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2023年10月11日

2024年07月26日

代表的なIaaSサービス一覧。メリット・デメリットから自社に合った選び方まで徹底解説

代表的なIaaSサービス一覧。メリット・デメリットから自社に合った選び方まで徹底解説

インフラ基盤をクラウドで利用できるIaaS。コスト削減やBCP対策が容易なことから、近年企業での導入が進んでいます。しかし、IaaSにはそれぞれ特徴があり、自社に合ったものを選ばなければ、メリットを最大限に活かせません。
本記事では代表的なIaaSのサービス一覧と、IaaSのメリット・デメリット、選び方のポイントなどをご紹介します。

IaaSとは

IaaSとは「Infrastructure as a Service」を略したもので、ネットワークやサーバーなどのインフラをクラウドで利用できるサービスです。

自社でシステム構築を行う場合、本来であれば、基盤となるネットワークや、サーバーを用意するためのハードウェア、電気料金、ハードウェアを保管する場所が必要です。しかし、IaaSはクラウドを通じてインフラ基盤を用意するため、それらが不要になります。
MM総研が2022年6月に発表したデータによると、IaaS利用者の54.7%がAWS、44.0%がAzure、26.2%がGCPを利用しています。大手の提供するIaaSが人気であることが分かります。

PaaS・SaaSとの違い

IaaSと同時によく名前が挙がるのが「PaaS」と「SaaS」。これらとIaaSとの大きな違いは「利用できるサービス」です。

PaaSは「Platform as a Service」の略で、IaaSで利用できるインフラ基盤に加え、アプリを開発・稼働するためのツールが利用できます。一方、SaaSは「Software as a Service」の略で、PaaSに加えてすでに開発済みのアプリも利用できるのが特徴です。

SaaSは専門知識のない人でも利用しやすいですが、システムの自由度は下がります。IaaSは専門知識が必要ですが、自由度は高く、独自性のある構築ができます。

IaaSのメリット・デメリット

IaaSには自由度の高さやBCP対策が容易など、豊富なメリットがあります。一方で、知識が必要であったり、運用コストがかかったりなどのデメリットも。
ここでは、IaaSのメリットとデメリットについて、詳しく解説します。

【メリット1】自由度の高い開発ができる

IaaSの大きなメリットは、オンプレミスと同等の開発自由度の高さです。

先述したように、IaaSが提供するのはインフラ基盤のみ。それ以外の開発ツールや言語、データベースなどは自分の使いやすいものを選んで利用できます。独自性の高いシステムを構築したいという場合や、マイナーなツールを使いたいという場合でも、IaaSなら対応可能です。

【メリット2】余計なコストがかからない

IaaSは、余計なコストを抑えられることもメリットです。

IaaSではインフラ基盤を利用する料金はかかるものの、従来の開発で必要だったハードウェアは不要です。インフラ基盤のメンテナンスや障害対応は、基本的にサービス提供会社が行うため、ハードウェアのメンテナンスや買い替え、障害対応も必要ありません。

またIaaSでは、基本的に料金は使用した分のみ支払います。ストレージや利用する機能の拡大縮小は自由なため、必要のない機能やストレージをカットすることでコストダウンにつながります。
実際にJBCCが担当した企業でも、IaaSの導入と運用でコストカットにつながった事例は多いです。

【メリット3】BCP対策がしやすい

IaaSはBCP対策がしやすいこともメリットと言えます。BCP対策とは、災害などの緊急事態が発生した場合でも事業が継続できるよう、事前に立てておく対策のことです。

従来のハードウェアを用意してインフラ基盤を作るタイプの開発では、ハードウェアを保管している場所が地震や水害で被害に遭った際、インフラが全滅し、復旧に時間がかかっていました。
しかしIaaSなら、高いセキュリティと災害にも対応できる強さのインフラ基盤をベンダーが用意してくれます。社外にインフラ基盤を持つことでリスク分散になりますし、加えてバックアップがあるため復旧も容易に可能です。
介護事業では2024年4月からBCPの策定が義務化されます。災害大国である日本において、企業のBCP対策は急務と言えるでしょう。

【デメリット1】開発に専門知識が必要

IaaSでの開発には、高い専門知識が必要です。

IaaSはインフラ基盤のみが用意されるため、開発ツールの選定やインストール、開発などを自社で行う必要があり、専門知識のない状態では利用できません。知識がない場合には、開発のための人材を雇用したり、外部ベンダーに開発や運用を依頼したりする必要があるなど、かえってコストがかかる場合もあります。

【デメリット2】自社での運用や保守管理にコストがかかる

IaaSは、PaaS・SaaSと比較すると運用や保守管理に割くコストが大きくなります。

基本的にサービス提供会社が保守管理を担うのは、サービス提供会社が提供している部分のみです。PaaSであればインフラから開発などのツールまで、SaaSであればアプリまで運用や保守管理を行ってくれます。
しかし、IaaSはインフラ基盤のみを提供しているため、保守管理がされるのもインフラ基盤のみ。自社で開発した部分に関しては、自社での運用や保守管理が必要です。
保守管理のためのコストや人材などを事前に用意し、体制を整えておくことが重要となるでしょう。

IaaSのサービス4選

IaaSは、大手三社が提供する「AWS」「Azure」「GCP」が特に人気です。ここからは、この3つのIaaSに加え、IBM社が提供する「IBM Cloud」をご紹介します。

Amazon Web Services(AWS)

Amazon Web Services(以下:AWS)は、Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスです。Synergy Research GroupとCanalysの調査によると、2023年第1四半期時点で、AWSは世界のインフラクラウドサービスの32%を占めており、最も人気のクラウドコンピューティングサービスとなっています。

AWSでは、サーバーやデータベースなどの200以上のサービスが提供されており、IaaSのほかPaaSやSaaSも利用可能。サービス自体の機能も豊富で、組み合わせれば構築できないものはないとされているほどです。
大手ならではの強固なセキュリティや実績など、信頼性の高さが特徴で、大手企業も多数導入しています。自社に合った構築ができるため、会社規模や業種を選ばずに利用できるでしょう。

Microsoft Azure(Azure)

Microsoft Azure(以下:Azure)は、Microsoft社が提供するクラウドコンピューティングサービス。シェアはAWSに次ぐ2位ですが、近年シェアを伸ばしていて、先述の調査ではAWSとのシェアの差が9%になっています。

AzureではIaaSとPaaSを提供しており、高度なセキュリティが施されています。世界的企業でも利用されるなど、AWS同様、信頼性が高いです。リモートワークにも対応できる機能が備わっており、場所を選ばない運用ができます。

また日本で広く利用されている「Microsoft 365」やWindowsなどとの連携がしやすいのも特徴。Microsoftアプリとの連携や移行を考えている企業におすすめです。

Google Cloud Platform(GCP)

Google Cloud Platform(以下:GCP)はGoole社が提供するクラウドコンピューティングサービス。シェアはAWS、Azureに次ぐ3位となっています。

GCPは、世界最大のインターネット関連会社であるGoogleならではの活用ができます。ビッグデータを利用したサービスや、Googleと同様のインフラ環境を整備できるのが魅力です。特にAI分野のサービスに力を入れており、生産性向上に貢献してくれます。

また、セキュリティやネットワークのスピードなども安定していて、安心して利用できることも特徴です。AI機能やデータ解析などを用いて、業務の効率化を考えている企業に向いていると言えます。

IBM Cloud

IBM Cloudは、IBM社が提供するクラウドコンピューティングサービスです。先述した3つと比較するとシェアは低いですが、特徴としては、オンプレミスとクラウドの両方で運用を行うハイブリッドクラウドを推奨しています。
そのため、オンプレミスからクラウドへの移行や、ハイブリッドクラウドでの運用をサポートするためのサービスがあります。
2023年3月には、ISMAP(Information system Security Management and Assessment Program:政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)を取得しており、セキュリティ面の評価も高いです。
基本はクラウド運用で、顧客情報などの重要情報はオンプレミスで管理したいなど、ハイブリッドクラウドでの運用を考える企業に向いています。

IaaSを選ぶときのポイント

IaaSは、構築の基盤となる重要なツールです。先述した4つはいずれも人気のIaaSですが、人気だけでなく「自社で達成したいこと」を考えて選ぶ必要があります。ここからは、IaaSを選ぶときのポイントをご紹介します。

長期的な視点で考える

IaaSを選ぶときには、長期的な視点で考えることが大切です。

IaaSはコストが抑えられることが大きなメリットです。しかし、運用が落ちついて保守管理にかかるコストが削減できるようになるまでは、そのメリットが感じられない場合があります。運用開始直後のコストではなく、数年後のコストまで見越してサービスを選ぶことが重要です。

また、従量課金の場合には、単位にも注目しましょう。時間と分、単位によって自由度やコストの削減率も変わってきます。

自社の目的や性質に合っているか

IaaSを選ぶ際には、自社の目的や性質を明確にし、それに合わせたIaaSを選ぶことがとても重要です。目的や性質に合わないIaaSを選ぶと、IaaSの特性や良さが発揮できません。
例えば、決まった時期に一時的にアクセスが膨大になるような場合には、その時期だけサーバーやリソースを追加できるような柔軟性を持ったサービスが向いています。一方、コストを削減したい場合には、人による管理を可能な限り最小限にするサービスが向いているでしょう。

IaaSを利用することによって自社で何をしたいのか、そのためにどんな機能やサポートが必要なのか。それをよく考えてから、複数のIaaSで比較しましょう。

セキュリティを確認

IaaSでは、インフラ基盤のセキュリティをサービス提供会社が担います。そのため、サービス提供会社のセキュリティレベルが非常に大切です。

情報のネットワーク化を狙ったサイバー犯罪は年々増加しており、法務省の令和4年版犯罪白書によると、令和3年のサイバー犯罪の検挙件数は1万2,209件。前年より20%以上も増えています。こうした状況を受けて、各省庁のサイバーセキュリティガイドラインでは、経営者にセキュリティ対策の意識づけを促しています。セキュリティ対策は、安定した経営においても非常に重要です。

IaaSを提供する会社のセキュリティ対策を確認し、信頼できるサービスを選びましょう。

運用付サービスを利用する

IaaSを導入したいが、知識や人材の確保が難しい場合には、IaaSの運用付サービスを利用する方法もあります。

IaaSは、常に最適なサイジングを行わないと無駄な料金を払うことになります。社内にIaaSの扱いに慣れた技術者がいないと、最適なサイジングを行うことは難しく、知識のない人材が行うのは大きな負担です。下手をすると、本来の業務に支障が出てしまいます。
JBCCの「EcoOne」は、お客様に最適なクラウドサービスと運用をセットにした、運用付クラウドサービスです。現在はAWS、Azure、GCP、IBM Cloudを取り扱っています。

EcoOne https://www.jbcc.co.jp/products/solution/iaas/ecoone/

IaaSの運用付サービスを利用することで、本来の業務に集中でき、運用が楽になります。

まとめ

IaaSは、AWS、Azure、GCPなど、大手の提供するサービスがあります。ただし、人気で選ぶのではなく、自社の目的を見定めて、目的達成にふさわしいIaaSを選ぶことが大切です。

JBCCの「クラウド相談会」は、クラウド移行に不安やお悩みをお持ちのお客様をご支援する相談会です。オンプレミスからクラウドに移行を考えている方はもちろん、すでにクラウドを利用されている方も、現在の課題や、自社のクラウド環境が最適化できているのかなどお気軽にご相談いただけます。
クラウド相談会では、実際にお客様の導入に携わった経験豊富な担当者が、導入から活用、定着、運用までの最適解をその場で回答いたします。先述した「専門知識が必要」「運用や保守管理にコストがかかる」といったデメリットも、JBCCなら解決可能です。
参加は無料で、下記より申込ができます。

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