EPPとEDRを統合し、マネージドサービスで最適防御を実現

イオンペット株式会社は、イオングループのペット専門企業として千葉に本社を構え、全国約195 店舗を運営するペット関連事業のリーディングカンパニーだ。ペットフード・用品の小売に加え、トリミングサロン、ペットホテル、動物病院までを一体展開し、ペットと飼い主のライフステージ全般をワンストップでサポート。独自のポイントプログラムと顧客データ活用によって、利便性の高いサービスを実現し、DXやデジタル技術を取り入れた顧客体験の向上にも注力している。今後は多層防御技術の強化やデータ分析基盤の拡充を通じて、セキュリティとビジネス成長の両立を目指す。
会社名 | イオンペット株式会社 様 |
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設立 | 1998 年7 月10 日 |
所在地 | 千葉県市川市南八幡4 丁目17-8 Jプロ本八幡ビル1 階 |
URL | https://www.aeonpet.com/ |
エンドポイントセキュリティを統合型プラットフォームとトータル運用支援で刷新し、最適なセキュリティ体制を構築 導入前の課題と導入後の効果
- エンドポイント保護(EPP)と検知・対応(EDR)を別製品・別コンソールで運用していたため、管理が煩雑化し原因特定が困難
- ランサムウェア疑いなどのインシデント対応に多くの時間を要し、システム担当者の運用負荷が急増
- 日常運用に多くのリソースを割いており、DX 推進や新サービス開発に必要なリソース・時間の確保が困難
- インシデント発生から初動対応・原因究明までのリードタイムが大幅に短縮
- EPPとEDRを統合し、マネージドサービスを含めて3割のコスト削減を実現
- 24時間365日日本語対応SOCと専任SEによるワンストップ支援で運用負荷を大幅に軽減
システム部門の役割と挑戦 導入の経緯
イオンペットの多様な事業領域を支える情報システム部門は、クラウド環境構築、ネットワーク設計、インフラ自動化、データ連携など多岐にわたる技術を専門とするプロフェッショナル集団だ。各メンバーが自らの技術力を企業価値創出に直結させることを強く意識し、最新技術の検証や業務アプリケーション開発にも積極的に取り組んでいる。
このようなDX推進の中核を担う彼らには、技術者としての強い使命感がある。平井氏は「IT部門としては、ペットと飼い主を支える安心基盤を自らの手で築き上げたいという強い思いがありました」とその想いを語る。
しかし、そんな意欲的な組織にも課題があった。高度なセキュリティ対応が求められる中、部門内に専任の専門家が不在であったため、体制の整備に苦慮していたのだ。同社は、既存のEDR 製品のリプレースを契機にセキュリティ体制の抜本的な見直しを開始した。
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佐藤 氏
既存のセキュリティ環境では、エンドポイント保護(EPP)と検知・対応(EDR)をそれぞれ異なる製品で導入し、専用コンソールで個別にログを管理していた。そのため、インシデント発生時には両製品のログを手作業で突合し、状況全体を把握するまでに膨大な時間を費やすという問題を抱えていたのだ。佐藤氏は「ログを一元化できず、夜通し解析する日々は現場にも大きな負担でした」と、当時の状況を振り返る。
この運用負荷の深刻さは、実際のインシデントで露呈した。ランサムウェアの疑いが生じたケースでは、自社メンバーが膨大な時間をかけてログ解析を行ったものの、事象の全容を把握できたのは発覚から約1ヶ月後だった。実際に被害はなかったものの、被害状況の把握や情報漏えいの有無の確認に時間を要すると、店舗運営に深刻な影響は避けられない。
この苦い経験から、社内では「運用体制こそがセキュリティの要」である認識が共有された。そこで、EDR のリプレースにあたっては単なる機能比較ではなく、運用負荷を最小限に抑えながら、安心してベンダーに任せられる支援体制の構築を重視する方針となった。同社は市場調査とベンダー比較検証に数ヶ月を投じ、複数のPoC を経て製品とマネージドサービスの最適な組み合わせを模索するプロセスを踏んだ。
成功の鍵は、導入後の「運用」 導入のプロセス
本プロジェクトの最大のテーマは、運用負荷をいかに軽減し、「導入後の運用」を円滑に移行できるかだった。同社が重視したポイントは大きく3つある。
まず、エンドポイントエージェントの導入にあたっては、既存の業務端末への影響を最小限に抑え、インパクトの少ないアップデート手順を重視した。次に、専任SE の支援と24 時間365 日の日本語サポートを行うSOC を組み合わせたJBCCのマネージドサービスにより、障害切り分けやフォレンジック調査をワンストップで委ねられる体制を構築した。さらに、月次レポートのフォーマットは社内各部署へ迅速に展開できるよう日本語で要点を整理し、ダッシュボード上でインシデント傾向や検出ルールの効果を可視化した。
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平井 氏
これらのポイントを押さえたことで、導入後の担当者教育や定例レビューの工数を大幅に削減し、短期間で安定的な運用フェーズへと移行することに成功した。平井氏は「運用に最適化された提案が、導入成功の決め手でした」とプロジェクトの成果を振り返る。
対応時間の短縮と自動化 導入後の効果

その成果は、導入後の運用状況に顕著に現れている。Palo Alto Networks 社のCortex XDR とJBCCのマネージドサービスの併用により、イオンペットのセキュリティ運用は運用効率と対応力の両面で飛躍的に向上した。
まずEPP とEDR を統合したXDR プラットフォームの導入により、煩雑だったログ照合が不要に。さらに、JBCCのSOC による運用支援で、インシデント発生から初動対応・原因把握までの時間が約1ヶ月から大幅に短縮された。
コスト面でも大きな改善が見られた。個別契約していたEPP とEDR のライセンスを統合版へ一本化したことで年間ライセンス費用を削減。さらに、JBCCの24 時間365 日対応の日本語SOC および専任SE による手厚いサポートを活用した結果、社内メンバーが担っていた一次対応やフォレンジック調査といった運用工数が大幅に削減された。情報システム部門は日常の障害対応から解放されるとともに、DX 推進や顧客データプラットフォーム(CDP)構築などにより付加価値の高い業務へのリソース再配分が可能になったという。
平井氏と佐藤氏は、今回の導入を総括して、他社製品を大きくリードする検出・防御性能、要点を日本語で整理した運用レポートの分かりやすさ、EPP とEDR の統合による品質向上とコスト最適化、深夜休日も含めた万全のSOC 対応体制、そして自社固有のネットワーク構成や業務フローを理解したうえでの柔軟な提案力――これらの要素が相乗的に働いたことを評価している。「単なる製品導入」ではなく「運用まで見据えた提案・実装」が、安心・安全な店舗運営を支える基盤となったのだ。
多層防御とデータ活用の高度化 今後の展望
こうした成功を土台に、イオンペットは次のステップに向けて歩みを進めている。Cortex XDR とJBCCのマネージドサービスを基盤として、さらなるセキュリティ強化とデータ活用の高度化を推進する計画だ。
まず、NDR(ネットワーク検知・対応)やクラウド環境の利用状況可視化機能を組み合わせた多層防御を強化し、未知の脅威に対する検知精度を一段と高める予定である。
同時に、運用負荷削減によって確保された人的リソースを新たな価値創出に活用する。ログや稼働データをもとに顧客行動や売上情報と組み合わせて分析することで、業務改善や新たなサービス開発へとつなげ、データ活用の幅を広げていく。
平井氏は、今後の展望について「JBCCの支援でセキュリティ体制を整えたことで、事業データを安全につなぎ、より深い顧客理解が可能となります。今後はデータ活用を軸に、ペットのライフスタイル全体を支えるサービスを展開していきます」と締めくくった。
JBCC担当者のコメント

【担当営業より】
当案件では、お客様が課題として挙げていた「運用負荷の軽減」に対し、日常の運用だけでなく、インシデント発生時にも担当SEとSOCが連携する体制により、従来のSOCよりも安心感を持っていただけたことが、採用の決め手となりました。
今後は、JBCCとしてお客様と伴走しながら、セキュリティ対策の全体最適化をご支援してまいります。
「セキュリティ対策をどこから始めればよいかわからない」「日常運用からインシデント対応まで、すべて任せたい」といったご要望がございましたら、ぜひJBCCまでお気軽にお問い合わせください。
第一事業部第一営業部
三浦 拓也 (写真左)
【担当SEより】
従来の運用で課題となっていた手動対応の多さや管理の煩雑さを、JBCCのマネージドサービスと統合的な管理基盤を活用いただくことで大幅に軽減できました。
お客様環境を理解した専任のSEとして、今後も継続的な運用支援・サポートをしてまいります。
イオンペット様が安心して事業の成長と拡大に加速していけるよう、お客様と伴走しながら最適なセキュリティ対策支援をしてまいります。
セキュリティサービス事業部セキュリティ技術本部
押田 遼 (写真右から2番目)
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