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新学校管理システムの開発手法に「アジャイル」を採用

子ども英会話の専門校として知られるアミティーは、1973年5月に創業して以来、子どもの英会話に注力し、事業展開している。現在、校舎は全国に85校あり、2万5031名(2015年3月10日現在)の生徒が学んでいる。同校は、20年前に開発した既存の学校管理システムをリプレースする際、「アジャイル」開発手法を選択した。「アジャイル」開発がもたらしたメリットについて、お話を伺った。

株式会社アミティー

【企業DATA】

株式会社アミティー 様

設立:1994年1月(創業1973年)

資本金:1,000万円

本社:岡山県岡山市北区厚生町2-3-23

http://www.amity.co.jp/

株式会社アミティー 代表取締役社長 山﨑 髙人氏

アジャイルの提案は、開発スピードも速く、柔軟性も高い。また初期投資も抑えることができるというメリットもあり、とても魅力的な提案だった。

代表取締役社長
山﨑 髙人氏

株式会社アミティー システムサポート課リーダー 景山 就氏

サービスイン直後も大きな問題はなく、柔軟でありながら生産性・業務効率が高い管理システムを構築できた。

システムサポート課リーダー
景山 就氏

アミティーの生徒は、0歳から高校生までと幅広い。その中心は、幼児・児童だが、なかには胎教で英語を学ぶ生徒もいるという。それぞれの目的・要望に応じて英語力を向上できるように、アミティーでは100コース以上のグループ・マンツーマン等学習コースを用意している。その指導体制は、保護者からも好評を得ており、信頼も厚い。 

「子ども向けの英会話学校というと、講師の自宅やコミュニティハウスなどを使って、小さな教室を構えることが多いが、アミティーでは平均300名ほどが収容できる大きな教室を設けている。講師陣やグループ学習コースも豊富で、生徒や保護者からの評価も高い」と語るのは、アミティーの代表取締役社長の山﨑髙人氏。

 同校の英語を指導する講師陣は、日本人・外国人など多数が在籍している。厳しい条件で採用した教師陣には、充実した研修制度を設けており、講師陣の指導力アップを継続的に支援していることもアミティーの特長といえるだろう。このような不断の努力がアミティーの評価につながっているのだ。

新学校管理システムの開発手法に「アジャイル」を採用

 アミティーはこれまで、独自に構築した学校管理システムを運用してきた。この学校管理システムは、20年ほど前に構築されたものをベースに、各種サブシステムを組み合わせたものだ。

「状況は常に変化している。システムを構築した当初とは、経営の内容も規模も大きく変わっている。構築当時の設計哲学が現状と乖離していくのは、ある意味仕方のないことだ。そのため、必要なサブシステムをつくっては、コアシステムにつなげ、何とか現状に合わせようとしてきた。このような対症療法を続けてきた結果、学校管理システムは、とても複雑なものになってしまった」と山﨑氏は振り返る。

 複雑化した学校管理システムでは、異なるシステムへの二重入力を余儀なくされたり、必要な情報が共有しにくかったりといった問題が顕在化した。つまり、本来、業務効率を向上させ、スピード経営を支援するための学校管理システムが、業務効率を低下させ、経営をスピード化する際のボトルネックにもなり始めたのだ。

「学校管理システムは、グループ会社であるイーオンと共通のものを利用してきた。当初は、このシステムの見直しを検討した。しかし、検討する中で、イーオンとアミティーとで必要な要件が異なっており、システム開発には膨大なコストがかかることが明らかになった」と山﨑氏は話す。

 イーオンとアミティーとは、同じグループ企業だが、その管理業務は大きく異なっている。例えば、生徒から集める授業料。イーオンの場合、一括前納払いとなっているが、アミティーは月払いが主となっている。支払い形式が異なると、生徒管理の方法も変わる。イーオンとアミティーとはこのような違いが多く、それぞれの管理方法を1システムに取り入れようとすると、システムは巨大になり、開発費がかさんでしまうのだ。

「そこで、イーオンとアミティーのそれぞれで、学校システムを構築していこうという議論が持ち上がった。それぞれの要件をわけることで、システム開発費用を削減しようと考えた訳だ」と山﨑氏。

 実際、それぞれが個別に構築した場合の見積もりを取ってみると、コストが大幅に低減されることが分かった。そこで急遽、イーオンとアミティーとでそれぞれ別の学校管理システムを構築することになったのだ。

柔軟性と生産性を両立する「アジャイル」でシステム開発

「アミティー独自の新学校システムでは、不必要な機能を切り落とし、シンプルで使いやすいシステムを目指した。便利だからといって多機能にすると、結果的に、使い勝手が悪くなる。これは、以前のシステムで経験済みだ。紙ベースで学校を管理していた時のように柔軟性に富みつつ、生産性や業務効率を向上するためのシステムが必要だと考えた」と山﨑氏。

 限られた開発期間と予算内でアミティーの求める新学校管理システムを構築できるSIerを探したところ、JBCCに白羽の矢が立った。

 システム開発の現場では、ウォーターフォール型の開発手法で提案することが多い。これは、要件定義や外部設計、内部設計、プログラミング、テストなどの段階を経て開発していくものだ。何度もテストが繰り返されるため、要件定義に則して確実に動作するシステムを構築することができる。しかし、この開発手法では、プロジェクトが長期化してしまい、要件を定義した当時とサービスイン時とではギャップが生まれることが少なくない。この開発手法では、アミティーの要望を満たすことが難しいことはJBCCも気がついていた。

 そこでJBCCは「アジャイル」という開発手法を使ったシステム開発を提案した。「アジャイル」では、必要なシステムから小さい単位で構築していくため、早い段階から設計の不備を修正することも可能だ。そのような特徴から、サービスイン時でのギャップも少ない。アミティーのように、柔軟性とスピード感を重視するケースには適した開発手法といえるだろう。

「JBCCの提案は、システムをすべて一度に作るのではなく、優先順位をつけて順次開発していくというものだ。開発スピードも速く、柔軟性も高い。また、初期投資も抑えることができるというメリットもあった。とても魅力的な提案だった。

今回の新学校管理システムは、アジャイルによる開発を行うことにした」と山﨑氏は振り返る。

サービスイン後も安定稼働今後の導入効果にも期待が大きい

システム開発を受注したJBCCは、今回のシステム開発に、データ構造や入力方法などのルール、帳票や集計などのプロシージャー定義などをあらかじめ指定することで、ノンプログラミングでコードを生成する「GeneXus」(ジェネクサス)を採用した。コードは自動生成されるため、手組みにつきものである人的ミスによる「バグ」も生じない。短期間で高品質のシステム開発を行うために欠かせないツールと言えるだろう。

「GeneXus」で開発した新学校管理システムは、2015年1月にサービスインしており、パイロット校で完全稼働を実施。2015年4月からは全拠点で稼働している。

「GeneXus」で開発した新学校管理システムは、変更や追加が容易で、拡張性も高い。今後のニーズの変化にも十分対応できるものだ。新学校管理システムの評価は高く、「柔軟でありながら生産性・業務効率が高い管理システムを構築できたと考えている」とシステムサポート課リーダーの景山就氏は言う。

 新学校管理システムの開発・導入はスムーズに進み、パイロット校からも好評だという。
 景山氏が在籍しているシステムサポート課は、システム構築や運用、ヘルプデスク業務などITシステム全般にかかわる業務を行っている。景山氏は、20年前のシステム導入時に携わったメンバーから、「サービスイン直後は、〝説明通りに動かない〞といった各学校からのクレームが断続的に続いた」という話を聞いており、相当の業務負担を覚悟していたという。しかし、蓋を開けてみると、新学校管理システムは安定稼働しており、移行は非常にスムーズに進んだのである。

 システムの構築期間は確かに短かったが、品質の高いシステムを構築できたことで、想定外の障害などが発生しなかったのだ。

「各校からは、〝使いやすくなった〞、〝便利になった〞という声が届いている。これまでいくつものシステムを使ってきたのが一元化できたため、業務負荷が軽減されていることが影響しているのだろう」(景山氏)

 新学校管理システムの導入効果は、これからどんどん発揮されていくことになるのだ。

「システムが一元化されることで、情報共有がさらに加速するはず。情報共有の効果については、今から非常に期待している」と山﨑氏は話す。

 経営スピードやシステムの柔軟性、拡張性の高さなどは、多くの企業に共通の課題だ。このような課題を持つ企業にとって、「アジャイル」によるシステム開発は、多くのメリットを享受できるだろう。

 新学校管理システムがサービスインしたことで、開発の初期フェーズは終了した。今回は、本社システムを集中的に開発してきたが、今後のフェーズでは、生徒の学習管理や学習支援、労務・人事管理システムなどを充実させていく予定だという。状況に合わせて柔軟に対応できる新学校管理システムは、アミティーにとって強い武器となっていくことだろう。

2015年4月 Link vol.222 お客様事例より

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超高速開発手法「JBアジャイル」

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