Microsoft 365、Box で実現するDX 推進事例~社員のやる気"を引き出す、ソリューションの定着支援の方法とは?~
しげる工業株式会社 IT統括部 経営情報システム課 副主任 阿弥 伶奈 様
しげる工業株式会社は、自動車の内装・外装部品を中心として製造販売を展開する会社です。自社で取り組む「SHIGERU DX」の一環として、Microsoft 365 と Box の利活用を推進しています。各ソリューションの活用や定着に向けて、どのようなことに取り組んでいるのか、阿弥 伶奈氏にお話を伺いました。
| 会社名 | しげる工業株式会社 様 |
|---|---|
| 設立 | 1960 年2 月 |
| 本社 | 群馬県太田市 |
| 事業内容 | 自動車艤装部品およびその関連部品の製造販売 医療用器具、樹脂加工品の製造販売 |
| URL | https://www.sgrc.co.jp/ |
欲しい情報がすぐに見つかる環境を整備し、ペーパーレス化を加速
Copilot の定着に取り組み、適用業務の拡大を目指す
導入前の課題と導入後の効果
オンプレミスでの情報共有やセキュリティに課題
- オンプレミスのメールサーバーが老朽化し、 障害が発生しやすい状態とセキュリティリスクが顕在化
- ファイルサーバーのシャドーIT の増加により、情報が分散
- 新しいシステム導入に対して苦手意識を持っている社員が多く、定着が課題
システム管理者の運用負荷削減と社員の利便性を実現
- Microsoft 365 の導入により、運用作業の大幅な削減とセキュリティ強化を実現
- Box 上にデータを統合したことで、情報共有が円滑になり、ペーパーレス化も促進
- Microsoft 365、Box の利用定着を図ることで、社員自らデジタル活用やAI 活用を提案するまでに変化
SHIGERU DX によりさらなる成長を目指す
しげる工業様の事業概要をお聞かせください。
阿弥:当社は、自動車の内装・外装部品の製造・販売を行っています。内装部品は、自動車のインストルメントパネルやコンソールボックスなど、外装部品は、バンパーやカウルパネルなどを取り扱っています。またショベルカーやトラクターといった産業機械のシートも取り扱っています。
近年はB to C 事業にも参入しました。当社の既存の事業と親和性のあるアウトドア製品「SG BASE」を展開しています。当社が高品質な内装部品を製造する際に発生する端材を利用して開発しました。また、自動車の内装をカスタムオーダーできる「カスタムライン」も展開しており、好評いただいています。
DX としてはどのような取り組みをされていますか。
阿弥:当社は「SHIGERU DX」を掲げてスマートファクトリーの構築など様々な活動をしていますが、その中で私が取り組んでいるのは、デジタル人材の育成です。生成AI の活用を、IT 部門はもちろん、実務を行っている部門に定着させるための教育を実施しています。その一環としてJBCCの協力のもと、Microsoft 365 Copilot(以下 Copilot)のワークショップを複数回開催し様々な部門から希望者を募って参加してもらっています。開催後のアンケート結果や、社員の様子を踏まえて、JBCCに次回の内容の改善要望を出すと、柔軟に変更し、資料をブラッシュアップしてくれるため、大変助かっています。
サーバーの老朽化やセキュリティの対策が急務に
Microsoft 365 を導入した背景をお聞かせください。
阿弥:以前はメールサーバーをオンプレミスで運用していたのですが、1 ヶ月に1 回は小さな障害、2、3 ヶ月に1 回は大きな障害というように、頻繁に障害が発生していました。復旧に時間がかかると、その間は社員がメールを送れない状態になってしまいます。運用工数がかかり、業務に支障が出るという問題がありました。
Box の導入の背景もお聞かせいただけますか。
阿弥:当社はオンプレミスのファイルサーバーを運用していましたが、サポート期間の終了を迎えていました。また容量が不足しがちであったために、各部門で情報システム部門が把握していないNAS を導入するようになり、欲しい情報が探せないという問題もありました。
データをクラウドに集約するため Microsoft 365、Box を採用
導入の際にJBCCにご相談いただきましたが、きっかけをお聞かせください。
阿弥:以前からJBCCとご縁があったことがきっかけと聞いています。
セキュリティソフトを導入する際に相談しており、提案力や導入後のスピード感あるサポートに魅力を感じていました。そこで様々なことを相談するようになり、Microsoft 365 や Box を導入する際もご提案いただきました。
他の製品は検討されましたか。
阿弥:ファイルサーバーについては、Dropbox や DirectCloud と比較しました。JBCCは複数製品を取り扱っている中で、当社に最適な Box をご提案いただけたと思っていますし、Box は容量無制限であるため、当社が抱えていた容量不足を解決できると考え、採用しました。
導入で苦労されたことはありますか。
阿弥:当社の場合は、IT に苦手意識を持っている人が少なくありません。新しいシステムの導入に抵抗感がある人にも、使ってもらうようにするのは大変だった記憶があります。社員に事前に説明をした上で、気になる点や心配な点をヒアリングしました。様々な意見を吸い上げてJBCCに相談し、社員が抵抗感なく利用できるようにサポートする環境を作りこみました。
特に Box は従来のファイルサーバーと操作面で大きく変わります。多くの社員がブラウザでファイルを操作するのに抵抗を感じていました。そこでJBCCからエクスプローラーで利用する方法も紹介してもらいましたが、利用できる機能が限定されてしまいます。その旨をしっかり説明して、ブラウザで利用することを納得してもらう作業も必要でした。
情報へのアクセス性が高まり、情報共有が進む
導入でどのような効果がありましたか。
阿弥:システム管理者の観点では、容量不足の対策や障害対応が解消され、運用作業が大きく削減されました。オンプレミスで運用していた時は、BCP対策や老朽化に常に不安がありましたが、それが解消されたのも大きな効果だったと思います。
またBox に関して、ユーザーの観点では、情報が統合され検索性が高くなったため、より迅速に情報にアクセスでき、情報共有が進んでいます。当初は抵抗感のあった社員も、欲しい情報がすぐに見つかったり、うっかり削除したファイルが復元できたりという体験を通して使いやすさに気付き、今では使いこなしています。
SDGs の観点からも、紙で行っていた申請業務を Box に付随するワークフロー機能「Box Relay」に置き換える取り組みが進み、その結果、オフィスにあった書庫スペースを削減でき、オフィスが広く使えるようになり、フリーアドレスの導入につながりました。
社員の方の意識の変化はありますか。
阿弥:少しずつではありますが、変化を感じています。ペーパーレス化の取り組みにも積極的な姿勢を感じますし、「Copilot をアンケートに活用したい」「ワークショップがあればぜひ参加したい」といった提案や要望が寄せられるようになりました。
生成AI は、どのように活用していますか。
阿弥:バックオフィスでは議事録作成やメール要約、アポイント資料の作成補助で活用されています。さらに、人事部門では就業規則の問い合わせ対応を効率化するために Copilot エージェントを試験運用しており、問い合わせ削減効果に期待しています。
Copilot での議事録作成や資料作成の効率化は大きな効果を感じています。
一方で利用者が限定されるため、誰でも利用できる Box AI を併用することで、生成AI 活用のすそ野を広げています。
Microsoft 365 と Box の利活用において、定着に向けて工夫していることはありますか。
阿弥:イベントや説明会を開催することで、活用例を知る機会を増やしています。また、ポータルサイトにマニュアルや活用方法を掲載するとともに、質問や相談ができる掲示板を用意しました。情報が簡単に手に入る環境、わからないことをすぐに聞ける環境を構築することに力を入れています。
AI の活用範囲を広げていきたい
情報システムの今後の展望をお聞かせください。
阿弥:今後は Copilot を中心に生成AI をさらに活用していきたいと考えています。経営層の関心も高く、すでに管理者向けに Copilot 説明会を開催しました。バックオフィスだけでなく、将来的には品質検査や製造ラインでの画像判定・部品コスト計算など、現場業務まで Copilot を浸透させたいと考えています。今後どのように普及させていくか、開発や製造の業務でどのように活用していくかを検討し、積極的に取り組んでいきたいと考えています。
また、Microsoft 365 と Box の連携強化にも取り組んでおり将来的にCopilot から Box 内のファイルを検索できるようになれば、さらに社員の利便性が上がると考えています。今後もJBCCに相談しつつ、一緒に進めていきたいと思っています。
今後に向けてJBCCに対する期待をお聞かせください。
阿弥:月に1 回の定例で今後に向けた取り組みについて様々な相談にのっていただいたり、運用開始後も継続して手厚くサポートしていただいたりと、大変助かっています。Microsoft 365 と Box の両方を同じ窓口で相談できるのは心強く、導入後の定着まで一貫して支援していただける点に大きな安心感があります。ソリューションは自社に合ったものを選定することも大切ですが、何より運用開始してからの定着が重要です。今後も当社に合った提案や継続的なサポートを期待しています。
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