クラウドサービス(IaaS)の障害発生時、OS・ミドルウェア・アプリケーション・データはユーザー側の責任範囲となります。Power Virtual Server(PowerVS)の責任範囲も同様です。ここではPowerVSのシステムやデータを保全するバックアップ方法をご紹介します。また、PowerVSをオンプレPowerの災対機として利用する例をご紹介します。
PowerVSのバックアップ方法:システム全体
システム全体のバックアップ:イメージバックアップ
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PowerVSのバックアップはイメージのExport機能を利用します。
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Export機能はIBM Cloud Portal、もしくはCLIから利用することができます。
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Export先としてImage Catalog、もしくはIBM Cloud Object Storage(ICOS)を選択することができます。
システム全体のバックアップ:リストアについて
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IBM Cloud Object Storage(ICOS)にExportしたイメージを、既存インスタンスに直接リストアすることはできません。
リストアする際には、一旦 IBM Cloud Object Storage(ICOS)からImage CatalogにImportした後、Image Catalogから該当イメージを選択して「別サーバー」(破損したインスタンスは利用できないので別インスタンスを注文)に戻します。
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ICOS、Image Catalogは使用サイズに応じて別途課金となります。
PowerVSのバックアップ方法:日時バックアップ
日時バックアップ環境を選択できます
バックアップ環境 | IBM i Cloud Object Storage (ICOS)バックアップ環境 | FalconStorSafe VTLバックアップ環境 |
メリット |
非常に安価で、高い可用性 |
Virtual Tape Library(VTL)を構成し、テープへのバックアップ運用の継続 |
ソリューション特徴 |
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イメージ |
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IBM i Cloud Object Storage (ICOS)バックアップ詳細
バックアップソリューション:IBM Cloud Storage Solution for i を利用
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IBM i のIFS上のオブジェクトの転送機能(送受信)を提供
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Power Systems Virtual Server ではオプションライセンスとして選択可能
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OSの仮想テープ装置でD2Dバックアップし、IFS上のテープイメージをIBM Cloud Object Storage(ICOS)に転送してバックアップデータを保管
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既存の物理テープへのバックアップ運用プログラムの流用が可能
FalconStor VTLバックアップ詳細
バックアップソリューション:ソフトウェア・ベースのVirtual Tape Library(VTL)であるFalconStorSafeを利用
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- ・FalconStorSafeは、VTL(Virtual Tape Library)機能として、テープライブラリ装置のバックアップ先としてのNAS領域保管となります
- ・FalconStorSafeの重複排除機能は、バックアップ時間に影響を与えることなく、重複するデータを排除します。
バックアップデータを30:1に削減し、ストレージ容量とレプリケーション時間を少なくします。
- ・レプリケーション機能により、遠隔地やクラウド上のFalconStorにバックアップデータをレプリケーションすることができます。
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- ▶バックアップ実行中にデータを分析し、ユニーク(重複無し)データとVIT(Virtual Index Tape)がストレージに保管されます。
- 例えば毎日新しいテープへフルバックアップした場合、日々更新・追加されたユニークデータとVITのみストレージへ蓄積されるため、ストレージ容量を大幅に抑えることが可能です。
- ▶復元時は重複排除前の元データに戻しながら復元します。
- 復元時は重複排除機能を意識する必要はありません。バックアップした時のテープの内容がすべて揃った状態で復元します。
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PowerVSでの災対&バックアップ事例
オンプレマシン2台構成の災対機をPowerVSに移行する