R-PiCSとkintoneのQanat連携をフル活用!
左から 株式会社AIRMAN 管理部 情報システムグループ 次長 森 靖 氏、管理部 情報システムグループ 情報システム課 主任 丸山 勝久 氏、課長 中川 千広 氏
新潟県燕市に本社を置く株式会社AIRMAN は、世界屈指のシェアを誇る産業・建設機械メーカーだ。AIRMANブランドの象徴であるエンジンコンプレッサは、国内シェア90%、世界シェア第2 位と、圧倒的な存在感を放つ。他にもモータコンプレッサ、エンジン発電機、高所作業車などを手掛けており、確かな信頼を築き上げてきた。
近年では持続可能な社会の実現に向け、次世代技術の開発にも注力。2025年には、水素を燃料とするエンジンコンプレッサや、水素と酸素を化学反応させて発電する燃料電池式発電装置を開発した。様々な取り組みを通じてSDGs の達成を力強く後押しし、世界のインフラを支えている。
| 会社名 | 株式会社AIRMAN 様 |
|---|---|
| 設立 | 1938年5月 |
| 所在地 | 新潟県燕市 |
| 事業内容 | エンジンコンプレッサ、モータコンプレッサ、エンジン発電機、高所作業車などの製造・販売 |
| URL | https://www.airman.co.jp/ |
R-PiCSを核とした「止まらない」生産・販売管理システム
kintone連携で「ブラックボックス化」を解消
導入前の課題と導入後の効果
- 販売管理システムは全てアドオン・カスタマイズで構築されており、開発ベンダーの保守、サポートが困難のため、ブラックボックス化していた
- 夜間バッチが止まるとラインアウト(生産不可)のリスクがあるため、夜間の監視と対応作業を余儀なくされていた
- データ活用環境が整備されておらず、Excelを使った手作業の業務が大量にあった
- R-PiCS V4、kintone、Qanat 2.0でアドオンを回避し、ブラックボックス化を解消
- R-PiCS V4、kintoneの連携で二重入力が解消され、入力負荷が軽減
- R-PiCS V4バージョンアップにより、引当の仕組みが改良され、精度が向上
- R-PiCS V4バージョンアップにより、夜間対応が不要に
- WebReportで欲しい情報をリアルタイムで参照できる環境を整備し、Excel業務を順次廃止へ
「アドオンありき」でシステムがブラックボックス化
かつて同社では販売/生産管理システムに汎用機を利用していたが、パッケージ利用へ転換する方針を固めていた。「エンジニアの人材不足により、従来のシステムをメンテナンスし続けることが困難な状況にありました。これを機に、世の中ではオープン化が進みITツールとしての活用が困難なことからシステムの近代化へ舵を切ることを当時のプロジェクトメンバーで決意しました」と情報システムグループ次長の森靖氏は振り返る。
製品選定において白羽の矢が立ったのが、製造業向け生産管理システム「R-PiCS V3」だった。森氏自身が以前展示会に参加した際にR-PiCSの特性を把握していたがプロジェクト推進に関しては素人の集まりなので導入ベンダー協力のもと製品選定の合宿を行いR-PiCS V3 の生産管理システムと販売管理機能をスクラッチ開発するハイブリットシステムで刷新した。
その後、同社はこのシステムを10 年以上利用してきた。その中で深刻な問題となっていたのが、販売管理システムの保守サポートと生産管理システムのパフォーマンスだ。販売管理システムについては、保守を委託していた開発ベンダーによるサポート継続が困難な状況に陥っていた。スクラッチ開発だったために中身が「ブラックボックス化」しており、他社へのサポート引き継ぎも極めて難しい状態にあった。森氏は「コスト面や人材確保の観点からも、システムの維持管理に大きなリスクを抱えていました」と当時の危機感を振り返る。
また、生産管理システムとして稼働していた「R-PiCS V3」自体も、パフォーマンス低下に苦慮するようになった。同社は順調に生産台数を伸ばしており、1日の発注件数は稼働当初の約8,000件から約13,000件にまで増大。これはR-PiCSユーザーの中でも最上位規模の処理量であり、システムパフォーマンスの向上が急務となっていたのだ。
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課長 中川 千広 氏

情報システム課 課長の中川千広氏は「例えばバッチ処理についても、当初は夕方から翌朝までかかっていましたが業務開始までに終了しない日が増えてきました。トラブルで停止することもあるため、夜間監視と対応作業が必要でした」と語る。
R-PiCSとkintoneのQanat連携をフル活用
このような経緯から、同社は「パッケージを最大限有効活用する」方針を掲げ、生産管理システム、販売管理システムの刷新を検討した。
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次長 森 靖 氏

当初は別製品の導入を進めていたが、結果的に断念せざるをえなかった。製品と自社業務のギャップが大きく、コスト増大が見込まれたためだ。「当社のような個別受注生産にも対応可能と説明を受けて進めていましたが、実際には個別受注に強い製品ではなかったため、膨大なアドオン・カスタマイズが必要だと判明しました」と森氏は語る。
そこで2022 年にR-PiCSのバージョンアップを視野に入れてJBCCに相談した。JBCCは同社の課題を踏まえ、次のような提案を行った。
- 生産管理:R-PiCS V4へのバージョンアップ
- 販売管理:R-PiCS V4のパッケージ機能を利用。営業支援プロセス(案件管理や特注機指示書の作成など)は「kintone」でアプリを開発し、アドオンを最小化
- データ連携:連携ツール「Qanat 2.0」により、R-PiCS V4とkintone間をデータ連携
- データ活用:「WebReport 2.0 smart」の導入により、リアルタイムなデータ集計・照会環境を構築
- BOMの自動化(今後):R-PiCS V4の統合BOMオプション、さらにPDM/PLMシステムを導入することで、製品ライフサイクルを統合
■新基幹システム導入プロジェクトのスコープ
この提案は同社が目指す方向性と一致した。「R-PiCSとkintoneを連携させることで、アドオン・カスタマイズを最小限に抑えられる点に大きなメリットを感じました」と森氏は語る。業務全体を俯瞰した提案が評価され、R-PiCS V4の導入が決定した。
夜間バッチの不安から解放
生産ラインを止めるリスクを大幅に軽減
R-PiCS V4の導入にあたり、同社はプロジェクトチームを発足させた。配下に実務担当者を中心としたワーキングチームを設置し、現場目線での要件定義を推進した。進める中で懸念となったのが、実務担当者からの反発だ。特に運用が大幅に刷新される営業部門においては、抵抗感が生まれると予想された。
そこでプロジェクトを率いた森氏と情報システム課 主任 丸山勝久氏は、運用変更に伴う担当者とのコミュニケーションに心血を注いだ。「単なる押し付けではなく、パッケージの標準機能に合わせることで得られるメリットと、標準化を避けることで生じる将来的なリスクを丁寧に説明し、理解を求めました」と森氏は振り返る。
こうした導入期間を経て、2025年5月にR-PiCS V4の本稼働を開始した。導入効果について、森氏は以下の点を挙げた。
データ不整合解消による運用精度の向上
従来の販売管理システムでは生産管理システムとのデータ連携で不整合が生じるケースがあった。
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主任 丸山 勝久 氏

販売管理システムの導入を推進した丸山 氏は「標準の機能を使うことでデータの不整合が発生しなくなりました」と効果を語る。
また、生産管理システムにおいてもR-PiCS V4にバージョンアップしたことで、在庫の引当精度が改良された。「従来は夜間バッチで生産計画を作成する際に発生していた在庫引当の不整合による発注ミスがなくなりました」(中川氏)。
二重入力の解消
R-PiCS V4とkintoneアプリを連携し、受注確定前のプロセスを統合したことで、二重入力が解消された。「以前は外部システムのワークフローと組み合わせて運用していたため、二重入力が発生していました。現在は一連の業務プロセスをkintoneアプリで統合したことにより、入力負荷がかなり軽減されました」(森氏)。
生産ライン停止のリスクを大幅に低減
R-PiCS V4にバージョンアップしたことによりバッチ処理においてプロジェクト単位で処理可能となり未発注、発注漏れによるラインアウト(生産不可)のリスクを低減できた。生産計画を夜間バッチで実行しているが翌日まで持ち越すことが無くなり、後工程に遅れを発生させることが有ったがシステム入替により改善した。「夜間バッチの処理が失敗すると、生産ライン停止のリスクになります。このリスクを確実に低減することができました」(中川氏)。
データ活用の広がり
WebReportの整備を段階的に進めており、さらなる効果を見込んでいる。従来は生産管理システム、販売管理システムのデータを直接参照できなかったため、300を超える Excel ファイルでデータベースへ直接接続する手法が取られていた。「こうした Excel ファイルは全てWebReportに移行する予定です。今後はさらに活用範囲が広がると期待しています」(森氏)。
今回の基幹システム刷新について、経営層はどのように評価しているのか。同社が最も重視した方針のひとつが、「パッケージを最大限有効活用する」という点だ。
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執行役員 笠輪 信彦 氏

プロジェクトリーダーである執行役員の笠輪 信彦 氏は、「可能な限り業務運用・スキームをパッケージに合わせることで、業務効率が向上したことに加え、標準化・可視化が進み、ガバナンスやリスク面でも確かな効果が生まれました。コストについても、当初導入を進めていた製品と比較すると大幅に抑えられています」と評価する。
R-PiCS V4とkintoneをQanat 2.0で高度に連携し、営業支援プロセス全体を効率化した事例は、これまでに類を見ない取り組みだ。基幹システム周辺業務の非効率性を解消するひとつのモデルケースとなるだろう。
R-PiCS V4を中核に、全体最適化へ加速
今後は、PDM(製品情報管理)およびPLM(製品ライフサイクル管理)の導入を予定している。設計開発と生産を高度に統合することで、さらなる業務効率化を図る構えだ。同時に、R-PiCS V4をグループ各社へ順次展開していく計画も進んでいる。
R-PiCS V3の時代から同社の業務を知り尽くしているJBCCに対し、寄せる期待は大きい。森氏は「広範な分野において、当社の成長を加速させるソリューションを積極的に提案してほしいです」と語る。
R-PiCS V4の導入はゴールではなく、目指すべき全体最適への過程に過ぎない。笠輪氏は、「今回のプロジェクトが、今後の事業成長を支える強固な基盤の構築につながる手応えを感じています」と締めくくった。
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R-PiCSとkintoneのQANAT連携をフル活用!
株式会社AIRMAN様事例
本事例では、10年以上利用してきた生産・販売管理システムのブラックボックス化、保守継続リスク、パフォーマンス低下といった課題に対し、自社が強みとする個別受注生産に対応可能で、維持管理性に優れたパッケージ製品であるR-PiCS V4を中核とした基幹システム刷新に取り組んだ事例をご紹介しています。
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