【入社1年目が解説】今さら聞けない Copilot の基本と活用術!メール作成で1日1時間の時短も?
- Copilot の「2種類」の違いと選び方
- 社内資料アップロード時のセキュリティ対策と安心ポイント
- Copilot による業務効率化の実例と時短効果
こんにちは。JBCC ハイブリッドクラウド事業部 ソリューション推進部の鈴木です。
生成AIの活用が進む昨今ですが、「Copilot って種類が多くて違いがわからない」「社内データを入れてもセキュリティは大丈夫?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
今回は、入社1年目の私が実施した社内勉強会「今さら聞けない Copilot」の内容をもとに、Copilot の基礎知識から、明日から使える実践的な活用方法、そして実際にどれくらい時短になるのかを検証した結果をご紹介します。
社内勉強会「今さら聞けない Copilot」の動画も見逃し配信で公開しています。ご興味ある方はぜひご覧ください。
Copilot には「2種類」あることを知っていますか?
最初に押さえておきたいのが、Copilot には大きく分けて2つの種類があるという点です。ここを混同されている方が意外と多いため、整理しておきましょう。
① Copilot Chat(旧 Bing Chat Enterprise など)
- 対象: Microsoft 365 のライセンスをお持ちの方なら、多くの場合無償で利用可能です。
- 情報の範囲: Web上の情報や、学習済みのデータから回答します。
- 特徴: ブラウザ上で利用でき、PDFの要約や、Web検索と連動した回答が得意です。
② Microsoft 365 Copilot
- 対象: ベースのライセンスに加え、Copilot の有償ライセンス契約が必要です。
- 情報の範囲: Webの情報に加え、Microsoft 365 アプリ内の情報(Graph)を横断的に検索します。
- 特徴: Word、Excel、PowerPoint、Teams などのアプリに「Copilot ボタン」が搭載され、社内の会議ログや資料を基にした生成が可能です。
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違いのポイント
社内データにアクセスできるかどうかこれが2種類の決定的な違いです。
最も多い疑問「社内資料をアップロードしても大丈夫?」
生成AIを使う上で、最も懸念されるのがセキュリティです。「お客様の情報や社内資料をアップロードして、学習データに使われてしまわないか?」と不安に感じる方も多いはずです。
結論から言うと、「緑色の盾マーク」が付いていれば大丈夫です。
Copilot の画面右上に緑色の盾マーク(エンタープライズデータ保護)が表示されている場合、入力したデータやアップロードしたファイルは保護され、AIの学習モデルには利用されません。 JBCCの生成AIガイドラインでも、この保護下であれば利用が許可されています。安心して社内ドキュメントの要約や分析に活用してください。
【関連リンク】Microsoft 365 Copilot Chat プライバシーと保護 | Microsoft Learn
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【活用例】決算資料を瞬時に読み解く
例えば、Webブラウザ(Edgeなど)で自社の決算説明資料(PDF)を開き、Copilot のサイドバーで「このページでAIについて書かれている部分を教えて」と聞くと、瞬時に該当箇所を抜粋し、ページ数と共に教えてくれます。長い資料の概要だけをパッと知りたい時に非常に便利です。
自分専用のAIを作る「Copilot Agent」
最近注目されている機能に「Copilot Agent(エージェント)」があります。これは、特定のWebサイトや資料だけを回答ソースにする「自分専用の Copilot」を作成できる機能です。
作成方法はとても簡単です:
- Copilot の画面から「エージェントの作成」をクリック。
- 「ITニュースのサイトを読み込んで」や「このリリースノートを基にして」とチャットで指示するだけ。
私は Microsoft のリリースノートだけを参照し、新機能を教えてくれるエージェントを作成して活用しています。 「どんな指示を出せばいいかわからない」という方は、Microsoft が提供している「Prompt Coach(プロンプトコーチ)」というエージェントを使ってみてください。対話形式で目的や文脈を引き出し、理想的なエージェント作りをサポートしてくれます。
Microsoft 365 アプリでの連携活用術
ここからは、有償ライセンス(Microsoft 365 Copilot)で利用できる、日々の業務に直結する機能をご紹介します。
Teams:会議の「途中参加」も怖くない
Teams 会議の録画と文字起こしを有効にしておくと、Copilot が強力なアシスタントになります。
- 会議の要約: 終了後に「AI分析」タブで会議の概要やTo Doリストを自動生成してくれます。
- 議事録作成: 「議事録の形式」を指定して依頼すれば、文字起こし全体から整った議事録の下書きを作成してくれます。ゼロから作る手間がなくなります。
- 会議中のサポート: 遅れて参加した場合でも、「ここまでの議論をまとめて」と聞けばキャッチアップできます。また、「第三者目線で質問を考えて」と依頼して、会議の活性化に役立てることも可能です。
Teams チャット:文章の「リライト」機能
チャットの返信で、言い回しに迷うことはありませんか? Copilot に文章を入力し「リライト」ボタンを押すと、意味を変えずに「適切な言い回し」に変換してくれます。長さの調整やトーン(カジュアル・フォーマル)の変更も可能です。
生成されたスライドは、デザインや文章が完璧ではないことが多いです。そのまま完成品として使うのではなく、「叩き台(ドラフト)」として割り切って使うのが賢い使い方です。白紙から悩み始める時間をゼロにできるだけで、効率は劇的に上がります。
入社1年目の活用実態と「AIへの向き合い方」
JBCCの入社1年目の社員にアンケートを取ったところ、Copilot の利用率は93.1%、そのうち6割以上が「毎日利用している」という結果になりました。
一方で、利用していない人の理由として「正確性に不安がある」「期待とのギャップがある」という声もありました。 ここでお伝えしたいのは、「Copilot は完璧ではない」という前提に立つことです。
- 正確性が不安 → Web検索でも情報の精査は必要です。Copilot は情報収集のスピードを上げるツールと捉えましょう。
- 期待とのギャップ → 100点の成果物を求めず、アイデア出しや壁打ち相手、下書き作成の「補助ツール」として使うことで、発想を広げるきっかけになります。
新入社員の多くは、資料作成の壁打ちや、自分の意見の根拠となる公式文書探し、メールの添削などで、「気兼ねなく質問できる先輩」のような感覚で活用しています。
【検証】Copilot vs 人間!メール作成でどれだけ時短できる?
実際に Copilot を使うとどれくらい業務効率が上がるのか、自分で時間を計って検証してみました。
検証内容: 架空のメールを受信し、内容を理解して返信メールを作成・送信するまでの時間を測定。 (A)自力で作成 (B)Copilot に下書きを提案してもらい、修正して作成
結果と考察: Copilot を使用した場合、メールの文面をゼロから考える必要がなく、提案された内容を修正するだけで済むため、大幅に時間が短縮されました。また、抜け漏れのチェックもAIが一度行っているため、確認作業もスムーズでした。
一般的にビジネスパーソンは1日平均12通のメールを送信し、約2時間26分を費やしていると言われています。今回の検証結果を当てはめると、メール業務だけで「1日約1時間」の短縮が可能という計算になりました。
まとめ:浮いた時間で何をする?
1日1時間の余裕ができれば、提案の質を高めたり、新しいアイデアを考えたり、あるいはリフレッシュして頭を休めたりすることができます。
Copilot は、専門知識がないと使えない難しいツールではありません。年齢や経験に関係なく、誰でも活用できる「副操縦士」です。まずは「メールのリライト」や「資料の要約」といった小さなタスクから任せてみてはいかがでしょうか。
※本記事は執筆時点の仕様に基づいています。Copilot の機能は日々アップデートされています。今後、仕様が変更される可能性がありますので、参考情報としてご覧ください。
【見逃し配信中】JBCC社内勉強会「今さら聞けない Copilotの基本と活用術」執筆者

鈴木 伸彩
JBCC株式会社 ハイブリッドクラウド事業部 ソリューション推進部
入社1年目✨生成AIやkintone担当の製品営業。趣味はライブやギターなどの音楽と、美味しいラーメン巡り。
JBCC株式会社について
クラウドサービスを中心にシステムの設計から構築、運用までを一貫して手掛けるITサービス企業です。超高速システム開発を特長とし、セキュリティ・AI等のサービスとともに、お客様のシステムの課題を技術力とスピードで解決します。
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