システム開発上流工程を支えるXupperを「分かりやすいモデルを表記できる」と高く評価

明治座は、1873 年(明治6 年)に「喜昇座」として開場した劇場。その後「久松座」「千歳座」と名前を変え、1893 年に"劇聖"の一人、初代市川左團次によって現在の「明治座」へ改称された。関東大震災や東京大空襲の被災による建て替えを経て、1993 年に現在の建物が落成した。
2013 年には創業140 周年を迎え、東京で最も長い歴史を持つ劇場として、伝統文化・エンターテインメント分野への貢献を続けている。
会社名 | 株式会社明治座 様 |
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本社所在地 | 〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町2-31-1 |
設立 | 1950年5月(創業1873年) |
資本金 | 2億円 |
従業員数 | 113人(2017年8月現在) |
事業内容 | 演劇興行、不動産賃貸・管理、ケータリング業 |
URL | https://www.meijiza.co.jp/ |
導入の経緯|業務とシステムのコミュニケーション齟齬によりシステム全体像の共有が難しいことに苦慮
1873 年に開場して以来、東京で最も長い歴史を持つ劇場として親しまれている明治座。同社では、2000 年問題を控えて基幹業務システムを全面刷新した1999 年に、システム開発の上流工程をサポートするJBCC のツール「Xupper」を導入した。当時、Xupper の導入を推進したのが、現在は業務管理室/ IT 戦略室 室長を務める赤 俊哉氏だ。
赤氏は、ソフトウェア開発会社のプログラマーやシステムエンジニアを経験したのち、1992 年に明治座へ入社した。入社当時からIT 部門の責任者として辣腕を振るう赤氏だが、Xupper を導入するきっかけとなったのは、前職での苦労があったからだ。
「下請けプログラマー・システムエンジニアとしてIT 業界の最下層で働き、IT カーストの悲哀を嫌というほど味わいながら数々のSI プロジェクトを経験してきました。その当時で最も苦労したことが『開発しているシステムの意義や目的が分からない』ということでした」
特に赤氏は、多くのSI プロジェクトでは業務プロセスをシステムに落とし込む上流工程に不備があると感じていたという。
「上流工程とは、いわば業務のプロフェッショナルとシステムのプロフェッショナルとの間で相互翻訳作業をしたうえで、開発対象のシステム構想を作り上げる工程です。しかしながら、従来の多くのシステム開発プロジェクトでは、プロジェクトに関わるステークホルダー間のコミュニケーションが十分に図られておらず、システムの姿を分かりやすく共有できていないという課題がありました。この課題を解決し、上流工程の成果物を下流へとよどみなく流すことが、システム開発プロジェクトを成功に導く鍵を握るはずだと常々考えていました」
明治座への入社を機に初めてユーザー企業のIT 部門で働くことになった赤氏は、上流工程をより重視したシステム開発に取り組んだ。その過程で必要性を感じたものが、ステークホルダー間のコミュニケーションを図るためのツールだった。
そうした中、紹介されたのがXupper だったという。
導入のポイント|業務部門とIT 部門の橋渡しに必要な要素が網羅されており、分かりやすいモデリングを実現できると直感した
早速Xupperのデモを見た赤氏は、その場で「これは使える」と感じたという。
「情報システムは、"適切な時に、適切な人が(場所で)、適切な(品質の)情報"を入力することにより、"必要な時に、必要な人(場所)へ、必要な(品質の)情報"を出力するために存在するものです。これを実現するには、システム開発においてアーキテクチャを定義し、定められたアーキテクチャの基盤の上で"データ"と"業務プロセス"、そしてその"交差点"をきちんと管理する必要があります。こうした管理をするために最適なツールがXupper でした」
赤氏によると、Xupper は"データ"をビジネス・業務の静的側面を表す「データモデル」、"業務プロセス"をビジネス・業務の動的側面を表す「BFD(Business Flow Diagram)プロセスモデル」、静的側面と動的側面の"交差点"を「CRUD(Create-Read-Update-Delete)マトリクス」で管理する仕組みになっており、「モデルと交差点を分かりやすく表記できる唯一無二のツールだった」という。
「Xupper のデモを見て、このツールには業務部門とIT 部門の橋渡しに必要な要素がすべて含まれていると感じ、すぐに導入を決めました。とりわけ"分かりやすいモデリング"を実現できると確信したことが、大きな決め手になりました」
こうして明治座では、基幹業務システムの更改に合わせてXupper を適用した。赤氏自身はその後、IT 部門を兼任しながら営業や飲食事業、座席予約管理、BtoC ビジネスといったさまざまな業務を経験しながら自社のビジネスを理解。この間、幕の内弁当を製造する工場において稼働している「手作り仕出し弁当生産管理システム」を構築する際にもXupperを適用したという。
- 上流工程で生じる業務部門とIT部門のコミュニケーションギャップを解消するのに有効なツールであった
- システムにおける「データ」「業務プロセス」およびこれらの「交差点」の管理に最適であった
- 業務部門とIT部門の橋渡しをするための「分かりやすいモデリング」が実現可能であった
- 務部門とIT部門のコミュニケーションギャップがなくなり、開発スピードと品質の向上につながった
- リポジトリーによる影響分析を容易にできるようになった
- 導入してから現在に至るまで、約20年以上にわたり全社の基幹業務システムの基盤として運用中
導入後の効果の詳細・今後の展望は、以下より資料をダウンロードしてご覧ください。
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<著書紹介>
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今回取材にお答えいただいた明治座 赤様は、上流工程に関する書籍を多数執筆されています。事例と合わせて、ぜひお読みください。「だまし絵をかかないための --要件定義のセオリー」(リックテレコム) 赤 俊哉 著ビジネス要求からシステム要件への「最初の入り口」で躓かないための極意を明らかに。業務部門とIT部門の両者をつなぐ必読書。
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