件を、これまで同様「引き続き雇用された期間が1年以上」とする場合
  2. 産後パパ育休の申請期限を1ヶ月前にする場合
  3. 産後パパ育休の休業中に勤務をしてもらう場合

ただし2.に関しては、雇用環境の整備などについて、法を上回る取組みを行っていることが条件となります。研修を実施したり、相談体制を整えたりした上で、育児休業の取得に関する目標数値の設定や、育児介護休業の意向確認をより綿密に行うなどの施策が必要です。
なお、労使協定は労働基準監督署への届出は不要です。変更した就業規則のみ、届出を行いましょう。就業規則や労使協定の例は、厚生労働省のサイトに掲載されています。

▼厚生労働省「育児介護休業等に関する規則の規定例」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/000103533.html

他社の福利厚生を調査

今回の改正に伴い、改めて育児介護に関する福利厚生を見直した企業もあります。他社の育児や介護に関する福利厚生を調査し、自社の参考にしましょう。

例えば、JBグループでは時間や場所、年齢にとらわれず、さまざまな環境の従業員を個別でサポートしていく「StyleJ」という人事施策を実行しています。加えて、2022年育児休業中の給与の支給率が80%になるよう、国の給付金との差額を支給する独自の制度を運用(https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/12994/)。改正育児介護休業法に加え、独自の施策を行うことで、より働きやすい環境を整備しています。

こうした福利厚生は、優秀な人材を確保する上で大きなアドバンテージです。他社の事例を知り、より魅力的な福利厚生を整えましょう。

▼ニューノーマル時代の働き方を推進する人事施策「Style J」
https://www.jbcchd.co.jp/news/2020/09/29/090000.html

中小企業向けの育児介護休業法支援

育児介護休業法の改正によって、企業には改正に対応するための人材や費用が必要です。しかし、中小企業などでは余裕がなく、対応が難しい場合もあると思います。そうした場合には、中小企業向けの育児介護休業法支援に相談しましょう。

例えば、厚生労働省が株式会社パソナに委託している中小企業育児・介護休業等推進支援事業では「仕事と家庭の両立プランナー」に無料で相談できるシステムがあります。仕事と家庭の両立プランナーは、育児や介護で休業する社員への対応や男性が育児休業を取りやすい職場づくりなど、中小企業向けに従業員が育児・介護と仕事を両立できるようさまざまな支援を行います。

令和3年度の時点で7,500社以上が利用しており、満足度も高い制度です。何から始めたら良いのか判断できない場合には、仕事と家庭の両立プランナーに相談するのが良いでしょう。ハローワークでも、育児休業中の代替要員確保に向けたアドバイスが受けられます。

▼仕事と家庭の両立プランナー
https://ikuji-kaigo.com/

また要件を満たせば、厚生労働省が実施する「両立支援等助成金」が利用できます。両立支援等助成金は、育児休業や介護休業を取得しやすい環境を整えていれば、対象者が休業を取得した際や代替要員を確保する際に一定の補助を受けられるものです。

例えば2022年の「出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)」では、

  • 男性の育児休業取得に関する研修や利用促進などを行うこと
  • 子の出生後8週間以内を起算日として、連続14日 (中小企業は連続5日)以上の育児休業を取得すること
  • 育児休業の立替要員について業務見直しに関わる規程を策定し、それに基づいて業務体制を整備していること

上記の条件を満たしていれば、男性の育休取得時に20万円が支給されます。男性が育児休業を取得した際に代替要員を確保した場合には、さらに20万円が加算。加えて、男性の育児休暇取得率が一定数上昇した場合にも、助成金を受け取れます。もちろん介護向けのコースや、女性も利用できる育児休業等支援コースもあります。

▼両立支援等助成金
https://www.mhlw.go.jp/content/000927607.pdf

育児介護休業をもっと有意義にするために。JBCCの「Microsoft 365のワークショップ」

育児介護休業法の改正で、企業はより働きやすい環境になると期待されています。しかし、同時に重要になるのが「社内コミュニケーション」です。改正された育児介護休業の周知や休業前に引き継ぐべき情報の共有、休業中の勤務など、共有すべき情報をいつでもどこでも取得できるような環境が基礎として必要になります。

こうした環境を求めて「Microsoft365」を導入する企業も増えていますが、機能が分からない、自社に合わせた使い方をしたい、社内になかなか浸透しないなどの悩みを抱える企業も多いようです。

JBCCではMicrosoft 365の機能を最大限に利用するためのワークショップを行っています。Microsoft 365のワークショップでは、Microsoft365の機能を分かりやすく説明。自社に合わせた内容を、社内に定着するまで無償でサポートいたします。

Microsoft 365のワークショップ

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Microsoft 365のワークショップは、日本マイクロソフト株式会社の「マイクロソフトジャパンパートナーオブザイヤー2022」、Solution AssessmentsとEmployee Experienceの2部門で同時受賞した実績がございます。安心してお任せください。

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まとめ

育児介護休業法の改正は、従業員がより働きやすくなる環境を整えるためにとても有意義な内容となっています。同時に、企業として対応するべきことも多くあります。大切なことは、法改正に向けた対応と共に、従業員がもっと働きやすくなるためのシステムを整えることです。

JBCCでは、育児介護休業をもっと有意義にするためにワークショップ以外にも、企業がより働きやすくなるためのシステムをITの面でサポートいたします。システム開発やITツールの利用方法など、お気軽にご相談ください。

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