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2015年10月01日

2026年05月25日

「MoSCoW分析」って何? 現場の「要求と要件」を分けるポイント

製造現場の「要求」と「要件」 何が違うの?

生産管理の仕様をまとめる時に、現場の意見などを「要求」と「要件」に分けて整理していますか?
通常あえて、意識的に区別している方は多くはないと思います。
英語では、「Requirement」と一語で済まされても、日本語での「要求」と 「要件」には違いがあります。

IPA(独)情報処理推進機構では、システム的視点で
「要求」=システムを使ってやりたいこと
「要件」=システムに取込む要求

と定義しています。一例を挙げると、
「棚卸業務の工数削減」・・・要求
「棚卸表の自動出力」 ・・・要件
となります。

そして、お客様から「要求」は良く言われるのですが、「要件」を決めてくれない場合が多くあります。
または、パッケージで実現できる「要件」をお伝えしても、「要求」が満足するか答えてくれない場合もあります。

また逆に、要件だけが書かれていて、それをどう利用するかが不明瞭な場合もあります。
何をシステムに取込むのか? 何を取込まないのか? を明確にできない事が多いのではないでしょうか?

参考:現場が判らない! 生産管理業務を引き継ぐために必要なこととは?
昨今の生産現場の忙しさは、景気の回復感などからくる「うれしい悲鳴」  と言えるのでしょうか?
 「いや、実感がまったくない?」「忙しいだけで、儲からない!」など、様々な声も聞こえてきますが如何でしょうか?

弊社への生産管理の新たな取り組み引き合いは増えてきており、総じて
 「何とか上昇気流に乗りたい」
 「新たな仕組みで改善をしたい」などが伺えます。

さて、これら新たな取り組みに際し、困る事もあります。それは、現場の要件を正しくお聞きできない事です。
例えば 「自社の業務で必要な要件が判らない」 あるいは、「あるべき姿が判らない」とか、「担当業務は判るけど他は知らない」・・・等が挙げられます。

 これらの多くは「生産管理力の継承」が不十分な時に良く起こりますが、 この「生産管理力の継承」とは何でしょう?

まずお断りしておきますと、生産管理力の継承とは私が勝手に使っている造語です。(苦笑)
「生産管理」はJISでは品質コスト納期のQCDを最適化する事と記述されています。
その「ちから」の事ですから、最適化する力が退職者や先輩から正しく伝えられていない状態を指します。

 ものづくり現場の技能継承は以前から言われ続け、若者の確保や育成計画が行われ続けられています。 しかし、ものづくり現場と事務方の間に位置づけられる「生産管理業務」は、なかなか引継ぎが進んでいないのではないでしょうか?

例えば、「通常この計画で発注するはずですが、なぜここで数量を割り増したり、納期の再調整が行われているのですか?」と聞いても、「判りません、前任者がそのようにしていたので、私も行っています」などの返事が返ってくることになり、「理由が判らない」、「新たな仕組みでどうすれば良いか判断がつかない」 といった事があるのです。

こうなると、「引継ぎができていない事は判っている、そんな事はこの際どうでも良いので、パッケージに合わせるよ」という状況に陥ってしまいます。

そうならないためにも、ぜひ貴社の生産管理力を継承し、組織力へ繋げながら、新たな効果的な生産管理の仕組みの構築が出来れば良いな~と思います。

のちのち、ユーザーからベンダーへ「全然システム化できていない!」
「我々はちゃんと要件は出している」と言われることもあろうかと思いますが、実際は要求だったりするので、そこに齟齬が起こって永遠(?)につづくプロジェクトなり、ユーザーもベンダーも大変な状況になってしまうケースも世の中には少なくないでしょう。

現場の要求を整理する「MoSCoW分析」

このような事を起こさないために、会社や部門の目標を達成するために関係者間の橋渡しを行うなど、タスクとテクニックの集まりが必要となり、それを「ビジネスアナリシス」といいます。
そして、このビジネスアナリシスの知識体系をBABOK(Business Analysis Body of Knowledge)といいます。

ここではBABOKの説明は割愛しますが、この考えのひとつに「要求アナリシス」と いうのがあり、以下のような体系で整理してあります。

  • 要求の優先順位をつける
  • 要求を体系化する
  • 要求の仕様化とモデリングを行う
  • 前提条件と制約条件を定義する
  • 要求を検証する
  • 要求の妥当性を確認する

先に記述した、要求=システムを使ってやりたい事、を関係者の調整や制約に注意し、要件の優先、妥当性を見出す体系と考えて良いかと思います。

さらにそのツールとして、「MoSCoW分析」があります。

  • M=Must(必須)この要件が実現されなければ、システムやサービスの導入目的(要求)が果たせないもの
  • S=Should(推奨)この要件が実現されなくても、システムやサービスの導入目的)(要求)が果たせるが、メリットが大きく損なわれるもの
  • C=Could(可能)その要件が実現されなくても、システムやサービスの導入目的(要求)が果たせるしメリットもあるけれども、実現すれば更に大きなメリットがあるもの
  • W=Would(先送り)
       現時点では議論する必要がないまたは将来的に持ちたいもの、実現の要否判断をしたところで、導入目的(要求)にもメリットにも寄与しないもの。

このように「MoSCoW分析」は要求定義の整理に利用できる区分ツールです。生産管理システム以外でも、工程改善、設備導入などでも応用できると思います、ぜひ、活用してみて下さい。

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