業務に即した販売管理システムをアジャイル開発で実現
EDIで受注し即日出荷する日配ビジネスを支える、業務をスピードアップするシステムへ
株式会社モンテール 様 設立: 1954 年10 月 所在地:埼玉県八潮市大瀬3-1-8 |
導入前の課題 |
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導入後の効果 |
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目次 |
<導入の経緯>メインフレームの制約から最新のIT技術を取り入れられない
「当社では、これまでメインフレームを使って基幹システムを構築し、受発注や出荷管理などをシステム化することで業務の効率化を図っていました」と情報システム部の大山英治氏は言う。
流通業界は、ファクスや紙の帳票などを使って受発注を行うケースが多いが、2000年頃からオンライン取引が本格化。モンテールは、業界に先駆けてオンライン基盤を構築したことで、スーパーやコンビニなどの顧客との直接取引が発展した。
「当社の場合、受注から出荷までのリードタイムが非常に短いという特徴があります。そのため、EDI受注によるオンライン取引がメインです」と情報システム部・次長の奥谷淳史氏は語る。
オンライン取引を行うには、ある程度以上の取引量が必要だ。反対に取引量が少ない場合、小規模メーカーは卸業者を介した取引がメインとなる。
「卸業者を介した取引と比べ、直接取引きの場合、自社製品の良さを直接、量販店に紹介する事ができるメリットがあります。その点からも営業にとっても基幹システムは重要なシステムだということになります」(大山氏)
基幹システムを構築する際、自社の業務に合わせるためにフルスクラッチで開発した。しかし、開発から月日が流れた今、新たな課題も出てきた。メインフレームは制約があるため、「最新のIT技術を取り入れることが難しい」「パフォーマンスが上がらない」「変化が激しいビジネス環境にスピーディーに対応できない」などの課題が次々と表面化してきたのだ。
人材確保という点でも問題があった。
「当社にはCOBOLを使えるエンジニアがいるので、業務アプリケーションの開発や保守という観点では問題はありません。しかし新しいエンジニアの確保が難しいという課題がありました」(奥谷氏)
メインフレームに精通しているエンジニアは年々少なくなっており、採用や育成など人材の確保が難しい。IT人材不足が叫ばれている中、COBOL技術者の確保は年々困難になっているのだ。そのため、運用・保守の属人化や既存システムの引き継ぎが困難という課題を抱えている企業は少なくない。
<導入のポイント>現状分析を実施し、JBCCとモンテールとで新基幹システムを開発
「そこで、メインフレームの保守切れに伴い、オープン化に舵を切ることにしました。これまでもオープン化しようといった検討は行っていましたが、準備に時間が必要だったため、ハードウェアのみをリプレースして延命を図ってきました。今回、メインフレームのハードウェアが終息するという話もあり、将来を見据えてオープン系プラットフォームを採用しました」と大山氏。
基幹システムの開発基盤としてローコードで開発できる超高速開発基盤を検討し、大規模なシステムでも構築できる上、細かいカスタマイズや調整も開発画面上で行えるツール「GeneXus」の採用を決めた。
「開発基盤を選定する上で、様々なセミナーや勉強会に参加し、開発ツールについて調べました。しかしいずれもコード生成後に言語の知識が必要になったり、大規模なシステム開発には適していなかったりと、なかなかいいツールに出会えませんでした。そんな中、見つけたのがGeneXusです」と奥谷氏。
GeneXusは、ローコード開発プラットフォームでプログラムの自動生成を行う開発ツール。業務内容を記述していくだけでデータベースやプログラムなどを自動生成することができる。プロトタイプを素早く作ることができ、機能要件をチェックしながら開発を進められるソリューションである。GeneXusで基幹システム開発することを決めたモンテールが、その開発パートナーとして選んだのがJBCCだ。
「GeneXusで開発できるベンダーは数社ありました。しかし、現在稼働しているシステムがどのような動作をしているのかを確認・検討するための現状分析が行えないケースがほとんど。現状分析のために当社の人員を割くこともできず、頭を抱えていました。そのような中、JBCCさんは現状分析から開発、GeneXus技術の移転についても対応できるということで、お願いすることにしました」(大山氏)。
<導入のプロセス>GeneXusを活用したJBアジャイルで、新基幹システムを開発
開発手法として選んだのはJBアジャイルだ。新基幹システムはJBCCが開発し、帳票についてはモンテール側が開発を担当した。開発を行うことで、GeneXusの技術移転も同時に行うことにしたのだ。 「エンジニアはGeneXusについて2ヶ月ほど勉強したら、ある程度触れるようになりました。帳票についてはJBCCに開発テンプレートを提供していただけたのでスムーズに開発が進みました」と情報システム部 システム開発課 課長代理の内藤信裕氏は振り返る。そうしてモンテールが開発した帳票は数百にも及ぶ。 基幹システムの開発期間は2年間。現状分析やデザイン・要件定義などに1年、プロト開発とプロダクト開発にはそれぞれ半年ずつの時間をかけた。 「2002年にメインフレームでのマイグレーションを実施した際には、開発スケジュールが大きく遅れたことがありました。今回は現場も巻き込んだ形でテストを複数回行っており、本格稼働してもトラブルなくスムーズに使用できています。」(大山氏) 開発手法として用いたJBアジャイルは、要件定義に基づき、実画面を確認しながら開発を進めていく。 |
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「直接、JBCCのセッションリーダーと業務部門とやりとりしてもらったことが大きかったです。業務部門の要件を詳細に吸い上げて、すぐに開発に反映、すぐに業務部門で確認というサイクルにより、認識の齟齬が少なく開発を進めることができました。おかげで画面が見やすくなった、使いやすいと好評です。」(内藤氏)
新基幹システムでは、マスター関連の機能が追加・強化され、一括登録できるようになった。モンテールでは毎月のように新商品や季節商品を開発・発売しているが、それらの登録作業を月に約6時間削減できた。併せて出荷指示では全出荷場所の指示をまとめて出せるよう機能改善したことで月に約60時間の削減を実現したという。
さらに出荷業務も効率化された。同社では、受注の状況を見ながら生産調整を行い、出荷する商品は取引先ごとにカスタマイズした帳票と共に出荷している。
「帳票は取引先ごとに内容が微妙に異なっています。新システムでは出荷指示をかけるとお客様に合わせた帳票を自動的に作成・出力できるため、ベテランでなくても間違うことなく必要な帳票を出力できるようになりました」(内藤氏)
奥谷氏は「GeneXusを使う前は、ローコードツールでどこまでできるのか不安もありました。しかしその不安は杞憂でした。実際に使ってみると、バッチ処理もできますし、データベースからのデータの取り込みについても高いパフォーマンスを発揮しています」とのこと。
プロジェクトでは、ITインフラの更改もJBCCが支援した。
「弊社は、毎日店舗に配送される「日配品」を扱うため、365日稼働し絶対に止まらないシステムが必要です。今回、障害がおきてもパフォーマンスを維持しつつ業務継続できるシステム構成をJBCCのインフラチームの方に設計・ご提案していただき、高い業務継続性を実現した基盤を整備することができたので、安心して利用しています。」(情報システム部 インフラサポート部 課長代理 小関健悟氏)
<今後の展望>柔軟性が高く、自社保守も実現
「今回、基幹システムのオープン化を実現しました。基幹システムとして必要な機能は満たせていると思います。これまでの課題であったサブシステムと基幹システムを一元化したことで二重メンテも解消し、GeneXusで自社保守もできるよう体制も整えました」と奥谷氏。
モンテールでは、現在、生産管理システムの構築を検討している。「そこではGeneXusやJBアジャイルの知見を活用していきたいと思います」と大山氏。
昨今、DXなどの必要性が求められているが、そのためにはデータをきちんとビジネスに活用できる基盤の構築が不可欠となる。モンテールは、メインフレームからオープン系システムへマイグレーションを行ってさまざまな課題を解決しているが、その結果、DXに繋がる取り組みとなった。多くの企業にとって、モンテールの取り組みは参考になる部分も多いだろう。
本日は貴重なお話しをありがとうございました。
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業務に即した販売管理システムをアジャイル開発で実現EDIで受注し即日出荷する日配ビジネスを支える、業務をスピードアップするシステムへ |
JBCC技術者のコメント
競争が激しい業界において、業務に合ったシステムを素早く実現したいと、JBCCの超高速開発を採用いただきました。プロジェクトマネージャーとして、モンテール様のシステム部門、現場部門の方たちの声を聞き、一緒になって作り上げたシステムです。 |
SI事業部 超高速開発センター 大西 倫子 |
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