中小企業・小規模事業者のIT導入を支援する「IT導入補助金」活用のススメ

公開日 : 2021年06月24日
更新日 : 2022年01月14日

働き方改革やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進、制度改革への対応を目的に、中小企業・小規模事業者の間ではITツールの導入機運が高まっています。しかし、長引くコロナ禍の影響で業績が悪化し、ITツールへの投資がままならない企業・事業者も少なくありません。そうした企業・事業者にお勧めしたいのが「IT導入補助金」です。
ここではIT導入補助金について紹介します。

目次

IT導入補助金とは

コロナ対応の「特別枠」

留意すべきポイント

まとめ

IT導入補助金とは


近年、中小企業・小規模事業者の経営に関連するさまざまな制度改革の動きが活発化しています。2020年4月に「働き方改革関連法」が中小企業でも施行されたほか、2022年10月には「被用者保険の拡大(従業員100名超の企業)」、2023年10月には「インボイス制度の開始」が控えるなど、中小企業・小規模事業者の業務負荷は高まる一方です。これらの制度改革に対応していくには、ITツールを導入・活用して生産性の向上を図る必要があります。

また、新型コロナウイルスの感染リスクを低減するために、業務上の対人接触を回避するITツールの導入を取引先から求められるケースも増えています。アフターコロナのニューノーマル時代では、ITツールを使った非対面の商談が当たり前になると予想されるため、それに備えたITツールを用意することが急務なのです。

しかしコロナ禍が続くなか、業績不振に陥ってITツールの導入に投資するだけの余力がない中小企業は少なくありません。そこで利用をお勧めしたいのが、国の「IT導入補助金」制度です。

IT導入補助金は、経済産業省・中小企業庁・中小企業基盤整備機構の「サービス等生産性向上IT導入支援事業」にもとづくもので、中小企業・小規模事業者が導入するITツールの経費の一部を補助する制度です。

事業の運営を担当するサービス等生産性向上IT導入支援事業事務局が発行した手引書によると、「製品・サービスの生産・提供など、生産活動に資する事業を行っている中小企業・小規模事業者等が、自社の強み・弱みを認識、分析し、生産性向上のためプロセスの改善と効率化に資する方策として、あらかじめ事務局に登録されたITツールを導入する補助事業者に対し、当該ITツールの導入費用の一部を補助するもの」(原文ママ)と定義されています。

図 ITツール一例

ITツール一例

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以下、IT導入補助金の内容を詳しくみていきましょう。

コロナ対応の「特別枠」


2020年度に実施された「IT導入補助金2020」では、業務効率化のために新たに導入する「ソフトウェア製品」「クラウドサービス」をITツールとしています。このITツールのなかには、設置費用、サポート費用など導入・運用にかかる経費も含まれます。補助の上限は費用の半分、最大450万円。補助対象者は業種によって細分化されており、例えば製造業・建設業・運輸業は資本金3億円以下または常勤従業員300人以下、小売業は資本金5000万円または常勤従業員50人以下の中小企業・小規模事業者が対象です。

2021年4月に交付申請が開始された「IT導入補助金2021」では、前年度の補助金制度を「通常枠」とし、新たにコロナ禍に対応した「特別枠(低感染リスク型ビジネス枠)」が設けられました。特別枠は、業務の非対面化を実現するITツール、テレワーク環境の整備に必要なクラウド対応ツール(SaaS型のクラウドサービス、プライベートクラウド上で稼働するITツールなど)の導入を支援するもので、補助の上限は費用の3分の2、最大450万円となっています。テレワーク環境で利用するパソコン・タブレットなどのハードウェアレンタル費用も補助対象に含まれています。

また、特別枠では一刻も早く業務の非対面化を実現するという必要性から、すでに導入されたITツールに対する「遡及(さかのぼり)申請」も認められています。遡及申請の対象になるのは、2021年1月8日から交付決定までの期間に契約を交わしたITツールです。それ以前に導入したITツールは対象にならないので注意しましょう。

留意すべきポイント


このように中小企業・小規模事業者にとって非常に有り難いIT導入補助金ですが、補助金の交付を申請するにはいくつかの留意すべきポイントがあります。

まず一つは、3カ年の事業計画を策定して従業員に表明していることが必須要件になっている点です。事業計画では、計画期間内に給与支給総額を年率平均1.5%以上増加するといった「賃上げ目標」を明記することが求められています。また、中小企業・小規模事業者が情報セキュリティ対策に取り組むことを表明する情報処理推進機構(IPA)の制度「SECURITY ACTION」の宣言も要件になっています。

もう一つのポイントは、企業・事業者が導入するITツールが「IT導入支援事業者」によって事務局にあらかじめ登録されていなければならない点です。IT導入支援事業者とは、補助を申請する中小企業・小規模事業者のパートナーとしてITツール導入を支援するソリューションベンダーのことです。

IT導入支援事業者はITツールの登録だけでなく、申請者に対して適切なITツールの提案・導入・アフターサポートを実施し、申請者からの問い合わせに対して事務局に代わって対応します。申請者による補助金不正受給の不正行為を防止し、適切な補助金交付が行われるように管理・監督する役割も担います。

実際にIT導入補助金を申請する場合、最初に自社の業種や事業規模、経営課題に沿ったIT導入支援事業者とITツールを選定するところから始まります。交付申請に必要な書類は、補助を申請する企業・事業者とIT導入支援事業者が共同で作成して事務局へ提出します。申請が認められて補助金の交付が決定したら、IT導入支援事業者に報告してITツールの導入に着手します。

なお、上述した特別枠の遡及申請を除き、交付決定前に契約・導入された経費は補助対象にはならないため、必ず交付決定通知後に着手してください。ITツールの導入が完了したら「事業実施効果報告」を提出し、補助金の交付を受けるという流れになります。IT導入補助金には申請期間のスケジュールが設定されているので、IT導入補助金のホームページ(https://www.it-hojo.jp/)で確認しておきましょう。

まとめ


今回はIT導入補助金について紹介しましたが、中小企業・小規模事業者を対象にした助成金制度はほかにも、厚生労働省の「業務改善助成金」や地方自治体の助成金制度(東京都の「テレワーク定着促進助成金」など)があります。こうした助成金制度を上手に活用しながら、ITツールの導入を進めることをお勧めします。

JBCCはIT導入補助金のIT導入支援事業者として、補助申請を検討している中小企業・小規模事業者を対象に、以下のようなソリューションサービスを提供しています。

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