サラヤ株式会社 様 発足: 1959年(創業1952年) 所在地:大阪府大阪市 事業内容: ・家庭用及び業務用洗浄剤・消毒剤・うがい薬等の衛生用品と薬液供給機器等の開発・製造・販売 |
サラヤ様は、業務プロセス見直しの一環として、WinActorを導入し受注処理の改善に取り組んでいます。単なる作業時間の短縮ではなく、問題を発見して解決していく意識を醸成するためにどのようにRPAを活用しながら取り組んでいるのか、情報システム本部 本部長 桧垣一彦様、基幹システム部 部長 住吉和也様、基幹システム部 課長補佐 山崎闘志也様、国内事務物流部 受注ユニット 課長 服部知子様にお話を伺いました。
(以下敬称略)
目次 |
<導入の背景>RPAを業務の改善の動機付けとして活用
ー 今回RPAを導入することになった背景をお聞かせください。
桧垣:RPAのツールによって作業時間の短縮を図るというよりは、RPA導入をきっかけにしてビジネス部門と共同したプロジェクトを立ち上げ、業務プロセスを見直してより良くする活動を定着させる狙いがありました。
ー RPAを適用する業務はどうやって決めたのでしょうか。
住吉:今までも基幹システム部で自動化、省力化、ペーパレスをテーマにシステム化する取り組みをずっとやってきました。しかし費用対効果が低い、全体最適を考えると効率化がしにくい、といった理由から手作業でやらざるをえない部分が残っています。なかでも外部にあるWebサイトの操作をする作業が効率化できていないと考え、今回の対象としました。
服部:日々の受注業務では、顧客からEDIやFAXで受け取る受注情報の他に、顧客のWebサイトから発注情報を取得する経路があります。対象のWe bサイトが約300サイトあり、それぞれのサイトにID/パスワードを入力してアクセスしなければなりません。さらには注文があるかどうかもWebサイにアクセスしなければわかりません。こうした作業はWinActorで代替できるのではないかと考えました。
<導入の理由>わかりやすさ、シンプルが決め手に
GUIのわかりやすさ、操作のシンプルさが決め手となりました 基幹システム部 課長補佐 |
ー WinActorを選定した理由を教えてください。
山崎:選定にあたっては、候補の製品の評価版で実際にロボットを作成し、機能を検証しました。他の製品の方がきめ細かく制御できた部分もあったのですが、その分、ロボットを作る難易度が高くなります。今は基幹システム部がRPAの設定を担当していますが、いずれはビジネス部門に作成してもらうことも視野に入れていたので、GUIのわかりやすさ、操作のシンプルさを重視して選定しました。純国産の製品で、日本語ベースで作られている点も選定理由の一つです。
ー 社内の理解を得るために工夫したことはありますか。
桧垣:RPAは事務処理をしている部門にはイメージがわくのですが、他部署の人にはどういうことをやってくれるのかがわかりにくいというところがあります。そのため山崎が実際の業務と同じことをするロボットを作って、ロボットが自動で処理している様子を動画におさめてプレゼンしました。
ー ロボットはスムーズに作成できましたか。
山崎:ロボットを作成することはさほど難しくありませんが、エラー処理で後続のロボットが止まってしまうことがあり手間取りました。例えばWebのページが遷移する前にロボットの処理が走ってしまうといったことはロボットを作成しているときには想定することはできません。JBCCさんには導入前から細かいエラー処理についてアドバイスいただきました。
<導入の効果>間違いがあってはいけないプレッシャーからの開放
受注処理がたまっている日でも精神的にゆとりができました 国内事務物流部 受注ユニット 課長 |
ー WinActorを導入してどういった効果がありましたか。
服部:作業時間の短縮以上に、作業者の気持ちにゆとりができたことが大きいと思います。例えば週明けは注文がたまっていて時間通りに処理するのに気持ちがあせってしまい、間違いを誘発するのですが、ロボットが代わりに作業してくれることで気持ちに余裕ができました。この仕事はお客様との取引に直接関係するところなので間違いがあってはいけないというプレッシャーをいつも感じています。そのプレッシャーから解放されて憂鬱な気分にならなくなるという声をスタッフから聞いています。現在RPAの適用は一部のWebサイトのみ対象としており、今後広げていく予定です。全体に導入されれば年間2000時間の作業をロボットが肩代わりしてくれる見込みで、今後さらに効率化されることがとても楽しみです。
山崎:受注業務は非常に作業が複雑で、属人化しやすい業務です。引継ぎ時も引き継いだ人がサポートできる体制をとらないといけないので非効率です。その点WinActorを見るとどのように操作すればよいのか誰の目にもわかるので、業務マニュアルとしても機能する点も大きな意味があると思います。
<今後の展望>問題解決ができる人材育成へ
今までシステム化を見送ってきた部分について改善できました 基幹システム部 部長 |
ー 今後の展望をお聞かせください。
住吉:今は受注業務のみ適用していますが、今後は適用できる範囲を広げていきたいと思います。ただ、すべてに適用するのではなく、EDIやETLを取り入れた自動化も併せて検討し、どの方法を選択すれば全体の業務が最適化するのかを一番に考えていきたいと思います。
桧垣:問題を発見して、それを解決できる人材の育成が、大切だと思っています。結果的に工数削減ができれば、それが働き方改革につながります。今後は、RPA導入をきっかけとして、この継続的な改善サイクルをまわすことができると信じています。
本日は貴重なお話をありがとうございました。
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