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2023年05月26日

2024年08月05日

業務を効率化するERPパッケージとは?人気のパッケージと選び方のポイント

業務を効率化するERPパッケージとは?人気のパッケージと選び方のポイント

深刻な人材不足からDXを推進する企業が増えた昨今。効率化を目指してシステムの再構築を考えている企業も多いでしょう。そうした中で各システムを一元管理できる「ERPパッケージ」に注目が集まっています。
ただ、ERPはコストや業務内容を検討して自社に適したものを選ばないと、導入しても真価を発揮できません。本記事では、ERPの基本からERPパッケージの選び方のポイント、人気のパッケージをご紹介します。

ERPとERPパッケージ

ERPとはEnterprise Resource Planningの略で、企業内の会計、人事、生産、物流、販売といったシステムを統合し、一元化するシステムです。

企業ではこれまで、部署ごとに基幹システムが存在しており、それらを互いに利活用するには連携やデータの受け渡しをする必要がありました。これには人の手を介する必要があり、時間やお金といったコストがかかります。

一方、ERPはすべてが一元化されているため、データの受け渡しや連携作業が不要です。また情報が一元化されていることで、全体の流れがスムーズになり業務の効率化にもつながります。

このERPをクラウドやソフトにして販売したものを、ERPパッケージと言います。

ERPパッケージは属人化の解消、DXに対応可能な柔軟性を持つシステム

ERPパッケージは属人化を解消し、DXに対応できる柔軟性を持つシステムです。

企業は自社のあるべき姿を常に模索しています。しかし内的要因と外的要因の変化により、企業が考えるあるべき姿と現状には必ずギャップが生じるもの。それを早急に埋める方法を考えている担当者は多いと思います。

しかし、経済産業省の「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」によると、約8割はレガシーシステムが残っていて変革に障害があるのが現状です。レガシーシステムでは、ブラックボックス化、複雑化、肥大化の3つが問題となっており「何のために作ったのか分からない」「プログラムが膨大になっており、次世代のシステムに引き継げない」といった声が多く挙がっています。

こうした問題点を解決するために、ERPパッケージを導入する企業が増えています。

レガシーシステム導入当時は、オンプレミスのサーバーが主流でしたが、過渡期の今、インフラはIaaSが一般的です。チャットやメールができるMicrosoft365や、業務のSaaSと組み合わせて活用するケースも多いです。SaaSやIaaS、ファイルサーバーの利用、ローコードの普及が進んでいる中、考えるべきはERPや一部手組の部分と言えます。

ERPパッケージ導入のメリット

ERPパッケージの導入は情報の一元化やコスト削減などさまざまなメリットがあります。ここからはERPパッケージを導入することによるメリットを3つ、ご紹介します。

情報の一元化

ERP導入最大のメリットは、情報が一元化されることです。ERP導入前のシステムは、各システムのデータベースがバラバラに存在するだけの寄せ集めです。しかし、ERPの導入によってこれらが統合されることで、連携の取れた情報収集が可能になります。特に財務会計、人事給与は業務の標準化が比較的容易な場合が多いため、ERPが適用しやすい部分です。

コストを抑えられる

ERPパッケージを導入すれば、コストの大幅な削減が可能です。

一般的にシステムを構築する際には、要件定義から設計、構築、テストまでを必要とするため、お金や時間など、膨大なコストがかかります。システムの規模や制作手法にも因りますが、一般的にシステム開発をする際には、膨大なコストと時間が必要です。
ERPパッケージは、必要な機能を備えた状態で販売されています。ライセンス料を支払うだけで、すぐに利用可能です。保守管理もベンダーが行うため、メンテナンス費用も削減できます。

経営判断が迅速になる

ERPパッケージは、経営判断が迅速になることもメリットのひとつです。システムが各部署でバラバラになっている場合、それらのデータを人が集め、人が分析するという手順を踏む必要があります。しかし変化が速い現代、時間をかけて分析している余裕はありません。

一方、多くのERPパッケージには、一元化した情報を分析する機能があります。これによってリアルタイムで経営状況を把握でき、迅速な経営判断が可能です。他企業に先んじて、消費者のニーズを把握できます。

ERPパッケージのデメリット

ERPパッケージのデメリットは、独自性のある業務とは合わないこと、それによってコストが増大することです。

実は、ERP導入などによるシステム再構築の5割は失敗すると言われています。原因はERPと業務が合わせきれないことです。導入したとしても企業独自のツールや業務がある場合には、業務に合わせてアドオンの追加や改修を行わなければなりません。再構築に失敗している企業は、この「自社に合わせて作り直す部分」が多くなり、結局コストが嵩むという事態に陥っていることが多いです。同時に、改修をした箇所の保守管理にかかる費用も必要になります。

さらにDXや法改正など、システムは時代の変化に合わせて変えていかなければなりません。自社で改修した部分は自社で改修を行う必要があるため、そのたびに改修コストがかかることもデメリットです。

加えてERPパッケージには、パッケージベンダーからのサポートが終了するリスクが必ず付きまといます。パッケージのサポートが終了した場合、新たなコストをかけて別のパッケージを導入することも考えなければなりません。

企業人気の高いERPパッケージ5選

ERPが注目されている現代では、多くのERPパッケージが販売されています。ここからは特に企業人気の高いERPパッケージを5つ、ご紹介します。

Microsoft Dynamics 365

「Microsoft Dynamics 365」はマイクロソフト社が販売するERPパッケージです。営業やマーケティング、顧客サービス、財務などのアプリが提供されており、一部だけを利用することも可能。もちろん、複数利用する場合にはそれらのデータが連携されます。導入によって財務担当者の生産性が最大55%アップ、オペレーターの平均処理時間が73%減少など、導入によって大きく効率化できた事例も報告されています。
世界的な大企業から中小企業まで、どんな企業でも導入しやすいのが特徴です。
価格は導入するシステムによって変わります。基本的には1ユーザーごとに月額料金を支払いますが、場合によっては2つ目以降のアプリを導入すると、追加で月額料金がかかることもあります。

GRANDIT

「GRANDIT」はGRANDIT株式会社が提供するERPパッケージです。ユーザー目線にこだわったERPを作成しており、さまざまな業種のパートナー企業70社の意見を取り入れつつ、パッケージを常に進化させています。製造、経理、人事、債権などの複数のアプリがあり、組み合わせは自由。UIが見やすく、直感的に操作できるので、入力効率も上がります。マルチデバイス対応で、テレワークや出張先でも利用可能です。
導入時に流れやスケジュール、導入の注意点を説明するなど、サポートが手厚い点も特徴です。大企業から中堅企業まで利用できます。

NetSuite

「NetSuite」は日本オラクルが提供するクラウドで世界一のシェアを誇るERPです。世界で3万4,000社以上の導入事例があります。
財務、生産、人事、倉庫管理などさまざまな部門で利用できるアプリが用意されており、自社に合ったものを選択できるのが特徴。また拡張性が高く、自社の成長に合わせてカスタマイズも可能なため、起業したてのスタートアップから大企業まで幅広いユーザーが利用できます。加えて、どんな業種でも利用しやすいのが魅力です。

奉行VERP

「奉行VERP」は、OBCが提供するERPシリーズです。会計業務の「勘定奉行」、仕入・在庫管理の「蔵奉行」、総務・人事に対応する「人事奉行」など、さまざまなシーンで利用できるERPを揃えています。ERP同士で連携もでき、幅広い業務への対応から個別利用など柔軟な活用が可能です。
累計69万社の導入実績から、業務プロセスを最適化。AIによる学習で入力を自動化することで、生産性を向上させています。実際に奉行VERPを導入したことで、入力時間が88%減少したという調査結果もあります。
情報セキュリティ評価にてISO認証をされており、IPO実現企業の約56%が採用するなど、セキュリティ対策や内部統制構築に強いのも注目したい点です。

SAP ERP

「SAP ERP」は、SAPが提供するERPです。会計、設備管理、開発、販売など、幅広い機能を備えており、パソコンやタブレットなど、さまざまなデバイスで利用できます。
中堅・中小企業向けには、企業の成長に合わせて調整ができる「SAP Business One」「SAP Business ByDesign」などが用意されており、大企業から小規模事業者まで永続的に利用が可能です。
開発をしているSAPは、ERPにおいて40年以上の実績を持っており、今のことだけでなく未来を見据えたシステムを提供しています。

ERPパッケージ導入のポイント

ERPパッケージ導入のポイント

ERPパッケージを導入するだけでは、DXは成功しません。重要なことはERPパッケージを導入する目的を念頭に置き、それを達成できるか判断することです。ここからは、ERPパッケージ導入を成功させるためのポイントをご紹介します。

業務と合っているか

ERPパッケージを導入する際に大切なことは「業務と合っているか」です。業務と合っているか、合わせやすいかをきちんと導入前に確認する必要があります。

場合によっては、すべてをERPにするのではなく、SaaSやローコードと組み合わせて利用する方法も検討しましょう。現在ERPを導入している企業であれば、ERPとSaaSを組み合わせる、自社独自の部分はローコード開発をするなどの方法が適しています。周辺システムなどは低コストのERPを導入したり、ローコード開発をしたりするのも良いでしょう。

また手組みのシステムを利用している場合は、最新のERPに移行、もしくは低コストのERP+ローコード開発が向いています。ただし、手組みシステムの場合は、最新のERPにすると、現状の業務とのアンマッチが発生するケースもあるので注意が必要です。

ERPパッケージを導入してシステムの再構築を行う場合は、自社の現状とERPの活用方法を鑑みた導入が重要です。そのためにも、システム全体のイメージを最初に考えておきましょう。基幹システムとサブシステムの立ち位置、どう統合するかなど、方向性を明確にすることで、業務に合ったERPの導入やシステムの再構築がしやすくなります。

ランニングコストを捻出できるか

ERPパッケージ導入の際には、パッケージ化にかかるコストも考える必要があります。ERPパッケージを導入すれば、開発や保守管理のコストは減りますが、利用する限りはランニングコストがかかります。これを定期的に捻出できるかを、導入前に考えましょう。

ランニングコストを抑える方法としては、ERPの範囲を限定する方法があります。これは先述したように、SaaSやローコード開発も取り入れて、一部だけERPを導入する方法です。導入範囲を限定することで、すべてをERPにするよりもコストが抑えられます。

また再度同じ業務を行うのに、同じ費用をかけるのか(経営からの反発)、これまでと同じ業務ができない(現場からの反発)、DXとの関連が不透明など、各所からの反発によって費用を捻出できない可能性も考えられます。こうした事態を避けるため、システムの方向性を整備し、ロードマップの作成、変化に強い仕組みの構築で、費用の意味づけを行いましょう。

必要な人材を確保できるか

ERPパッケージ導入と同時に、管理や分析・活用ができる人材の育成が必要です。日本ではIT人材がIT企業に集中しています。しかし、時代の流れが速くなったことにより、管理や分析・活用を外部に任せていると、流れに乗り遅れてしまう可能性が高いです。

自社でITやDXに強い人材を育成し、できるだけ内製化することも重要になってきます。

JBCCの基幹システム再構築事例

JBCCでは、基幹システムの再構築を数多くサポートしてきました。ここではJBCCが行った基幹システム再構築の事例をご紹介します。

基幹システムの刷新で大幅な効率化に成功【株式会社モンテール様】

株式会社モンテール様では、これまでメインフレームを利用していました。しかし古いシステムのため、最新のIT技術を採り入れられない、変化にスピーディに対応できないなどの問題が起こっていました。ERPパッケージの導入も検討しましたが、独自性のある業務であることから基幹システムはフルスクラッチで作成していたため、ERPパッケージを導入するとかえって改修費用が嵩んでしまいます。COBOLの技術者がいるため、現状では開発や保守管理に問題はありませんが、COBOLは技術者が減っており、今後の人材確保が難しくなるだろうという問題も抱えていました。

そこでJBCCではGeneXusを活用したJBアジャイルで基幹システムの再構築をスタート。マスター関連の機能を追加し、一括登録ができるようにシステムを刷新しました。独自性のある業務に合わせた再構築で、登録作業が月に6時間削減。出荷作業も一括指示を採用したことで、月60時間超の業務時間削減 に成功しました。

JBCC提供のGeneXus教育を受講し、GeneXusでの開発も技術者が2ヶ月程度でマスターしたことで、将来の人材不足も解消されました。

導入事例【株式会社モンテール 様】業務に即した販売管理システムをアジャイル開発で実現

情報の一元化でタイムリーな対応が可能に【株式会社エリナ様】

株式会社エリナ様は、業務プロセスが独特なため、基幹システムはパッケージのカスタマイズやスクラッチ開発で対応してきました。しかしサポート終了や技術者の減少などから、基幹システムの再構築を検討。ただ、独自性の高い業務はERPパッケージと合わず、業務に合わせた改修を行うことで、費用が嵩むことが問題となっていました。

そこで、GeneXusとJBアジャイルによるフルスクラッチでの再構築を実施。販売、入金、発注などのシステムを一元化することで、リアルタイムで情報を引き出せるようにしました。また問い合わせにもタイムリーな対応ができるようになり、業務生産性や顧客満足度がアップしたそうです。

加えて、GeneXusを社内でも利用できるようにしたことで、保守管理も自社でできるようになりました。

導入事例【株式会社エリナ 様】基幹システムをアジャイルで再構築、保守コストを1/4に削減

まとめ

ERPパッケージの導入では導入することだけを考えるのではなく、全体最適の視点で検討することが大切です。特に、生産管理、販売管理などの独自性があり、他社との差別化につながる業務に関しては、ERP導入が最適ではないこともあります。ローコード開発ツールによるアジャイル開発(JBアジャイル)で競争優位性を活かしつつ、人事、会計などの定型業務にERPパッケージを導入することがおすすめです。

超高速開発手法 JBアジャイル

https://www.jbcc.co.jp/products/solution/dev/jbagile/

JBCCではDXで考えるべきポイントを踏まえた、開発のご支援をしています。お気軽にご相談ください。

企業のIT活用をトータルサービスで全国各地よりサポートします。

JBCC株式会社は、クラウド・セキュリティ・超高速開発を中心に、システムの設計から構築・運用までを一貫して手掛けるITサービス企業です。DXを最速で実現させ、変革を支援するために、技術と熱い想いで、お客様と共に挑みます。