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AWSのコストは最適化で抑えられる!AWSの料金体系と削減のコツ

公開日 : 2023年08月04日
更新日 : 2024年03月29日

Amazonが提供するクラウドサービス「AWS」。信頼性と拡張性の高さから多くの企業で採用され、Canalysの調査によると2023年第2四半期のクラウドインフラのシェアにおいて1位を獲得しています。
そんなAWSですが、従量制課金のため、最適化を行わないとコストが嵩みがちという問題があります。ただ、効果的な最適化を行うことで、コストを抑えることは可能です。本記事ではAWSの料金体系と、コスト削減のコツについてご紹介します。

AWSのコストは最適化で抑えられる!AWSの料金体系と削減のコツ

目次

  1. AWSの料金体系
  2. AWS料金の確認方法
  3. AWSのコストを最適化する方法
  4. AWSのコストを抑えるための注意点
  5. まとめ

1. AWSの料金体系

AWSには非常に多くのサービスがあり、それらを組み合わせて利用します。まずは、AWSの基本的な料金体系について知っておきましょう。
なお、日本円の価格は2024年2月26日のレートで計算しています。

基本料金

AWSには、毎月かかる「基本料金」はありません。AWSで利用できるほとんどのサービスは「従量課金制」を採用しており、毎月決まった基本料を支払うのではなく、サービスを利用した分だけ料金がかかる仕組みとなっています。サービスの契約・解約は好きなときに自由に行え、解約に手数料がかかることもありません。
AWSがこうした料金体系になっているのは、時代の変化に柔軟に対応するためです。変化が速い現代市場に対応するためには、企業側も利用するサービスを常に変化させ、ニーズに応える必要があります。従量制課金であれば必要なサービスを必要なときだけ利用できるため、変化に強いシステムとなります。
またAWSには1年、または3年単位の利用をコミットする代わりに使用量が安くなる「Savings Plans」があります。こちらのプランでは、通常の料金よりも最大72%のコストカットが可能です。

インスタンス料金

AWSのインスタンス料金は、利用した時間を基本とし、vCPU、メモリやストレージ、パフォーマンスなどで決まります。
最もメジャーなインスタンスである「Amazon EC2」は、1秒ごとに課金され、最小課金時間は60秒。メモリやストレージの違う豊富なインスタンスタイプが用意されており、選ぶインスタンスタイプによって金額は大きく変わります。
例えば、ストレージもメモリも小さい「t4g.nano」であれば、1時間0.63円で利用可能です。一方、ある程度のメモリやストレージ、パフォーマンスを確保した「m5.xlarge」は、1時間 28.88 円かかります。

EBSボリューム料金

EBSボリューム料金は、プロビジョニングした容量によって料金が計算され、月単位で支払う方式です。「Amazon EBS」には以下4つのボリュームタイプがあり、料金も違います。利用目的によって使い分けると良いでしょう。

・汎用SSD

何にでも使える汎用性の高いストレージで、料金は1GBにつき12.04 円です。IOPSや秒あたりのデータ量が無料分を超えた場合、別途加算されることがあります。

・プロビジョンド

プロビジョンドは、汎用性SSDよりも高性能なEBSです。ボリュームあたりの最大IOPSが256,000(io2 Block Expressの場合)と、汎用性SSDの16倍の性能となっています。
高性能な分、価格は割高で、1GBあたり18.80円です。こちらもIOPSで料金が加算される場合があります。

・スループット最適化HDD

スループット最適化HDDは、ビッグデータの解析やログの処理などに向いたEBSです。ボリュームあたりの最大IOPSは500と低めですが、処理能力に優れています。価格は1GBで6.77 円です。

・Cold HDD

Cold HDDは、バックアップデータやログの保管に適したEBSです。ボリュームあたりの最大IOPSは250と、データのインプット・アウトプットには向いていません。ただし、価格は1GBあたり2.26円と格安で「データを置いておくだけ」に適しています。

データ転送料金

AWSのデータ転送料金は、転送した量やリージョン応じて加算される仕組みです。例えば「Amazon S3」では、月に転送するデータ量が多いほど単価が低くなります。

  • 最初の10TB:1GBにつき17.16円
  • 次の40TB:1GBにつき13.40円
  • 次の100TB:1GBにつき12.95円
  • 150TB以上:1GBにつき12.65円

ただしAmazon S3は、AWSのサービス内での転送やインターネットからAWSにデータを転送する場合(受信)は無料です。また、毎月100GBはインターネットへのデータ転送が無料で行えます。

その他の料金

AWSは基本的にサービスの利用料金のみで、それ以外の費用はかかりません。ただし、AWSの構築や運用を外部委託する場合には、そのための料金がかかります。基本的には、初期費用と月額費用が必要です

2. AWS料金の確認方法

AWSは従量制課金のため、利用してみなければ実際の料金は分かりません。しかし、利用前にある程度の価格を知っておきたいという方も多いと思います。ここでは利用前と利用後両方の、AWS料金の確認方法をご紹介します。

利用前は「AWS料金見積りツール(AWS Pricing Calculator)」を利用する

AWS利用前に料金を確認したい場合には「AWS料金見積りツール(AWS Pricing Calculator)」が便利です。AWS料金見積りツールでは、サービスとその内容を設定することで、おおよその料金を割り出してくれます。公式ツールのため、見積金額が非常に正確です。
例えばAmazon EC2の料金を知りたい場合、サービスにAmazon EC2を設定。テナンシーやOS、ワークロード、インスタンス、オプションを選択・入力することで、前払いコスト、1ヶ月のコスト、1年間のコストを計算できます。

AWS Pricing Calculator

利用後は「Billing and Cost Management コンソール」で確認

AWS利用開始後は、料金を「Billing and Cost Management コンソール」で確認できます。
サインイン後、Billing and Cost Management コンソールを開き、ナビゲーションペインで 「Bills(請求書)」を選択。その後「請求期間」を選ぶと、請求の要約が表示されます。

3. AWSのコストを最適化する方法

AWSのコストを抑えるには

AWSの利用で想定よりもコストが嵩まないようにするためには、AWSのコストを最適化することが大切です。ここからはAWSのコストを最適化する方法をご紹介します。

不要なリソースを削除する

AWSのコストが嵩む場合には、まず不要なリソースを削除しましょう。未使用のサービスを解約することはもちろん、容量が余っている場合には、インスタンスを変更して適切な容量にするのも効果的です。
また、夜間や休日などAWSを利用しない日時がある場合には、インスタンスを停止することでもコストを削減できます。実際にAWSでは、金曜日の18時から月曜日の6時までインスタンスを停止すれば、同時刻に稼働している場合と比較して最大35%のコスト削減が可能としています。Amazon EC2なら「AWS Instance Scheduler」を利用して、開始時刻と停止時刻を自動化することが可能です。

オートスケーリングを活用する

AWSのコストを最適化するなら、オートスケーリングを活用しましょう。オートスケーリングは、Amazon EC2などのモニタリングを行い、過剰な容量の削除や、不足する容量の増加などを自動で行うサービスです。過度の利用や容量不足を防ぐために、非常に便利です。
例えば100GBの契約をしていたのに、普段は50GBしか使用しない場合、50GB分の費用を無駄に支払っていることになります。このような場合、オートスケーリングを活用すれば、自動で50GBに調整します。逆に利用が多くなる場合には、自動で容量を増加させます。インスタンスの最小値と最大値は設定可能で、設定した容量以上の増減はしません。
オートスケーリングの利用は無料で、追加料金などはかかりません。活用することで、適切なコストでAWSを運用できるでしょう。

リザーブドインスタンスを利用する

リザーブドインスタンスを利用するのも、AWSのコスト最適化に役立ちます。リザーブドインスタンスとは、利用するインスタンスなどを指定し、1年もしくは3年の利用をコミットする代わりに、大幅な値引きが可能になるサービスです。先述したSavings Plansと似ていますが、Savings Plansでは1時間あたりの利用料をコミットするのに対し、リザーブドインスタンスは利用するインスタンスをコミットするという違いがあります。
リザーブドインスタンスを利用すると、オンデマンド料金と比較して最大72%のコスト削減が期待できます。プランは「スタンダード」と「コンバーティブル」があり、スタンダードは最大72%割引の適用、コンバーティブルは最大54%の割引ですが、OSなどの変更が可能です。
JBCCでは、お客様の利用状況に応じてコミットする年数を決定し、最適化を行います。

タグ付けを活用する

AWSのコストを最適化するには、タグ付けを活用しましょう。タグ付けをしておくことで、タグ別にコストやリソースを管理できます。
コスト管理の場合は、コスト配分タグを活用すると便利です。コスト配分タグは、コストをタグ別に分類する際に利用されるタグのことで、設定しておくことでコストがかかっている環境や部署などを明確にします。
例えば、同じインスタンスを複数の部署で利用していた場合でも、タグに部署や利用目的などを設定しておくことで、どの部署でどのくらい利用されているのかを把握できます。把握した上で、コスト削減の必要性や戦略などを検討すると良いでしょう。

継続して最適化していく

AWSのコスト最適化のためには、最適化を継続していくことが非常に大切です。AWSの従量制課金は、時代に合わせて企業が利用するサービスを継続的に変更していくためのものです。先述した不要なリソースの削除やオートスケーリングの活用などを行って、常に最適化をしていきましょう。
継続して最適化を行うには、まずコストを可視化する必要があります。「AWS Cost Explorer」を利用すれば、現状のコストの把握はもちろん、これから必要となるコストの予測も可能です。

アラート機能を使う

AWSのコストが予想以上に増えてしまわないか心配な場合は「請求アラート」を利用しましょう。請求アラートとは、AWSの請求額が設定した金額を超えた場合に通知してくれる機能のことです。使用量に対する金額が分かりますし、アラート以降は使用を控えれば、コストが嵩むのを防げます。
アラート機能を利用するには、アラートの有効化とアラームの作成をしておく必要があります。詳細な設定の方法は、下記をご覧ください。

AWS の予想請求額をモニタリングする請求アラームの作成

プロに相談する

AWSのコスト最適化は、自社で行うことも可能です。しかしAWSに精通した人材がいなければコストの最適化は不可能ですし、いたとしても業務の傍らで効果的なコスト最適化をしていくのは難しいでしょう。
もし自社でのコスト最適化が難しいと判断した場合には、ITベンダーなどのプロに相談するのも効果的な方法です。
JBCCでは無料のクラウド相談会を開催し、AWS最適化に関するご相談を受け付けています。クラウド相談会とクラウド移行コンサルテーションサービスを通じて、お客様の環境やニーズを把握し、運用までのロードマップを策定。その後、クラウド運用サービスとクラウドベンダーの提供するリソースがセットになった「EcoOne」にて、お客様に合わせたAWSの構築と運用を行っていきます。「コスト削減」と「運用負担削減」を同時に叶えます。

【01 ご相談のお申し込み】 クラウド(IaaS)相談会

【02 クラウド化の調査と計画】 クラウド移行コンサルテーションサービス

【03 導入と運用改善】 EcoOne

4.AWSのコストを抑えるための注意点

AWSのコストを抑えるためには、先述したような方法が有効ですが、注意しなければならない点があります。ここからは、AWSのコストを抑える際の注意点をご紹介します。

リザーブドインスタンスは途中解約できない

AWSのコストを抑えるのに効果的なリザーブドインスタンスですが、一度購入したら途中解約はできません。仮に使用を止めても、コミットした期間中は料金を支払い続ける必要があります。リザーブドインスタンスの検討は慎重に行いましょう。

リクエストに料金がかかる

Amazon S3などのストレージタイプのサービスでは、リクエストに料金がかかります。1度のリクエストにかかる費用は微々たる金額ですが、オンプレミス時と同様にアクセスを繰り返していると、リクエストの料金が予想以上にかかる場合があります。
事前にリクエスト数を予測し、あらかじめ予算に組み込んでおくなどの対策が必要です。

5.まとめ

AWSのコストは最適化を行うことで、効果的な削減が可能です。運用は自社で行うことも可能ですが、AWSの知見がない企業や効果的なコスト削減に不安がある企業は、プロに相談して運用を任せるのが良いでしょう。
JBCCは、600社を超えるお客様のアセスメントの実績を持ち、コスト削減と運用負担削減の両方を実現するサービスを提供しています。実際に弊社のサポート受けて、クラウドコストを30%削減した事例が複数ございます。
事例については見逃し配信を行っておりますので、下記よりお申し込みください。

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JBCC株式会社は、企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を支援するITサービス企業です。クラウドサービスを中心にシステムの設計から構築、運用までを一貫して手掛けており、クラウド 2,150社、超高速開発による基幹システム構築 460社、セキュリティ 1,100社の実績があります。
お客様の環境に合わせた最適なITシステムを、クラウド、超高速開発、セキュリティ、データ連携等を活用し、企業のDX実現と経営変革に貢献します。

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EcoOneは、Amazon Web Services,Inc社、日本マイクロソフト株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社が提供する高セキュリティなクラウド基盤を複雑な手続きなし、専門の技術知識不要でご利用頂けるように、JBCCにてクラウド設計から運用までトータルにご提供するサービスです。

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2023/06/21 (水)

昨今 クラウド移行などで利活用が進む中、同時にクラウドの維持コストに関する見直しの相談を多くいただいております。 JBCCでは、クラウド移行を始め、600社を超えるお客様のアセスメントの実績から、すでにクラウド利用中のお客様環境の最適化も行うことで、一過性の削減対応だけでなく、それを継続的に見直すためのサポートもサービス提供しております。 本セミナーでは本格的にAWSをお使いの企業に向けて、30%削減した事例とともに、削減にいたるまでのプロセスをご紹介します。 特に月額100万円以上 ご利用中の企業にとっては、大きな削減効果をもたらすことが見込めますので、ぜひ ご視聴ください。