「Microsoft 365 大好きオジサン」の気になる2025年5月のアップデート
皆さんお元気ですか?「 Microsoft 365 大好きオジサン」こと 中村 太一 です。早いもので2025年ももう5か月経ってしまいましたね。日本には四季がありますが、昔に比べて四季の中でも過ごしやすい春と秋が年々短くなってきているように感じます。もうすでに夏のような暑さの中、オジサンが燃えるようなモチベーションでがんばって本記事を書いております!書き途中に燃え尽きないように気を付けねば!
それでは今回も先月(2025年5月)の Microsoft 365 のアップデート情報から僕の独断と偏見で気になる3点を挙げて紹介していきます。

Microsoft Teams : Viva Engage のストーリーラインが統合された
本アップデートに関しては Microsoft が公開しているロードマップを見ると今年2025年4月中には一般提供が完了している予定になっておりますが、5月下旬からユーザーに機能アナウンスのダイアログボックスが表示されはじめている事を確認できているので本記事に取り上げます。
Microsoft 365 では Microsoft Viva シリーズの一員である Viva Engage が利用できます(別途 Microsoft Viva の単体ライセンスがない場合は機能制限があります)。これは以前 Yammer と呼ばれていたサービスで、知らない方に一言で説明せよと言われれば「社内SNSです」と答えるでしょう。組織の垣根を越えた従業員同士のコミュニケーション、そして経営層などリーダーからの発信やリーダーと従業員のコミュニケーションの場です。その Viva Engage の機能のうちの一つがストーリーラインです。これは誤解を恐れずに例えると X や Facebook のタイムライン上に投稿するような機能です。ストーリーラインが登場する以前は「組織全体(All Company)」かコミュニティと呼ばれる場所を指定して投稿する必要がありました。

そのストーリーラインが Microsoft Teams からも利用できるようになっています。これは個人チャット(1対1チャット)のタブの「ストーリーライン」をクリックすると表示され、個人チャットの相手のストーリーラインを確認できフォローしたりリアクションをしたりコメントを送信する事も可能です。一つの使い方としては( Viva Engage の利活用が定着している前提ですが)、初めてチャットをしようとする相手にメッセージを送信する前に、その人の人柄や持っているスキルや知識などを事前に探れるような事もできます。また Viva Engage 上でフォローしたユーザーがストーリーライン上に投稿をすると、 Microsoft Teams 上で通知やアクティビティを受ける事もできます。
ただ、本アップデートに関してはネガティブな感想も見受けられます。そもそも Viva Engage をあえてユーザーにアナウンスせずにひっそりと使われないようにしている場合、このアップデートのアナウンスが Microsoft Teams を開くとダイアログボックスで表示されてしまうので、周知されてしまう可能性が高いです(本来であれば利活用促進は歓迎すべきものですが)。また、知らないユーザーは Viva Engage の機能ではなく、 Microsoft Teams の新機能だと誤認してしまう可能性もあります。個人的には従業員エンゲージメントを高める取り組みである従業員エクスペリエンスのプラットフォームである Viva Engage は利用してほしいと願いますが、組織によってはそうもいかない場合もあるので対策が必要そうです。
また Microsoft Teams 上に Viva Engage の通知が来ると、作業のフォーカスタイム時の集中の阻害になってしまう事を懸念する声もありますが、その場合は Microsoft Teams の通知設定でストーリーラインの通知をオフにしたり細かい設定ができる項目があるので、ご自身の状況にあわせて通知をチューニングしてみてはいかがでしょうか。
SharePoint : テキストWebパーツのテーブルが使いやすくなった
今ちょうど僕は毎月開催のウェビナーで SharePoint の話をしています。興味ある方は当サイトのメニュー「セミナー」からご利用ください。過去の見逃し配信も視聴できます。
セミナー | JBCC株式会社
https://www.jbcc.co.jp/event/
その中でもしつこいくらい伝えている事が、 SharePoint をイントラサイトとして単体で利用するにおいて大事な機能は「ページ・ニュース」です。特に旧来から SharePoint を利用している企業の場合、いわゆるお知らせ掲示板を SharePoint のリスト( Microsoft Lists )で運用している事が多かったと思いますが、すでにリスト作成時のテンプレートに「お知らせ」がなくなっている事からも、今やそのような発信する情報手段は「ニュース」が最適です。
このページ・ニュースはWebパーツと呼ばれる様々な種類のパーツを組み合わせてコンテンツを作成していきますが、その中でも一番利用率が高いであろう「テキスト」Webパーツについては長い間少しずつブラッシュアップされてきています。そして今回は、テキストWebパーツの中にテーブルを追加する事ができますが、追加したテーブルを装飾したりレイアウトしたりする際に必要な、編集ボタンがまとまったテーブルのツールバーが使いやすくなった点を紹介します。

今回特に便利になったのが、皆さん Excel で大好きな「セルの結合・分割」です。それが SharePoint のテキストWebパーツ内のテーブルにも簡単に操作できるようになりました。結合したいセルを複数選択してツールバーの「結合」ボタンをクリックすれば結合されるし、分割したいセルを選択してツールバーの「分割」から「セルを水平に分割」もしくは「セルを垂直に分割」をクリックすれば分割されます。他にも細々と使いやすくなっていたり装飾の自由度が増したりしているので試してみてください。
ただ気を付けたい事もあります。デザインやレイアウトの自由度が増す事はうれしい事ではありますが、自由には責任が伴います。より一層ユーザビリティやアクセシビリティに配慮しなければいけません。多くの人にとって読みにくいコンテンツになってしまうと、発信したコンテンツを読んでもらえなくなり本末転倒なので気を付けましょう。
SharePoint : 通知機能の廃止
場合によってはインパクトの大きな廃止のアナウンスがありました。 SharePoint の通知機能が2025年7月から2026年7月で段階的に廃止されます。機能廃止の情報を見た時に突然スパっと廃止されるアナウンスと、このように長い期間で段階的に廃止されるアナウンスがあります。大抵は前者の方はあまり利用率が高くないのでアッサリと廃止されますが、後者の方はユーザーにとってインパクトがある場合が多いです。
SharePoint の通知機能とは、それこそ僕が SharePoint に初めて触れた時のオンプレミスの SharePoint 2007 の頃にはすでに存在していた機能なので歴史は古いです。リストやライブラリにアイテムが追加・編集・削除などのタイミングをトリガーに、メールやメッセージで通知が送信される機能で、エンドユーザーがそれぞれ個別で設定します。

便利で大事な機能なのになぜ廃止されるのかというと、すでに新しい仕組みを利用した同等な機能が並行して存在しているので、古い仕組みの機能を廃止してユーザーに利用の移行をしてもらう目的のようです。移行先の仕組みは Power Automate と SharePoint のルールです。そう言うとおそらく多くの人は Power Automate には敷居を感じてしまうかもしれません。 Power Automate は Microsoft のノーコード・ローコードソリューションファミリーである Power Platform の1つですが、そうは言っても何も知らずにゼロからすぐに通知のフローを作成できるわけではなく、多少なりともスキルの習得が必要になります。でも落胆しないでください。後者の SharePoint のルールはスキル一切必要ありません。むしろ廃止予定の通知機能よりもシンプルで簡単です。とはいえ、既存の通知設定がボタン一つでルールに移行されるわけではなく、ルールはルールでゼロから設定しなければいけないので、ユーザーの手間としては通知機能を利用していればいるほど大変でしょう。そういう意味でのユーザーインパクトが大きいからこそ約1年間の段階的廃止期間が存在します。という事は、早めにユーザーにアナウンスをしておかないとギリギリになって「あ、通知機能廃止ですって!」とアナウンスをしたり、アナウンスせずに廃止後にユーザーが通知が来なくて困るという問い合わせが殺到したりしても大変なので、この約1年間の期間を計画的に活用してください。
5月のアップデート情報、いかがでしたでしょうか。本シリーズでは取り上げていませんが、生成AIの進化がすさまじくどんどん働き方や生活が変わりつつありますね。この変化が急激なこの時代を生き抜くには現状維持ではなく柔軟な対応力が必要になってくるでしょう。 Microsoft 365 の進化も楽しむくらいの余裕がないといけないのかもしれませんね。正直、僕も進化についていくのが大変ですが。
本シリーズ記事で添えている画像は、毎月JBCC のお客様向けにご案内しているアップデート情報動画配信で利用しているスライド資料の一部です。本記事のようにブログでは厳選して3個程度しか紹介できていませんが、この動画では更に多くの情報をデモを交えてお伝えしています。JBCC のお客様向けなので、気になった方は是非お問い合わせください。
微力ながら JBCC もこのようなアウトプット活動を通して皆さんのお役に立てればと思っておりますので、今後ともよろしくお願いします。また、 JBCC には Microsoft 365 のプロフェッショナルも多数在籍しており、 JBCC から Microsoft 365 を契約していただいたお客様には、お客様と寄り添いながら進める伴走型のワークショップやお客様同士のつながりを持てる場でもある Microsoft 365 利活用雑談 Café を開催するなど Microsoft 365 の利活用・定着のご支援をしております。気になった方は是非お問い合わせください。
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詳細を見る執筆者

中村太一
JBCC株式会社 Microsoft 365 担当
「Microsoft
MVP(Most Valuable Professional)」を2018年から連続受賞。
ユーザー企業のMicrosoft 365利活用促進を支援。
Microsoft Ignite などマイクロソフト社主催のイベントにも登壇。
Microsoft 365 大好きオジサンこと中村太一が
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