仮想化環境をそのままリフト、小さな負荷でクラウド化 データセンターの閉鎖による大幅なコスト削減へ

VMware Cloud™ on AWS社内導入事例 

左:IT サービス事業 DX 推進 DX 技術部 部長 木村 龍一氏
右:執行役員 IT サービス事業 DX 推進 事業部長 武田 雅大氏

JBCCホールディングス株式会社(JBグループ)

本社所在地:〒144-8721 東京都大田区蒲田5-37-1
設立: 1964年
URL: https://www.jbcc.co.jp/


導入前の課題

  • データセンター/ネットワークのコスト増大
  • ハードウェアの運用管理からの脱却
  • 当初のクラウド移行計画の遅れ

導入後の効果

  • データセンターを閉鎖
  • ハードウェアの管理が不要、アラートも激減
  • 従前のVMware vSphere® 環境をそのまま短期間で
    クラウドリフト

目次
  1. 導入の経緯
  2. 導入のポイント
  3. 導入の効果
  4. 今後の展望

<導入の経緯>DX /働き方改革を強力に推進、自らの経験・ノウハウを顧客へ還元


 JBグループは、システム構築の豊富な実績をもつJBCCを中核に、超高速開発、クラウドサービス、セキュリティサービス、ソフトウェア開発を手がける総合ITサービス企業グループである。最新のITを自社で活用し、効果を実感したうえでお客様に提案するショーケース化を推進しており、近年では、ローコード開発ツールを活用した超高速開発、AIやRPAを活用した業務部門の生産性向上、クラウドを活用した安全で迅速なテレワーク環境の整備を実践し、お客様のIT変革をリードしている。
「多くの企業がビジネスとITとの融合──デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に力を入れており、ITを活用した働き方改革も注目されています。私の所属する"DX推進"チームにおいても、IT企画から開発・運用まで幅広い領域を担当し、JBグループ全体のDXや働き方改革に取り組んでいます」と、JBCC 執行役員 ITサービス事業 DX推進 事業部長の武田雅大氏は述べる。

 JBグループのDX /働き方改革は広範にわたるが、基礎となるのは"社員がだれでも場所を選ばず働ける"という環境だ。オフィスと同等のテレワーク環境を提供するため、コミュニケーションやセキュリティ、業務アプリケーションなどの強化に努めている。武田氏によれば、、DXの計画は半ばまで到達しており、徐々に具体的な成果が表れるだろうとのことだ。
「私たちは、最もよいと思ったソリューションの設計・導入から運用、ビジネス活用までを自ら実践することで、その価値を正しく提供できると考えています。このコロナ禍においても、以前よりリモートワークを推進して環境を整備していたために、滞りなく業務を遂行できています。こうした経験と業界トップクラスの技術力をもって、よりよいサービスとしてお客さまへ還元したいと考えています」(武田氏)

<導入のポイント>オンプレミスのvSphere 基盤をそのままクラウドへ 最小限の負荷で短期間に移行可能


 JBグループがDXの一部として推進している取り組みの1つがクラウド化だ。もともと同社は、JBグループ各社のビジネスを支える約80システム/230台の仮想マシンを擁する仮想化環境を運用していた。
これをクラウドへ移行することで、高額なデータセンターの賃料やネットワークの費用を軽減し、トラブル対応などの負担から解放され、安定的なシステム運用を実現することが期待された。

 同社は、クラウドインフラとしてAmazon Web Servicesを選択し、まず既存の仮想化環境をリフトすることから始めた。ところが、バージョンが古かったり移行ツールが適さなかったりするシステムが多く、AWSの移行サービスによるマイグレーションは遅れがちになった。このまま計画を進行しても、完了までに膨大な時間がかかってしまう。
「そこで注目したのが『VMware Cloud™ on AWS』です。私たちは古くからVMware製品を提供していますし、既存のシステムも多くはvSphere環境で稼働しています。システムを停止することなく移行できるVMware vSphere® vMotion®の機能も期待できました。もともとVMware Cloud on AWSを当グループの開発会社で研究・検証していたため、ノウハウも蓄積していました。完了期限まで時間がなく、人的リソースも不足しがちな状況で、最も短期間で移行作業を進められる方法でもありました」と、JBCC ITサービス事業 DX推進 DX技術部 部長の木村龍一氏は振り返る。

 VMware Cloud on AWSであれば、JBグループのvSphere基盤を、運用方法をほとんど変えずにAWSへ移行することができる。もともとJBCCはヴイエムウェア社と強いパートナーシップを築いており、同社のサポートやこれまで培ってきたノウハウ・知見をそのまま生かせるというのは大きなメリットだった。担当者も新たな管理手法を学ぶ必要がなく、重要な先端技術の習得に注力できる。

<導入の効果>データセンターの廃止で大きなコスト削減、運用負荷の大幅な軽減も実感

 JBCCは、上記の80システムの見直しを図り、人事・見積・請求・発注・工数管理・経営分析などを含む約50システム/130サーバーを対象にしてVMware Cloud on AWSへの移行を実施した。当初はvMotionを活用してサーバーを無停止で移行する予定だったが、システムの一部が対応できないこと、移行前のバックアップ設計が必要になることなどから、今回はサーバーを再起動する方式での移行を選択した。
「移行のパフォーマンスをできるだけ向上するため、AWS DirectConnectを活用し、データセンターの接続に用いている閉域網とVMware Cloud on AWSとを直接的に接続しました。技術的な作業は問題なかったのですが、サーバー停止に伴う関係各所とのネゴシエーションに苦労しました。しかし私たちにとってはよい経験で、ノウハウを蓄積できたと感じています」(木村氏)

 オンプレミスシステムのクラウド移行について、木村氏は「仮想化基盤とクラウドサービスの両方の知見が必須」と指摘する。クラウドサービスは簡単に使える点が魅力の1つだが、設計を最適化して快適に運用できる環境を作るには、相応の経験とノウハウが欠かせないというわけだ。そうした手法を自ら学び、サービスに生かしていくのがJBCCの特長の1つである。

 JBCCは、オンプレミスシステムのクラウド移行によって、データセンターを廃止して大幅なコスト削減を実現できた。ハードウェアの運用も不要になり、システムからのアラートは激減。トラブルなどでデータセンターへ出向く必要もない。データセンターとAWSとでWANをまたいでいた一部のシステムは、ネットワークの統合によってパフォーマンスが向上している。

 システム全体を見直すことができたのも、クラウド移行の効果の1つだ。いわゆる"スパゲティシステム"であったのがクリアになり、未使用状態のシステムをスリム化してサーバー台数を減らすことができた。運用効率がアップし、負荷軽減にも寄与している。

VMwareCloud on AWSフロー

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<今後の展望>JBグループをショーケースにマルチクラウドやSASE の検討を

 VMware Cloud on AWSへの"リフト"は、あくまでもクラウド化への第一歩だ。JBCCでは今後、SaaSやコンテナなどのクラウドネイティブなサービス/技術の活用を進めて、全体最適化を図っていきたいとしている。
「さらに将来的には、AWSにこだわらず、他のクラウドサービスを組み合わせたマルチクラウド環境の構築を目指します。また本格的なクラウド化を進めれば、SASE(Secure Access Service Edge)のような新しいセキュリティ技術も採り入れなければなりません。こうした取り組みを通じてノウハウを蓄積し、私たち自身がショーケースとなって、お客さまへ新しい環境や技術を最適な方法で提供したいと考えています」(武田氏)

仮想化環境をそのままリフト、小さな負荷でクラウド化 データセンターの閉鎖による大幅なコスト削減へ

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