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Microsoft Power Appsとは?できることや注意点を解説

公開日 : 2023年11月08日
更新日 : 2024年03月29日

Microsoft Power Appsとは、高度な知識やノウハウがなくてもアプリを作成できるローコード開発ツールです。Microsoft社が提供するPower Platformのサービスのひとつで、自社の課題解決につながる業務アプリの作成を内製化できます。

Microsoft 365のライセンスを保持していれば、Microsoft Teamsなどほかのツールと同様、Microsoft Power Appsの利用がすぐに可能です。Microsoft Power Appsを活用するとアプリ作成にかかる時間やコストを抑えられるなど、多くのメリットがあります。

本記事では、Microsoft Power Appsの概要やできること、使い方や注意点まで解説します。Microsoft Power Appsの導入や活用を検討している際は、ぜひ参考にしてください。

Microsoft Power Appsとは?できることや注意点を解説

目次

  1. Microsoft Power Appsとは 
    1. 利用できるライセンスプラン
  2. Microsoft Power Appsでできること 
    1. 専門知識やノウハウがなくても業務アプリを作成できる
    2. 業務アプリ作成にかかるコストを抑えられる
    3. 短期間で業務アプリを作成できる
    4. AIを業務アプリに組み込める
    5. Microsoft製品と高い親和性があり連携しやすい
    6. 作成できる業務アプリの例
  3. Microsoft Power Appsの注意点 
    1. ライセンスプランが複雑で理解が難しい
    2. デザインを自由に変更できない
  4. まとめ

1. Microsoft Power Appsとは

Microsoft Power Appsとは、プログラミングの高度な知識がなくてもローコーディングでビジネスアプリを作成できるツールのことです。最低限の知識だけでアプリケーションを素早く開発できるため、注目されています。

Microsoft Power Appsは、Microsoft社が提供する「Power Platform」のサービスのひとつです。Power PlatformにはPower Appsだけでなく、Power BI、Power Automate、Power Virtual Agents、Power Pagesがあります。

各サービスの概要は、次のとおりです。

Microsoft Power Platform

Power Apps

業務アプリを内製化できるローコード開発ツール

Power Automate

業務プロセスを自動化できるツール

Power Virtual Agents

高度なチャットボットを作成できるツール

Power BI

収集したデータを可視化して分析するツール

Power Pages

ローコード/ノーコードでWebサイトを作成できるツール


Microsoft Power Platformを活用することで、アプリ開発やデータ分析のサイクルが迅速化します。Power Appsは、Power Platformのなかでローコーディングアプリ開発を担います。

ローコード開発ツールについて、以下の記事をあわせてご覧ください。

【関連記事】最低限のプログラミングでアプリケーションを開発 「ローコード開発ツール」徹底比較

利用できるライセンスプラン

2023年10月時点において、Microsoft Power Appsが利用できるライセンスプランは次のとおりです。

ライセンスプラン名と機能

一部のMicrosoft 365(Office 365)ライセンス

・無制限にアプリの実行が可能

・カスタムアプリ内でワークフローの実行が可能

一部のDynamics 365 Professional
/Enterpriseライセンス

・Dunamics 365アプリと同じ環境内でアプリの実行が可能

・カスタムアプリ内でワークフローの実行が可能

Power Apps Premium

・無制限にアプリの実行が可能

・カスタムアプリ内でワークフローの実行が可能

Power Apps per app

・1つのアプリまたは1つのWebサイトの実行が可能

・カスタムアプリ内でワークフローの実行が可能

Power Apps per app メーター

・1つのアプリの実行が可能

・カスタムアプリ内でワークフローの実行が可能

Microsoft 365ライセンスがあれば利用できるので、すでに導入している企業は活用してみてください。

2. Microsoft Power Appsでできること

Microsoft Power Appsでできること

続いて、Microsoft Power Appsを使ってできることを紹介します。

専門知識やノウハウがなくても業務アプリを作成できる

ローコード 開発基盤のため、プログラミングなどの専門知識やノウハウがなくても業務アプリを容易に作成できます。専門的な開発環境も必要なく、Webブラウザから使用できる点も特長のひとつです。

Microsoft PowerPointやExcelの操作感と似ているため、普段から業務で利用していて一定のITリテラシーがあれば抵抗なく利用できます。

社内担当者がアプリ開発に携わることでITリテラシーが向上し、アプリ開発の内製化を促進できるでしょう。

業務アプリ作成にかかるコストを抑えられる

Microsoft Power Appsを活用すると、業務アプリ作成にかかるコストを抑えられます。

通常、業務アプリの内製化が難しい場合は、システム開発を外部委託しなければなりません。また内製でゼロから業務アプリを開発する場合では、相応の工数やリソースが必要です。

その点Microsoft Power Appsなら、Microsoft 365などのライセンス契約費用だけで、業務アプリを社内で効率的に作成できます。

短期間で業務アプリを作成できる

通常のアプリ開発に比べ、Microsoft Power Appsでは短期間で業務アプリを作成できます。ドラッグ&ドロップで簡単に操作でき、テンプレートを使用すれば素早く完成させられるからです。

また業務アプリ開発を外部委託する場合、複数の社内関係者から承認を得る必要があり、実際に使えるようになるまで時間がかかってしまいます。

しかしMicrosoft Power Appsなら現場の担当者がアプリを作成するため、意思決定に時間が取られにくい点もメリットです。

AIを業務アプリに組み込める

AI Builderを使うと、Microsoft Power Appsで作成した業務アプリにAI機能を簡単に取り入れられます。AI BuilderはMicrosoft Power Platformで使用できる機能のひとつで、AIモデルの開発経験がなくてもビジネス上の課題に適したAIが利用できます。

AI Builderでは、たとえば以下のAIモデルを選択して使用可能です。

  • 請求書や領収書、名刺、ドキュメントなどから情報を抽出するAIモデル
  • テキストデータ内の感情を検出するAIモデル
  • 顧客からのフィードバックをカテゴリに分類するAIモデル
  • 履歴データから将来の結果を予測するAIモデル

業務アプリにAIを搭載すると、業務プロセスの効率化や自動化が促進され、生産性向上が期待できます。

Microsoft製品と高い親和性があり連携しやすい

Microsoft社が提供するPower Appsは、さまざまなデータソースと連携でき、当然ながらMicrosoft製品と高い親和性があります。

たとえば、ExcelデータをMicrosoft Power Appsで作成した業務アプリに取り込んだり、業務アプリに蓄積されたデータをWordの報告書として出力したりできます。

すでに日々の業務でMicrosoft 365を使用している場合、Microsoft Power Appsを活用すると業務効率化につながるためおすすめです。

作成できる業務アプリの例

Microsoft Power Appsでは、主に業務で使用するアプリを簡単に作成できます。どのような業務アプリを作成できるか、JBCCがサポートしたお客様の事例を紹介します。

事例①QRスキャンアプリの開発で機器の管理工数を削減

事例①QRスキャンアプリの開発で機器の管理工数を削減
テレワークの実施で使用する機器の台数が増えたことで、管理業務が煩雑になっていた企業では、Microsoft Power AppsでQRスキャンアプリを開発。QRコードを読み取るだけで機器の識別ができ、管理工数の削減につながりました。

事例②請求情報管理アプリの開発と自動化ツールで請求業務を効率化


事例②請求情報管理アプリの開発と自動化ツールで請求業務を効率化
こちらはMicrosoft Power Appsと、業務プロセス自動化ツールであるMicrosoft Power Automateを組み合わせた事例です。

Microsoft Power Appsで請求情報管理アプリを開発。アプリ内の請求情報に修正や確認事項があればMicrosoft Power Automateを使って社員へ通知するなど、自動で処理する仕組みです。

従来は社員が手作業で行っていた業務をアプリで自動化でき、大幅な業務効率化が実現しました。 

3. Microsoft Power Appsの注意点

Microsoft Power Appsにはさまざまなメリットがある一方、いくつかの注意点もあります。

ライセンスプランが複雑で理解が難しい

Microsoft Power AppsはMicrosoft 365を導入していれば利用できます。しかし、プランによって利用できるサービスの範囲が異なるため「自社のプランではどこまでカバーされているかわからない」というお悩みを持つ方も少なくありません。

そこで外部パートナーへ依頼して、ライセンスプランを適切に管理できるよう相談することをおすすめします。

デザインを自由に変更できない

Microsoft Power Appsはローコード開発ツールであるため、プログラミング言語を使って開発するアプリと比較して、デザインの自由度は低くなります。

とくにモデル駆動型アプリでは、レイアウトはほぼ固定されているためデザインを細かく変えられない点に注意が必要です。

4.まとめ

本記事では、業務アプリの開発を内製可能なMicrosoft Power Appsを使ってできることを紹介しました。Microsoft Power AppsはMicrosoft製品と相性が良く、作成した業務アプリとMicrosoft製品を連携することで、業務プロセスの効率化が実現できます。

Microsoft 365をすでに導入している場合、Microsoft Power Appsをぜひ活用してみてください。

一方でMicrosoft 365には多くの機能が搭載されているため、「うまく使いこなせない」とお悩みの企業は少なくありません。そこでJBCCでは、Microsoft 365の利活用や定着を無償で支援するオリジナルワークショップを提供しています。

ワークショップでは、導入からDXを促進するPower Platformの活用方法までご提案し、無償でサポートしています。サポート対象のラインナップも豊富で、たとえば以下の課題解決に向けて取り組んでいます。


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