チャネルを横断した統合的な営業戦略を推進するために
― システム刷新で営業情報を統合管理、情報共有の範囲拡大・早期化と営業活動の見える化を実現 ―
フコクしんらい生命保険株式会社 様 所在地:東京都新宿区西新宿8-17-1 事業内容: |
導入前の課題
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導入後の効果
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目次 |
<導入の経緯>営業の組織体制見直しに伴うシステムの統一
会社設立以来、同社はお客さまの身近な存在であり地域に根差した代理店とともに、保険商品や関連するサービスの提供を通じて、お客さま一人ひとりの人生を支えてきた。 現在、従業員は260名余り。この少人数のオペレーションで全国の保険販売を可能にしているのが、1300を超える地域の代理店だ。 同社の保険代理店は金融機関代理店と損保代理店を中心とした一般代理店に区分される。 金融機関代理店については、全国の信用金庫に対し、親会社の富国生命保険相互会社と連携し販売体制の強化に努めている。もう一方の一般代理店については、業務提携先である共栄火災海上保険株式会社がその役割を担っている。 業務推進部の菊池潤氏は「当社はおかげさまで会社設立以来順調に成長を遂げてきました。一方で、これまでの経緯から、金融機関代理店を担当する『窓販営業推進部』と、一般代理店を担当する『代理店営業推進部』はバラバラに営業を行っており、互いの情報の共有はあまり活発ではありませんでした。そこで一体的に業務を運営するために2020年4月に営業本部を設置し、本部内に両部の橋渡しとなる業務推進部を設置しました。」と語る。 |
執行役員 業務推進部長 菊池 潤氏 |
ところが、そこで課題となったのは、代理店の情報や日々の活動、また業績や施策の進捗といった、双方の営業情報を共有し、それを見える化する最適な仕組み自体が存在しないことだった。
菊池氏は「当社は10年以上前、営業支援システムを一度導入しましたが、定着に至らず失敗した苦い経験があります。その後4年ほど前に再度、別のパッケージ営業支援システムを導入しました。これを使用し窓販営業推進部では企業情報やスケジュール、活動履歴を活用していました。しかし導入から数年経ち、いくつかの課題が浮かんできました。具体的には、業務変革に合わせた機能の更新ができず、業務推進部の欲しい情報も不足し、都度営業担当者に報告を求めるなどの業務負荷やシステム外での管理が拡大していったのです。また、代理店営業推進部では旧来のエクセル利用を継続しており、情報が散在していました。このような課題を解決するため、システムをゼロから見直すことを決めたのです。」と話す。
<導入のポイント>kintone のコストと柔軟性・拡張性、JBCCの知見と対応力
見直しの先頭に立ったのが、業務推進部の窓販推進グループの藤田杏花氏と同部代理店推進グループの荒川友里歌氏だ。お二人がまず行ったのが社内リサーチ。社内のシステムに強い担当者に今の営業支援システムのトレンドを聞くことから始めたという。 「そこで聞いたのが kintone (キントーン)でした。早速、無料のトライアルを行い、システムが専門でない私でも直感的に操作ができ、簡単なアプリならイメージ通りに制作ができることを確認しました。既存のシステムの改修にはベンダーによる高額かつ時間のかかる対応が必須で、やりたいことがなかなか実現できない状態でした。それが kintone では修正や改修も容易で、コストの大幅な削減が見込めました。」と藤田氏。 社内での検討を経て営業支援システムの基盤として kintone を利用する方向性が固まった。一方で業務に利用する具体的なアプリの構築にはプロの支援が必要との判断の中、サイボウズのオフィシャルパートナーでもある JBCC が最有力候補に挙がったという。 |
左から 執行役員 業務推進部長・菊池 潤氏 |
さらに藤田氏は「営業活動の"見える化"における問題点を相談したところ、即座に的確な指摘とともに具体的な改善策を提案してくれました。 kintone のコストと柔軟性・拡張性はもちろんですが、JBCC担当者の知見に基づくクリアな回答や対応力、スピード感など、どれも他社にはない魅力を感じました。」と述べ、菊池氏も「既存システムの契約期間の関係で2021年4月にはシステム切替を行う必要がありました。相談をしていた時点ですでに実質の開発期間は半年もないという差し迫った状態でしたが、数ある kintone のオフィシャルパートナーの中でランキング上位に位置する JBCC から"大丈夫"との力強い言葉を受け、確信をもって開発を依頼することができました。」と話す。
<導入のプロセス>JBCC金融業専門チームによる強力なサポート
今回JBCCへの依頼は、kintone とプラグインを活用した営業支援システムの構築だった。これにより窓販営業推進部と代理店営業推進部の情報共有を拡大し両部署の連携を強化、機動的な業務推進を可能とすることが主眼だった。さらに情報の"見える化"により営業活動の PDCA も可能になった。
具体的に共有や"見える化"を行った情報として、双方の営業担当者の活動報告や個別の案件の状況などがあげられる。これにより、案件ごとに対応が必要な場合はそれを把握し、具体的な対応を行うことができるようになった。またこれらを集計することで目標に対する進捗もリアルタイムで可視化されるようになった。
藤田氏は「私自身はシステムの要件定義さえも分からないところからのスタートでした。そんな中で期限内に間に合ったのはひとえに、金融業界に精通する JBCC の"金融業専門チーム"のおかげです。当社の場合、代理店と窓販という二つの営業推進部で組織の階層も異なり複雑ですが、驚くほど的確に当社の業務を理解したうえで、整理して提示してくれました。金融に強い専門チームが業務の整理や、要望のとりまとめをしてくれたことで、結果的にサービスインまでの開発スピードを加速させてくれたのだと思います。」と語った。
<導入の効果>ログ機能で利活用も可視化!担当者の80%以上の利用をキープ
システムの導入効果について荒川氏は「代理店営業推進部には何もないところからのスタートです。もう一方の窓販営業推進部は従来利用していた営業支援システムがあり、抵抗感がある人も出るのではないかと不安に思っていました。しかし、実際に導入してみると皆さん積極的に利用してくれています。」と述べた。
今回の導入においてもっとも時間をかけたのが社内に向けての説明であり、それが利用率の高さを支えていると思われる。サービスインまでに上層部をはじめ各営業部署、全地区の担当者まですべての人に、システムの講習会を5、6回程度開催した。導入前と導入後の効果比較や具体的なシステムの操作方法など、藤田氏と荒川氏の事前準備と丁寧な説明資料もあり、利用する関係者全員への大きな意識改革につながったと考えられる。
導入時期がコロナ禍の只中であるため、直接的な営業数値に結びつくのはまだ先としたうえで、菊池氏は「もともと窓販営業推進部と代理店営業推進部の情報を共有することで連携を深め、お互いの営業力を強化することが狙いです。両部署で重なる代理店もあり、そこに対する情報共有のスピードは確実に早くなっています。さらに各担当者間でのコミュニケーションは、システムを通してだけでなくリアルでも会話が進み活性化しているようにも思えます。情報を共有することで営業活動の時間短縮につながり、結果的にお客さまのメリットにもつながっていくと思います。」と話す。
現在は、利活用の状況を社内で共有するため、会議などで随時報告している。 kintone のログ管理機能を活用し、提出資料を作成しているという。日々の利用状況をグラフとして可視化し、視覚的にも分かりやすくまとめている。システムの利用を開始してから半年程度、現在の利用状況は80%を上回っている。この高い利用率を維持しているのは、業務推進部の日々の努力のたまものと言える。操作になじみを持たせるために「いいね!」ボタンを付けたり、利活用のランキングで上位入賞者を讃えたり、システムに対する要望や、実際の更新を独自の「 kintone ニュース」で定期的に発信したりと、日々システムに目を向けてもらう工夫を積極的に行っている。
<今後の展開>システムの有効活用により業務改善を推進
「これまでの苦い経験からも、システムは導入後が最も大事だと考えています。いかに定着・浸透を図り、その上でより良いものにどう改善していけるのか。こういった思いを実現するため、実際に利用している担当者からは kintone でアンケートを実施するなどして日々改善要望を受け付けています。その集めた要望から、実際の改善につながるものは JBCC に対応を依頼していますが、対応のスピードに驚かされています。緊急案件については依頼した当日中に、通常は2、3日で対応してくれます。以前のツール利用時には、このようなスピードでの対応は不可能でしたし、場合によっては対応できない案件もありました。現在のスピード感には利用者側も気づき、"もう改善されたの!?"という驚きの声もよく聞かれます。また、最近ではkintone に登録されたクレームの情報を担当部署に共有することで、営業とは直接関係しない業務の改善にも活用されるという事例も出ています。
今後は kintone に蓄積される情報を分析して営業現場に還元することで、さらに営業推進に活かしていきたいと考えています。」と菊池氏は話す。
本日は貴重なお話しをありがとうございました。
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