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医療法人 須藤会 土佐病院 様

土佐病院の挑戦――クラウドネイティブ電子カルテで切り拓く医療DX

土佐病院の挑戦――クラウドネイティブ電子カルテで切り拓く医療DX 医療法人 須藤会 土佐病院 院長 須藤 康彦 氏

土佐病院は1933年に36床の精神科病院として創立されました。80年以上の歴史を通じて、精神疾患の治療に尽力し、地域医療の中核を担っています。高知県で精神科救急入院病棟の第1号として承認された同院は、精神科救急医療システムに参加し、中核的役割を果たしています。2014年の新病棟完成により、開放的な処遇と早期社会復帰の実現を目指しています。「誠意」「協調」「進歩」の基本理念のもと、患者さんが求める最適な療養環境を提供しています。

会社名 医療法人 須藤会 土佐病院 様
設立 1933年(昭和8年)
所在地 高知県高知市新本町2丁目10-24
診療科 精神科(病床数 174床)
URL https://www.tosa-hp.com/
この記事の目次

導入前と導入後の効果

導入前の課題
  • オンプレミス型電子カルテの機能拡張の限界と更新コスト負担
  • 他クラウドサービスとのAPI 連携が実現できない状況
  • 医療DXを継続的に推進できる技術基盤の必要性
導入後の効果
  • サーバー管理業務からの解放と月額固定費によるコスト平準化
  • レスポンシブ設計によるユーザーインターフェースの改善
  • 将来の拡張や外部連携を見据えたDX 推進基盤の確立

未来を見据えたクラウドネイティブ電子カルテの選択 導入の経緯

医療法人須藤会 土佐病院は、1933年の創設以来、精神科医療に取り組んできた歴史ある医療機関だ。174床を有し、精神科救急から療養、地域包括ケアまで幅広い体制を整え、デイケアや訪問看護、就労支援など地域生活を支える仕組みも充実している。こうした取り組みにより、精神科医療における地域連携の中核として重要な役割を担っている。

精神科医療を取り巻く環境は年々変化しており、診療の質向上に加え、業務効率化や情報活用の高度化が強く求められている。とりわけ電子カルテは、日々の診療を支える基盤であると同時に、将来の医療DX を左右する重要な存在だ。

同院では長年、オンプレミス型の電子カルテを利用していたが、機能拡張やクラウド対応の遅れに課題を感じていた。

「クラウド対応を約束されていたものの、具体的な進展が見えないまま時間が過ぎていきました。リプレースのタイミングも重なり、別の選択肢を検討することにしました」と語るのは須藤院長だ。

須藤院長は、医師でありながらITにも精通しており、情報処理分野では最高レベル難易度とされサイバーセキュリティ分野唯一の国家資格である情報処理安全確保支援士の資格を保有。院内システムの企画から設計、実装まで自ら関わる、医療機関としては稀有な存在である。

新たな電子カルテ選定において重視したのは、「クラウド対応」ではなく「クラウドネイティブ」であること。マルチテナント構造でAPI が充実した本格的なクラウドサービスを求めていた。
「クラウド上の他サービスと自然につながること。それが最も重要でした」と須藤院長は語る。特にAIなどの最新技術との連携可能性を重視していたという。

複数製品を比較検討した結果、要件を満たす選択肢は限られていた。
最終的に、JBCCが提供する「blanc」が最適と判断し、検討から3か月という短期間で新たな電子カルテの導入を決断した。

周到な準備と段階的な実装 導入のポイント

導入プロジェクトは、2025年5月のゴールデンウィーク明けを目標に開始し、予定通り本稼働を実現した。「ほとんど問題なく、予定通りに進みました。高く評価しています」と須藤院長は語る。

導入過程で大きな負荷がかかったのが、旧システムからのデータ移行だ。「データ移行は、すべてを移せばよいわけではありません。費用対効果を考え、戦略的に判断する必要があります」と須藤院長。

実際の移行では、項目ごとに必要性と作業方法を精査し、病院側とJBCC側の役割分担を明確にしながら進めていった。患者基本情報や診療履歴、会計情報といったデータについては、JBCCが対応した。一方、旧システム固有の書式や貼り付け画像を含む文書データ、移行後に再作成したほうが効率的なDO用の処方や外注検査結果の再取り込み情報については、必要期間や範囲限定の判断をし病院にて入力を行った。必要なデータに絞り込むことで作業の負荷を抑える狙いもあったという。

このように、自院での対応と外部委託のバランスを取りながら、移行にかかるコストや工数も最適化され、最終的には短期間で本稼働へ移行できる環境が整備された。

現場業務と管理体制の双方を改善 導入の効果

クラウドネイティブ電子カルテ「blanc」の導入後、土佐病院では様々な変化が起こっている。

同システムが精神科病院に特化した機能を備えていることが、実務上のメリットとなっている。例えば、自立支援診断書や医療保護入院者の定期病状報告書といった精神科特有の公文書作成・管理機能により、煩雑な書類作成が効率化された。一度作成した文書は次回作成時のベース資料として活用できるため、記述業務の負担が軽減されている。

また、精神科専門療法(作業療法、集団精神療法、SST等)に対応したリハビリ・デイケア機能では、オーダー受付から記録、医事システムとの自動連動による算定まで、一連の業務が電子カルテ上で完結する。このことにより、事務作業が軽減されているのだ。

加えて、入院形態や保護者情報、公的扶助の受給状況など、精神科医療において重要なインテーク情報や生活歴といった精神科医療特有の情報も、効率的に管理できるようになった。

操作性の面でも改善が見られた。現場スタッフの反応について、須藤院長は「最初は戸惑いもありました」と率直に語る。

一方、パソコンやタブレットなど異なるサイズの画面に自動的に対応し、各デバイスに最適な表示を行う「レスポンシブデザイン」の利便性が評価されるようになったという。
「大画面では表示情報が増え、診療時の情報把握が格段に楽になりました」と操作性の向上を実感している。

10年先を見据えた医療情報基盤づくり 今後の展開

土佐病院では電子カルテを核として、さらなるDX推進を計画している。「すぐにでも始めたいのはバイタルサインの入力。血圧や体温を測ったものが、そのまま電子カルテに入力されるようにしたい」と須藤院長は語る。

また、患者サービス向上のため、「スマホで受付ができるようにしたい」という構想も持っている。生成AIの活用にも期待を寄せており、「近々、使えるのではないかと楽しみにしています」と語る。

長期的には、医療情報システムの形態が大きく変わると須藤院長は考えている。政府が整備するガバメントクラウド上に医療情報が一元管理される時代を想定し、その時、民間の電子カルテベンダーは国のクラウドに保管された情報にAPIを通じてアクセスするという形態になると見ている。

今回のクラウドネイティブなシステム選定は、まさにその将来像を前提とした判断だった。
「今から準備しておかないと、その時には対応できなくなる」 

医療DXが進む中、病院側にも一定のITリテラシーと主体性が求められる時代になっている。
土佐病院の取り組みは、現場理解と技術的視点を併せ持つリーダーが主導することで実現した、医療DX の一つの理想形と言えるだろう。

土佐病院 様 事例図表

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【クラウドカルテ「blanc」導入事例】医療法人 須藤会 土佐病院 様

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クラウドカルテ「blanc(ブラン)」

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