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2023年11月08日

2025年08月28日

Microsoft Power Apps とは?できることや注意点を解説

Microsoft Power Appsとは?できることや注意点を解説
この記事でわかること
  • Microsoft Power Apps の基本概要と Power Platform との関係性
  • 業務アプリをローコードで開発する際のメリットと活用事例
  • 導入時に注意すべきライセンスやデザイン制限などのポイント

Microsoft Power Apps とは、高度な知識やノウハウがなくてもアプリを作成できるローコード開発ツールです。Microsoft 社が提供する Power Platform のサービスのひとつで、自社の課題解決につながる業務アプリの作成を内製化できます。

Microsoft 365 のライセンスを保持していれば、Microsoft Teams などほかのツールと同様、Microsoft Power Apps の利用がすぐに可能です。Microsoft Power Apps を活用するとアプリ作成にかかる時間やコストを抑えられるなど、多くのメリットがあります。

本記事では、Microsoft Power Apps の概要やできること、使い方や注意点まで解説します。Microsoft Power Apps の導入や活用を検討している際は、ぜひ参考にしてください。

この記事の目次

Microsoft Power Apps とは

Microsoft Power Apps とは、プログラミングの高度な知識がなくてもローコーディングでビジネスアプリを作成できるツールのことです。最低限の知識だけでアプリケーションを素早く開発できるため、注目されています。

Microsoft Power Apps は、Microsoft 社が提供する「Power Platform」のサービスのひとつです。Power Platform には Power Apps だけでなく、Power BI、Power Automate、Power Virtual Agents、Power Pages があります。

各サービスの概要は、次のとおりです。

Microsoft Power Platform
Power Apps 業務アプリを内製化できるローコード開発ツール
Power Automate 業務プロセスを自動化できるツール
Power Virtual Agents 高度なチャットボットを作成できるツール
Power BI 収集したデータを可視化して分析するツール
Power Pages ローコード/ノーコードでWebサイトを作成できるツール

Microsoft Power Platform を活用することで、アプリ開発やデータ分析のサイクルが迅速化します。Power Apps は、Power Platform のなかでローコーディングアプリ開発を担います。

ローコード開発ツールについて、以下の記事をあわせてご覧ください。

【関連記事】最低限のプログラミングでアプリケーションを開発 「ローコード開発ツール」徹底比較

利用できるライセンスプラン

2023年10月時点において、Microsoft Power Apps が利用できるライセンスプランは次のとおりです。

ライセンスプラン名 機能
一部のMicrosoft 365(Office 365)ライセンス ・無制限にアプリの実行が可能
・カスタムアプリ内でワークフローの実行が可能
一部の Dynamics 365 Professional/Enterprise ライセンス ・Dunamics 365 アプリと同じ環境内でアプリの実行が可能
・カスタムアプリ内でワークフローの実行が可能
Power Apps Premium ・無制限にアプリの実行が可能
・カスタムアプリ内でワークフローの実行が可能
Power Apps per app ・1つのアプリまたは1つのWebサイトの実行が可能
・カスタムアプリ内でワークフローの実行が可能
Power Apps per app メーター ・1つのアプリの実行が可能
・カスタムアプリ内でワークフローの実行が可能

Microsoft 365 ライセンスがあれば利用できるので、すでに導入している企業は活用してみてください。

Office365/Microsoft365 自社にあった賢いプランの選び方

Office365/Microsoft365 自社にあった賢いプランの選び方

Microsoft 365 も多くのプランが用意されています。自社にとって最も適切なプランを選ぶ際には、こちらの資料を参考にして下さい。各プランの比較用も掲載されているので、自社に最適なプランを容易に選ぶことができるでしょう。

資料をダウンロードする

Microsoft Power Apps でできること

Microsoft Power Appsでできること

続いて、Microsoft Power Apps を使ってできることを紹介します。

専門知識やノウハウがなくても業務アプリを作成できる

ローコード 開発基盤のため、プログラミングなどの専門知識やノウハウがなくても業務アプリを容易に作成できます。専門的な開発環境も必要なく、Webブラウザから使用できる点も特長のひとつです。

Microsoft PowerPoint や Excel の操作感と似ているため、普段から業務で利用していて一定のITリテラシーがあれば抵抗なく利用できます。

社内担当者がアプリ開発に携わることでITリテラシーが向上し、アプリ開発の内製化を促進できるでしょう。

業務アプリ作成にかかるコストを抑えられる

Microsoft Power Apps を活用すると、業務アプリ作成にかかるコストを抑えられます。

通常、業務アプリの内製化が難しい場合は、システム開発を外部委託しなければなりません。また内製でゼロから業務アプリを開発する場合では、相応の工数やリソースが必要です。

その点 Microsoft Power Apps なら、Microsoft 365 などのライセンス契約費用だけで、業務アプリを社内で効率的に作成できます。

短期間で業務アプリを作成できる

通常のアプリ開発に比べ、Microsoft Power Apps では短期間で業務アプリを作成できます。ドラッグ&ドロップで簡単に操作でき、テンプレートを使用すれば素早く完成させられるからです。

また業務アプリ開発を外部委託する場合、複数の社内関係者から承認を得る必要があり、実際に使えるようになるまで時間がかかってしまいます。

しかし Microsoft Power Apps なら現場の担当者がアプリを作成するため、意思決定に時間が取られにくい点もメリットです。

AIを業務アプリに組み込める

AI Builder を使うと、Microsoft Power Apps で作成した業務アプリにAI機能を簡単に取り入れられます。AI Builder は Microsoft Power Platform で使用できる機能のひとつで、AIモデルの開発経験がなくてもビジネス上の課題に適したAIが利用できます。

AI Builder では、たとえば以下のAIモデルを選択して使用可能です。

  • 請求書や領収書、名刺、ドキュメントなどから情報を抽出するAIモデル
  • テキストデータ内の感情を検出するAIモデル
  • 顧客からのフィードバックをカテゴリに分類するAIモデル
  • 履歴データから将来の結果を予測するAIモデル

業務アプリにAIを搭載すると、業務プロセスの効率化や自動化が促進され、生産性向上が期待できます。

Microsoft 製品と高い親和性があり連携しやすい

Microsoft 社が提供する Power Apps は、さまざまなデータソースと連携でき、当然ながら Microsoft 製品と高い親和性があります。

たとえば、Excel データを Microsoft Power Apps で作成した業務アプリに取り込んだり、業務アプリに蓄積されたデータを Word の報告書として出力したりできます。

すでに日々の業務で Microsoft 365 を使用している場合、Microsoft Power Apps を活用すると業務効率化につながるためおすすめです。

作成できる業務アプリの例

Microsoft Power Apps では、主に業務で使用するアプリを簡単に作成できます。どのような業務アプリを作成できるか、JBCCがサポートしたお客様の事例を紹介します。

事例①QRスキャンアプリの開発で機器の管理工数を削減

事例①QRスキャンアプリの開発で機器の管理工数を削減

テレワークの実施で使用する機器の台数が増えたことで、管理業務が煩雑になっていた企業では、Microsoft Power Apps でQRスキャンアプリを開発。QRコードを読み取るだけで機器の識別ができ、管理工数の削減につながりました。

事例②請求情報管理アプリの開発と自動化ツールで請求業務を効率化

事例②請求情報管理アプリの開発と自動化ツールで請求業務を効率化

こちらは Microsoft Power Apps と、業務プロセス自動化ツールである Microsoft Power Automate を組み合わせた事例です。

Microsoft Power Apps で請求情報管理アプリを開発。アプリ内の請求情報に修正や確認事項があれば Microsoft Power Automate を使って社員へ通知するなど、自動で処理する仕組みです。

従来は社員が手作業で行っていた業務をアプリで自動化でき、大幅な業務効率化が実現しました。

【関連記事】業務プロセス効率化の鍵! Microsoft Power Automateの使い方と活用法

Microsoft Power Apps の注意点

Microsoft Power Apps にはさまざまなメリットがある一方、いくつかの注意点もあります。

ライセンスプランが複雑で理解が難しい

Microsoft Power Apps は Microsoft 365 を導入していれば利用できます。しかし、プランによって利用できるサービスの範囲が異なるため「自社のプランではどこまでカバーされているかわからない」というお悩みを持つ方も少なくありません。

そこで外部パートナーへ依頼して、ライセンスプランを適切に管理できるよう相談することをおすすめします。

デザインを自由に変更できない

Microsoft Power Apps はローコード開発ツールであるため、プログラミング言語を使って開発するアプリと比較して、デザインの自由度は低くなります。

とくにモデル駆動型アプリでは、レイアウトはほぼ固定されているためデザインを細かく変えられない点に注意が必要です。

【関連記事】Power Platform (ローコードプラットフォーム)で変革を実現する

よくある質問

Q1. Microsoft Power Apps はどのライセンスで利用できますか?
A. Microsoft 365 や Dynamics 365 の一部ライセンス、Power Apps 専用プランなどで利用可能です。
プランによって機能や利用範囲が異なるため、事前に確認することが重要です。
Q2. Power Apps で作成したアプリは Microsoft 製品と連携できますか?
A. はい、Excel や Word などの Microsoft 製品と高い親和性があり、データの取り込みや出力などがスムーズに行えます。
Q3. Power Apps の導入にあたって社内教育は必要ですか?
A. 基本的なITリテラシーがあれば操作は容易ですが、定着や活用を促進するためにワークショップなどの支援を活用するのがおすすめです。

まとめ

本記事では、業務アプリの開発を内製可能な Microsoft Power Apps を使ってできることを紹介しました。Microsoft Power Apps は Microsoft 製品と相性が良く、作成した業務アプリと Microsoft 製品を連携することで、業務プロセスの効率化が実現できます。

Microsoft 365 をすでに導入している場合、Microsoft Power Apps をぜひ活用してみてください。

一方で Microsoft 365 には多くの機能が搭載されているため、「うまく使いこなせない」とお悩みの企業は少なくありません。そこでJBCCでは、Microsoft 365 の利活用や定着を無償で支援するオリジナルワークショップを提供しています。

ワークショップでは、導入からDXを促進する Power Platform の活用方法までご提案し、無償でサポートしています。サポート対象のラインナップも豊富で、たとえば以下の課題解決に向けて取り組んでいます。

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