クラウドネイティブ電子カルテ「blanc」(ブラン)で進化する精神科医療―電子カルテのクラウド化と強固なセキュリティ基盤で実現した"絶対的な安心感"
左から 情報管理課 課長 常盤 克美 氏/看護部長 牛島 一成 氏/院長 杉山 直也 氏/病棟看護課長 今井 亮太 氏
静岡県東部の豊かな自然に囲まれ、地域における精神医療・保健・福祉ケアサービスを包括的に担う沼津中央病院様。同院は医療DXの基盤構築とBCP対策を見据え、電子カルテをクラウド型の「blanc」(ブラン)に移行しました。あわせて次世代ファイアウォールなどの導入により、セキュリティを大幅に強化しています。今回の取り組みの狙いや、目指すシステム像、導入後の効果について、お話を伺いました。
| 病院名 | 公益財団法人 復康会 沼津中央病院 様 |
|---|---|
| 所在地 | 静岡県沼津市 |
| 病床数 | 270床 |
| 診療科 | 精神科・心療内科 |
| URL | https://www.numazuchuo.jp |
サーバー管理の不安をゼロに!不測の事態でも診療を止めない体制へ
システム移行を機に業務フローを最適化、医療DXへの第一歩を踏み出す
導入前の課題と導入後の効果
オンプレミスのシステムが時代の変化に対応できない
- 次回バージョンアップ費用が想定を超えて高額となり、今後の継続的な維持コストの確保が大きな課題に
- オンプレミス環境では、近年のサイバー攻撃増加や自然災害発生時のBCP(事業継続計画)に不安
blanc導入で安心して利用できる環境を実現
- 停電や災害時のトラブル対応に対する不安が解消し、自院での保守管理にかかる心理的負担が大幅に削減
- 従来の「Psyche(プシュケ)」からのデータ継承を実現し、ユーザーの混乱なくスムーズに移行
- 紙の運用に縛られていた非効率な業務プロセスを見直し、生産性向上を実現
精神科医療を支え、100年を迎える沼津中央病院 病院概要
沼津中央病院様の概要と、これまでの取り組みについてお聞かせください。
杉山院長:当院は静岡県東部地域において、精神科医療および保健・福祉のケアサービスを包括的に提供している医療機関です。1926年(大正15年)の設立後、大空襲での焼失という苦難を乗り越えて再建を果たし、今年で創立100周年という節目を迎えました。香貫山のふもと、狩野川と黄瀬川のほとりに位置し、緑豊かで温暖な環境にありながらアクセスも良く、心の癒しには最適の環境となっています。
近年の特徴的な取り組みとして挙げられるのが、患者の尊厳を守り負担を軽減する「行動制限・身体拘束の最小化」です。私自身がこのテーマで約10年間、国の研究に携わってきた背景から、当院でも実践したいという思いがあり、2021年に本格的な取り組みを開始しました。全国の先進的な先行事例も参考にしながら全スタッフが一丸となって推進し、大きな成果を得ています。
災害・サイバーリスクに備えるため、クラウドネイティブ電子カルテ「blanc」(ブラン)を選択 導入の経緯とポイント
これまでオンプレミスの電子カルテ「Psyche」(プシュケ)※を利用されていましたが、今回クラウドネイティブ型の電子カルテである「blanc」(ブラン)へ移行された経緯をお聞かせください。
杉山院長:以前Psycheを導入したのは、精神科特有の診療・看護業務をきめ細かくサポートしてくれる機能性や、院内での情報共有・管理のしやすさを高く評価したからです。Psycheは実績も豊富で、長く安定して使える製品である点も決め手になりました。
その後、更新のタイミングを迎える中で、新たなシステムへの移行を検討することになりました。システムの選定にあたって重視したのは、診療情報を確実に引き継げることです。過去の記録を継続して活用できることは、患者さんへの医療の質を保つうえで欠かせない要素でした。
他の製品と比較検討した結果、高額ではありましたがblancを選択したのは、データを安全に継承できるだけでなく、今後の医療DXに伴う「電子カルテ情報共有サービス(標準化)」の対応についてもコミットされており、信頼感を持てたことが大きな理由です。
クラウド化自体は、もともと方針としてお持ちだったのでしょうか。
杉山院長:移行を検討した当時、近隣やお付き合いのある医療機関でサイバー攻撃の被害事例が相次いで発生していました。また厚生労働省による「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」が公開され、セキュリティのさらなる強化が求められるようになりました。医療機関にとって、セキュリティや自然災害を想定したBCP環境の構築は非常に大きな課題です。リスクに備え、不測の事態においても診療を継続できる環境を構築するには、クラウド化が必須であると考えていました。
JBCCの提案について評価をお聞かせください。
常盤情報管理課長:ガイドラインに対応するには、BCP環境構築の他に、ファイアウォールとエンドポイントセキュリティの強化が必要でした。JBCCからは「次世代ファイアウォール月額サービス」や「マネージドサービス for EPP Plus」の提案がありました。運用代行をセットにしたサービスを利用することで、限られたリソースの中でセキュリティを強化できるという、当院の課題に即した提案だったと思います。
blancの本稼働に向けて、どのような準備を行いましたか。
牛島看護部長:従来のPsycheからblancへの移行にあたっては、3か月ほどかけてワーキンググループで運用見直しや研修を綿密に行いました。操作感や画面レイアウトが大きく変わらないため、運用開始時に現場のスタッフや医師が混乱することもほとんどなかったです。
クラウド化がもたらした「絶対的な安心感」と業務効率化 導入の効果
blancを導入してどのような効果がありましたか。
杉山院長:クラウド化したことによる安心感は絶大です。以前のように院内に物理サーバーを置き、データ容量の管理や停電・災害時のトラブルにヒヤヒヤすることがなくなりました。また他の病院から来ている先生からも「blancは精神科特有の業務に対応しており、使いやすい」と評価されています。しかしオンプレと比較してクラウド型はネットワークの影響を受けるため反応が遅く、タイムラグが発生する場合があり、慣れるまで時間はかかりました。
常盤情報管理課長:セキュリティに関しても、日々監視する体制が整っており、非常に堅牢な環境で運用できていると感じています。
今井病棟看護課長:今回の移行では業務を見直す良い機会だと考え、各部署からメンバーを集め、ワーキンググループを結成して運用の見直しや研修を行いました。以前は紙の業務をそのまま電子カルテに置き換えていたため、非効率な運用になっている部分があることが課題でした。システムの移行を機にデジタル化をさらに進め、生産性を向上させることができました。
JBCCのサポート体制について感想をお聞かせください。
杉山院長:日々の業務の中で、どのようなことに困っているのか、言葉で伝えるのが難しいケースが多々あります。例えばネットワークの不調が続いて、データが消えてしまったり、不具合の状態に対する回答がなかなかこなかったりしました。その改善のためにJBCCは当院の診療室に足を運んで業務を確認しに来てくれました。直接話を聞き現場を見ること、そしてそこから課題の本質を理解した上で、解決策を提案してくれるようになりました。もし今回、他社に切り替えていたら、このような課題の解決は難しかったかもしれません。JBCCと長くお付き合いして、信頼関係を築いてきてよかったと思います。
常盤情報管理課長:JBCCのサポート体制にもとても助けられています。初期のネットワーク不調時は大変良くサポートをしてくれました。質問に対するスピーディで丁寧な回答や、現場の困りごとに対する親身な対応のおかげで、しっかりとシステムを運用できています。
時代の変化を見据えた医療DXへの期待 今後の展開
最後に、今後の展望やJBCCに対する期待をお聞かせください。
今井病棟看護課長:現状は、診療と同じぐらいの時間をカルテ入力に費やしており、重い負担になっています。将来blancにAIを活用した音声入力・自動要約機能が搭載されれば、患者様に向き合う時間を増やせると考えています。よりよい医療を実現するために、先進的なDXの実現を期待しています。
杉山院長:近年、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」への対応や、医療情報の標準化など、病院を取り巻く環境は大きく変化していく中で、将来的な対応をしていただけそうな企業だと感じています。今後も国の制度改定や医療DXの波が押し寄せますが、お互いに納得のいく形で柔軟に対応し、発展していければと考えています。
※Psyche(プシュケ):精神科医療機関向けのWeb電子カルテシステム。長年にわたり培われたPsycheの機能・ノウハウは、クラウドカルテ「blanc」の精神科機能にも継承されている。
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クラウドカルテ「blanc(ブラン)」
クラウドカルテ「blanc(ブラン)」は、『いつでも・どこでも・だれでも』をコンセプトにした電子カルテシステムです。オンプレミスの電子カルテ「Ecru」(エクリュ)の機能はそのままに、より使いやすいレイアウトとなりました。遠隔診療や訪問医療・看護・介護といったシチュエーションにもご利用いただけます。
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JBCC株式会社は、クラウド・セキュリティ・超高速開発を中心に、システムの設計から構築・運用までを一貫して手掛けるITサービス企業です。DXを最速で実現させ、変革を支援するために、技術と熱い想いで、お客様と共に挑みます。