【イベントレポート】Cybozu Days 2020ー創業55年以上の老舗SI企業がワークライフバランス先進企業に変わるまで

公開日 : 2020年12月18日
更新日 : 2020年12月18日

【イベントレポート】Cybozu Days 2020ー創業55年以上の老舗SI企業がワークライフバランス先進企業に変わるまで(一部抜粋)

JBCCは、11月に開催された「Cybozu Days 2020(東京)」(主催:サイボウズ株式会社)の特別セッションにて、JBグループの人事責任者と現場で働くメンバーと一緒に登壇し、JBグループの人事制度や働き方についてご紹介しました。当日は100名を超えるお客様に申し込みをいただき、多くの方に参加いただきました。当日の様子を一部抜粋して、お伝えします。

参加メンバー

モデレータ:
サイボウズ株式会社 執行役員 人事本部長 中根 弓佳 氏

パネリスト:
C&Cビジネスサービス株式会社 取締役上級執行役員 人事総務担当 小野 勝(JBグループ人事責任者)
JBCC株式会社 フォーカスソリューション推進部 部長 常盤 盛和(マネージャー代表)
JBCC株式会社 広域事業部 前橋 雄太朗(20代若手営業代表)
JBCC株式会社 東日本第二SI本部 吉野 聖子(ママSE代表)

参加メンバー

INDEX

1.特別セッション開催の背景
2.JBグループがワークライフバランスへの取り組みに至るまで
3.JBグループの制度について
4.制度を共有するために工夫していること
5.まとめ―JBグループが進化し続けるために、実現したいEGOは?

1.特別セッション開催の背景

cybozudays2020 特別セッションの様子

中根 氏
本日は、創業55年以上の老舗SI企業がワークライフバランス先進企業に変わるまでと題し、JBグループのJBCCさんをお迎えしています。

まず今回このセッションの開催に至った背景ですが、最近サイボウズはワークライフバランスの先進企業といわれて、たくさんの講演にお呼びいただいていますが、大体最後に言われることがあります。それは「サイボウズだからできるのでしょ?」「青野さんだからできるのでしょ?」「若い人が多いからできるのでしょ。」です。できない理由を並べられることが多々あり、それを言われてしまうとせっかく色々お話しさせていただいたのに...と思ってしまうことがありました。

でも本当にそうなのか?と思って、パートナーさんを見回してみると...いや、違う。JBCCさんは色々な世代の方がいらっしゃって、2000人以上のメンバーがいるのに実施されている。だったらサイボウズが話すのではなく、JBCCさんにその変わった様子を話していただくのが、一番いいのではないかと思い、このお時間をいただきました。

働き方改革は、社長が旗を振ればできるものではなく、人事が頑張ればできるものでもなく、色々な立場や役割の方々、一人一人が考え、行動を変えていくことが大事だと思っています。ですので、今日は色々な立場や役割の方にお越しいただきました。

まずは人事の責任者 小野さんです。色々なご苦労があったと思います。今日は赤裸々にお話しください。
二人目は、経営者と現場からの板挟みにあう現場のマネージャー 常盤さんです。
三人目は、最近の新しい感覚や新しい価値観をお持ちの20代営業 前橋さんです。
最後に、こういう方にいかに活躍してもらえるかが、これから日本社会がアップデートできるかがかかっていると思います。4才のお子さんをお持ちのママSE 吉野さんです。

よろしくお願いいたします。

2.JBグループがワークライフバランスへの取り組みに至るまで

中根 氏
どの企業もコロナの影響で働き方が変わっていると思いますが、現在の働き方はどのような感じですか?

小野
現在、出勤率3割で、テレワーク率7割くらいです。お客様に保守をしている部隊もあるので、出勤しなければならないメンバーもいます。ですので、平均してテレワーク率は7割くらいです。

JBグループ 人事責任者 小野

中根 氏
コロナになって、いきなりテレワーク7割は難しいと思うのですが、コロナの前から対策されてきたことが活かされていることとかありますか?

小野
以前より制度はありましたが、この4月にテレワークをやらざるを得ないという状況でした。
それまでは、さきほど中根さんからもお話しがありましたように、テレワークをできない理由ばかり並べていました。でもコロナになって、やらなきゃだめでしょとなったら、みんなが本気で考えてくれたので、だいぶ進み、コロナがテレワークの追い風になりました。

中根 氏
働き方改革に取り組もうと思われたきっかけはなんだったのですか?

小野
JBグループは、年に一度社員に対して「社員満足度調査」を実施しています。

項目毎に満足度を聞いて最後に必ずコメントを書いてもらっているのですが、このコメント欄の回答がとても厳しいことが多くて...。

中根 氏
それはいつ頃の話しですか?

小野
毎年です。毎年、毎年厳しいのです...。色々制度を変えて、良くなったなと思っていても、変わったことに対して、また厳しいコメントなのです。ですので、社会や会社の状況が大きく変わっている中で、働き方そのものも変えていかないと、社員の満足度は上がっていかないのかなというところで、かなり細かくトップと話し合いながら、進めたのがきっかけです。

中根 氏
そこでなぜ社員の満足度を上げよう、上げなければいけないと思えたのですか?

小野
「企業は人なり」といわれているように人が一番大事で、人がイキイキと働いていないと、会社は良くならないし、事業に対するパワーが出てこない。

なので、人を大事にするというところで、そこに手を付けようということでやってきています。

中根 氏
「幸福な人は生産性が30%高い」といわれていますが、まさにそういうところですね。色々厳しいご意見があったということですが、どのくらい厳しかったのか?現場の方にもお聞きしたいと思います。吉野さんは、いかがでしたか?

吉野
子どもを産むまでは、好きなように働けたので、とくに制度を考えたことはなかったのですが、出産してからは、保育園に朝送ってから出社して、お迎えに行くため16時頃退社しなければなりません。仕事の内容や量、責任感は変わらなかったので、私は仕事をやりたいし、でも早く帰らないといけないし...すごい葛藤があったので、当時の上司に「テレワークしたいです。」と相談しました。

そうしたら「週に2~3回ならいいよ。」となって、でもやりはじめてみると今度はWebで会議することが、今ほど普及していなかったし、会社にも仕組みがなかったので、それをやるときが結構大変でした。まわりの顔も見えないし、みんなも発言してくれないし...だったので。ただ、テレワークを週2~3回できることによって、仕事する時間が増えて、やっぱり自分は仕事が好きなんだなと感じることができました。それと、なんとか自分の時間も確保できるようになったかなと思えるようにもなりました。

JBCC 吉野

中根 氏
なるほど、こういったメンバーの思いが、社員満足度調査に反映され、それが積みあがって、なんとかみんながハッピーに働ける会社にしていこうと、人事と経営のみなさんで話しをされたのですね。では、どういうところから手を付けられたのですか?

小野

色々な意見が出てきましたが、一体社員にとってどれがいいのか?ちゃんと整理しながら進めていかないとだめだということで、ディスカッションをしました。そのうちに、この4つの視点(処遇と評価の視点、育成の視点、ワークバランスの視点、健康管理の視点)が出てきて、今これを入れると社員にとってどういうことがよくなるのか?という事をまとめながら、今回はこれをやろうと、そうすると一個やってみると穴が見えてきて、じゃあここはこうしようとかやることができたので、この4つの視点の枠で色々なことを考えたことが良かったのかなと思っています。

JBグループにおける「働き方改革」の推進

中根 氏
ちなみに最初の制度はなんでしたか?
サイボウズの場合は、「短時間勤務できるようにしよう。」というのが最初だったのですが、JBグループはいかがでしたか?

小野
最初は、「フルフレックスタイム制度(時間自由度)」です。
当時からフレックスタイムは入れていましたが、コアタイムということで、10時から15時までは働いてくださいと...フレックスというわりには、かなりフレキシビリティがなかったので、これをとりはらうことで、変わるのではないかということが一番のきっかけでした。

3.JBグループの制度について

中根 氏
実際にどのくらい変わったのか、先におみせしたいと思います。
これってすごくないですか?

JBグループ 多様な働き方を支える人事制度

中根 氏
働き方は時間や場所だけではなく、それにまつわる評価やキャリアの多様性がどんどん今ひろがっているということですが、制度について聞かせてください。
まず「フルフレックスタイム制度」ですが、時間と場所は自由ということですが、どのくらい自由なのですか?

小野
はい、フルフレックスなので、完全に個人の申請によって時間は決められるようになっています。

中根 氏
じゃあ、今日は2時で終わろうと思ったら、可能なのですね?

小野
はい、終われます。一か月の労働時間をみているだけですので。

中根 氏
「プレミアムフライデー」もありますが、今もされているのですか?

小野
一応残しています。でも先日も社員から質問があって、フルフレックスなのに、プレミアムフライデーを残しているのは、何の意味があるのでしょうか?といわれました...。

常盤
ちょっと突っ込みを入れてもいいですか?
先日、私たちのお客様を招いたユーザー会というイベントがありまして、その中でまさに働き方改革について話しをしました。その時も「このプレ金なんて古いよね。もう今はプレミアムエブリデイだよね。」という話しになりました。(笑)

JBCC 常盤

小野
でも意外とこういうイベント事を書いておくと、結構これにあわせてやられている方もいるんですよね。

前橋
現場側としては結構ほしいですよ、プレミアムフライデー。
フルフレックスって、みんな帰る時間が変わるじゃないですか。多分若い人は、プレミアムフライデーはみんな一律15時で終わりってなるので、合法的に帰ってもいいという気持ちになりやすいのかなと。

JBCC 前橋

中根 氏
確かに、15時以降はみんな仕事が止まりますもんね。

前橋
はい、帰りやすい雰囲気は作られますよね。僕はあってもいいのではないかなと思います。

小野
よい意見をありがとうございます。反映させていただきます。(笑)

中根 氏
キャリアと人材育成のところで「匠、極プログラム」が気になったのですが、これはなんですか?

小野
シニアの活躍支援ということで、60才以上の方が輝いて働いてもらうために匠プログラム、70才以上の方は極プログラムというのを作りました。

中根 氏
実際にいらっしゃるんですよね?

小野
はい、70歳以上の方も数名ですがおります。
当時は60才で再雇用となると処遇が下がるとか、非常にマイナスイメージが強かったのですが、この匠プログラムは、スキルがあって、現役と同じ仕事ができるならば、処遇は変えませんというものです。シニアの方にキャリアを描いてもらうために作った制度です。

中根 氏
素晴らしいですね。これは、何かきっかけがあったのですか?

小野
はい、社員満足度調査で一番突っ込みが多かった意見です。
「シニアになって、同じ仕事をしているのになぜ給料が下がるのか?」みたいな意見がガンガン入ってくるのです。それで、シニアが活躍できる会社になんとかしたいということで、この制度を入れました。

中根 氏
まさに性別や年代に関係なく、チームに貢献できるなら、それに見合った報酬を払っていこうということを実現された制度ですね。
もうひとつ伺わせてください。「高度プロフェッショナル制度」とはなんですか?

小野
はい、これはSEがより高いスキルをもってやっていけるように、逆にそういう人を認定することで、それを目指してもらう風土を作りたくて作った制度です。ああいう人になりたいなとか、そういうシンボリックメンバーを作るために、高度スキル認定を実施して、認定していく制度です。

中根 氏
SEといえば、吉野さんがいらっしゃいますが、この制度に対して、現場ではどのようにみられていますか?

吉野
私は、高度プロフェッショナル認定はされていないのですが、今、小野さんの話しを聞いて、シンボリックメンバーを作るっていうことは知らなかったです。確かに認定されている人たちは、すごくとがったスキルをもっている方たちなので、目指せるのかな...と少し思いました。ただ、制度の背景を知らなかったので、もっと広い意味で高度プロフェッショナル認定してもらえると、私もとがっているので(笑)、認定されるかなと...。

中根 氏
今意見がありましたが、小野さんどうですか?

小野
はい、もっと制度が浸透されるように、幅を広げるとか色々考えていきたいと思いました。(笑)

中根 氏
これだけの制度があって、人事や経営者は色々なことを言っていますが、現場からは何か意見はないですか?やめてほしいこととか...?

常盤
やめてほしい事とかはないです。実際に働いていく上で、助かっているのは事実です。ただ、制度がたくさんあっても、文化に浸透するまでに時間がかかるなという実感はありますね。

前橋
テレワークの出社目標についてですが、3割にしなさいっていわれています。でも、なんで3割なのかなって思うことがあります。まわりをみていると毎日出社している人とかいるし。なんでこの数字になったのかなとか、なんでこうなのかなって、メッセージの裏側が理解できないと、きちんと浸透していかないのかなと現場にいても感じます。

常盤
確かに営業目標でも、訪問件数とかありますが、ただ件数を追うことが目的になってしまったりすることがあるので、それを正しく解釈して、なぜこれが目標なのかをマネージャーが正しく理解して、部下に伝えることが求められているのかなと思います。

4.制度を共有するために工夫していること

中根 氏
メンバー一人一人に制度を共有するために工夫されている点などありますか?

小野
これが一番難しいですよね...よく現場から「あー、そういうことだったんですか」といわれることがあります。色々なカタチでメッセージは出していますが、なかなか難しいですよね。だから、共有を繰り返すしかないと思うんですよね。

中根 氏
はい、そうですよね。繰り返しは大切ですよね。一件、一件、小さなことに対して、なんて返答するか、マネージャーがなんて返すか、人事がなんて返すか、経営者がなんて返すか、これが一つ一つ積み重なって、カルチャーができていくというか、腹落ちしていくということですね。

小野
はい、そうですね。
最近、やってみてよかったことが1つあります。4月のコロナの影響で、社員がどうしたらよいかわからないこともあると思うので、いつでも質問ができるように「なんでも相談コーナー」を作りました。そうしたら結構細かく質問してくれるんですね。「あ、こういうことがわかっていないんだ。」とか、私たちも知ることができて、それを掲示したり、メッセージを出したりすることができているので、質問をもらえる場を作ったことが良かったなと思っています。

中根 氏
それはすごくいいですね。一方通行ではなくて、質問があるならぜひ質問してくださいと。質問してくれたら、それにあわせて回答することができますもんね。

小野
はい、そうです。

中根 氏
会社のカルチャーを変えていくにあたって、小野さん自身は何がポイントだったと思いますか?

小野
2つあります。
1つは、新しい制度を提案するときに、必ずトップから言われることがあります。「これをやって、社員は幸せですか?」「これはみんながやって、ウェルカムと言ってくれる制度ですか?」と言われて色々と考えた事と、もう一つは、2年半前に中根さんにお会いして、「サイボウズだからできるんだよ」と、実は私も思っていました(笑)。でも、なんでできるんだろうと思って、できないと思うからできないんだと思って、そこを外しましたね。なんとかすればできるはずだと、だんだん自分の中でも気持ちが変わってきた点が大きなきっかけだったかなと思います。

5.まとめーJBグループが進化し続けるために、実現したいEGOは?

まとめ

中根 氏
最後にこれからもJBグループが進化し続けるために、あるいは自分自身が進化していくために、イベントのテーマにもなっている実現したいそれぞれのEGOを聞かせてください。

吉野
私は人事制度をみるのが大好きなんです。子育てをはじめてから、働きにくくなったので、どうしたらこの制度を使って働けるのかなとみていて、このフルフレックスが今すごく有難いです。それと今、私は自粛期間から、完全にテレワークをしていて、一度も会社に行っていませんが、仕事はまわっています。今はフルテレワークが実現できているので、私は2年後にフルテレワークでマネージャーをやりたいです。

前橋
今、全社的にkintoneを使っています。現場ごとに色々活用しているケースがあると思うので、現場レベルで作ったもので業務改善が見込めた物を、発表し表彰されるなどの制度があったら、面白いなと思います。もっと全社に広まった方がいいなと思うアイデアがあると思うので、共有してひろがっていけるようになるといいなと思います。

常盤
ツールはあっても心理的な障壁があると、チームワークは生まれないと思っています。当社の課題はまだまだ組織間の壁があると思っているので、どれだけ組織の壁を壊していけるか...それが私のエゴだと思います。

小野
EGO難しいですね...。私は自分のEGOは押さえて、グループ全体がよりよくなるために、もっと頑張って働きやすい雰囲気を作っていくことを目指していきたいと思います。

中根 氏
いや、もしかしたら、それが小野さんのEGOかもしれませんね。メンバーが、楽しいなと思って働く姿を見守っていくのが、小野さんの幸せでEGOかもしれませんね。

小野
そうかもしれませんね。(笑)

中根 氏
最後に宣伝になるかもしれませんが、やはり制度を作った背景や理由を、一人一人に伝え、腹落ちしてもらう。壁を越えることだったり、いい事例をみんなに展開することだったり。やっぱり大事なことはみんなと情報共有をしていくことなのかなと...と今、共通項を見つけました。

私たちの事業であるグループウェアなどの情報サービスを、多くのお客様にも使っていただいて情報共有がひろがるように、一緒にひろげていけたらいいなと思いました。

本日はありがとうございました。

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