【関西テレビ放送株式会社 様】放送局が目指す「誰でもアプリ開発できる環境づくり」。kintone導入で市民開発を促進

関西テレビ放送株式会社様では、スタッフを煩雑な事務処理から解放し質の高いコンテンツ制作に集中するため、デジタルの民主化に取り組んでいます。それに伴い誰でも簡単に開発できる市民開発ツールとしてkintone を導入しました。「忙しい社員がアプリ開発をするには意識改革が必要だった」と語る栗山 和久 専門部長、井上 淳史 専任部次長、石井 克典 主任に取り組みについてお話を伺いました。
会社名 | 関西テレビ放送株式会社 様 |
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設立 | 1958 年 |
事業内容 | 近畿広域圏を放送対象地域としてテレビジョン放送を行う特定地上基幹放送事業者 |
URL | https://www.ktv.jp/ |
コンテンツ制作のプロが市民開発の普及に奮闘!
JBCCの伴走支援で社員が業務に役立つアプリを開発
導入前の課題と導入後の効果
スタッフを煩雑な事務処理から解放し質の高いコンテンツ制作に集中させるため、市民開発を進めたい
- システム開発を担当するグループ会社だけでは要望に対応しきれない
- 社員が業務に忙しく、アプリを内製化するための時間が十分に取れない
- 通常業務において紙でやりとりをするケースが多い
業務効率化に向けてアプリを内製化する意識が高まった
- アプリ開発の内製化で業務改善に成功した事例が増加
- JBCCの伴走支援により社員のアプリ開発するスキルが向上し、短時間でアプリ作成が可能に!それにより業務改善が加速
- 制作でタブレットを使用するなど、ペーパーレスの基盤が確立
事務処理の非効率性の打開策として「市民開発」を提唱
関西テレビ放送様の事業内容、特徴についてお聞かせください
栗山:関西テレビ放送では、報道、スポーツ、バラエティ番組を関西に根差して制作しています。また当社では、ドラマ制作の際にスキルの高い社員のカメラマン、ディレクター、監督が東京に2 ~ 3 か月滞在し制作しています。これは在阪のテレビ局では珍しいケースだと思います。長い歴史の中で先輩方が積み重ねたノウハウを活かし、東京支社でも活躍しています。
DX 関連ではどのような取り組みをしていますか
栗山:番組制作の技術スキルは年々向上しています。一方で事務処理に関連するIT スキルには課題があり、業務効率が滞ることがありました。労働人口が減少する中で番組制作に注力するためには、バックヤードの業務を効率化しなければなりません。この課題を解決するために2020 年にDX 推進局が発足しました。
井上:DX を掲げて組織が立ち上がったものの、何から始めるべきかを模索していました。当初考えたのは、既存のアプリケーションをパブリッククラウドに移行することでした。しかし構築コストが高額になり予算化が難しいのと、単なるクラウド化では次々と発生する業務要件に応えられないという問題がありました。
栗山:従来のアプリケーションの開発については、ソフトウェア開発専門のグループ会社に開発を依頼していました。しかしグループ会社のリソースにも限りがあり、全てのニーズに対応できていません。また業界全体で放送収入が下がる中、開発会社に発注できる予算も少なくなっています。そこで業務効率化と開発コストの削減を両立する起爆剤として市民開発を提唱することになりました。
開発のハードルが低いkintone を導入
市民開発のツールとしてkintone を導入したきっかけをお聞かせください
栗山:IT ベンダーの主催するセミナーで、サイボウズのエバンジェリストから「自社ではコミュニケーションやあらゆるタスクの管理をkintone で完結している」と聞いてkintone を試してみたいと思いました。
他のツールとの比較はされましたか
石井:当社は Microsoft 365 ユーザーのため、当初は Power Apps の導入を検討していました。ただ Power Apps の場合、データベースとアプリ画面とそれぞれを設計する必要があります。専門知識を持っていない人にはかなりハードルが高く、教育に時間がかかると感じました。kintone であれば、アプリ画面を設計するとデータベースが自動で定義されます。またワークフローの仕組みも搭載されています。アプリケーションを開発するのは業務で忙しい人なので、簡単に開発でき、かつかゆいところに手が届くツールとしてkintone に白羽の矢が立ちました。
kintone はどのような印象を持っていますか
井上:私はもともとイベント運営を行う部署でアプリケーションの内製化に携わっていました。コア業務の複雑なプロセスをkintone で実装するのは難しかったのですが、幅広い用途で使える汎用性があると思います。既存のアプリケーションではちょっとした改修でも高額になってしまいますが、kintone であれば自分たちで簡単に修正できる点も魅力でした。
数あるIT ベンダーの中からJBCCを選んだ理由をお聞かせ下さい
石井:営業の冨田さんから電話をもらったのがきっかけでJBCCを知りました。JBCCは南海電鉄さんのような公共機関の事例が多くあり、放送インフラである当社としても心強かったです。またパブリッククラウドやkintone など幅広いソリューションにそれぞれ詳しい人がいるため、当社がDX を進める上で頼りになると考えました。冨田さんからDX 全般の提案を受ける中で市民開発に取り組むことになり、kintone ソムリエの宮田さんにサポートしてもらっています。
社内の理解を得るために、実績を積み重ねる
導入する際に苦労したことをお聞かせください
栗山:市民開発のコンセプトについて社内の理解を得ることです。私も報道局でカメラマンをしていたのでよくわかるのですが、どの仕事も残業が多いです。そのため業務と並行してプログラム開発をすることになかなか賛同してもらえません。上層部も「kintone はエンジニアの開発ツールとして活用すれば」という人もいるほど、市民開発には難色を示していました。
そこで実績を積み上げようと考え、各部署の困りごとに耳を傾けることから始めました。その中で人事部が管轄している健康診断の予約管理業務を効率化したいという相談があり、kintone でアプリを開発することになりました。
健康診断の予約管理ではどのような課題があったのでしょうか
栗山:今までは看護師さん2 名で全社員から一斉に電話で予約を受け付け、Excel で管理していました。複数人で Excel をメンテナンスするため、更新が競合しミスを誘発する問題がありました。既存の人間ドック予約管理システムを流用することも考えましたが、グループ会社に開発を依頼するとコストも時間もかかってしまいます。そこでkintone でアプリを作ることになりました。
管理者も含めてIT にはそれほど強くなく、自分たちでアプリケーションを作れないのではないかと不安になっていました。そのためkintone ソムリエの宮田さんにサポートをしてもらいながら開発し、運用にこぎつけることができました。
kintone を推進することでペーパーレスの基盤を確立
kintone を導入してどのような効果がありましたか
栗山:自分たちで開発したアプリで業務を改善する実績を作ったことで、kintone を活用する動きが少しずつ出てくるようになりました。その結果、ペーパーレスの基盤ができつつあります。今までは台本や資料を紙で配布するなど印刷していましたが、kintone で資料が共有できるようになると、自然と印刷する必要性がなくなります。
番組制作においてのペーパーレスの取り組みは、業界全体ではまだ多くはありません。今までの取り組みで得たノウハウを、他局にも展開できるのではないかと考えています。
JBCCのサポートについて感想をお聞かせください
栗山:kintone ソムリエの宮田さんを中心に、JBCCには一般的な教育だけでなく、業務で使えるアプリを開発できるところまで伴走していただいて助かっています。
例えばkintone 開発の第二弾となった歯科検診の予約管理アプリは、数日で開発しなければならないという事情がありました。健康診断の予約アプリは宮田さんに手取り足取り教えてもらったのですが、歯科検診のアプリは大部分を独力でできるようになりました。
また営業担当者の冨田さんや髙田さんが頻繁に来て相談にのってくれるのも有難く思っています。
kintone 以外にDX で取り組んでいることをご紹介ください
栗山:Dropbox を使用した映像データの共有に取り組んでいます。用途のひとつとして、制作した番組のコンテンツについて、コンプライアンス部の考査や関係者への事前確認の依頼を想定しています。以前は依頼先ごとにAD がコンテンツをDVD に保存して郵送していましたが、Dropbox であればセキュリティが担保された形で外部の人と映像データの共有が可能です。こうした取り組みについてもJBCCに相談しながら進めています。

全社展開に向けてさらなるスキル向上を目指す
今後の展望をお聞かせください
栗山:kintone を全社に展開することを目標にしています。ライセンスの関係でまだ一部の人しか利用できないため、部門をまたいで承認するアプリなどが開発できないのが現状です。ただ番組制作に必要な投資との兼ね合いもあるので、ライセンスを増やすのは簡単ではありません。アプリ開発による業務効率化の実績を積み重ねると同時に、社内全体のIT スキルの向上に取り組み、市民開発の有用性を広めていきたいと考えています。
JBCCに今後どのようなことを期待しますか
栗山:市民開発の普及と教育体制の強化について、今後もサポートを期待しています。現在は私たちが市民開発を支援していますが、今後人数が増えてくると対応しきれなくなってしまいます。引き続き当社のDX 推進への支援をよろしくお願いします。
JBCC担当のコメント
【担当営業より】
今回、カンテレ様の業務効率化ご支援を通じて、「テレビ業界のDX化」の難しさを知ることができました。
番組ごとに構成される複雑な組織構造や、1つの番組に対する多数の協力企業参画による管理の難しさなど、業界特有の課題を痛感致しました。そんな中、DX戦略部を筆頭に様々な部門で業務効率化に意識的に取り組んでいただける方々に市民開発の進め方やデータ管理等のセッションへご参加いただき、ご意見いただきながら進めていけたことで、現場課題に沿った業務効率化のご支援が出来たと考えております。
まだまだ業務効率化の種火を付けた状態であることもお互い認識しておりますので、引き続き、カンテレ様のDXについてご支援させていただくパートナーとして活動してまいります。
西日本事業部 第一営業部 冨田 真一
【製品担当より】
これまでの業務を見直し、自らが作る市民開発者への挑戦を伴走しながらご支援させて頂きました。
はじめは、全く何もわからなかった方が、最後にプラグインの設定まで出来た!という喜びは誰もが成功体験を得られる市民開発の醍醐味を一緒に分かち合えたことを大変嬉しく思います。
今後のさらなる業務変革をご支援していきたいと思います。
ハイブリッドクラウド事業部 ソリューション営業部 kintoneソムリエ 宮田 悠登

本日は貴重なお話をありがとうございました。
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